第七百三十七話 休日の仕事は早く終えましょう

 翌朝、僕は早めに起きて準備を行います。

 瞼を擦りながら、リズ達も起きてきました。


「うーん、ねむいよー」

「ほらほら、騎士服のまま寝ちゃったから生活魔法をかけるよ」


 きらー。


 リズ達は騎士服のまま寝ちゃったから、生活魔法で綺麗にします。

 そういえば、お風呂にも入っていなかったから丁度良かったかも。

 スラちゃんとプリンも起きたので、準備を整えて皆で食堂に向かいます。


「ねーねー、今日は早く帰ってくる?」

「うーん、リズ達が頑張れば早く帰って来れるかもね」


 小さい子の朝は早いというか、既に食堂ではミカエル達が朝食を食べていました。

 トラブルがなければ午前中には終わる予定なので、午後からはミカエル達と遊べます。


「今日は宝探しだけだから、直ぐに終わるよ。帰ったら一緒に遊ぼうね!」

「うん!」


 リズも今日はそこまで大変じゃないと思っているので、さっさと捜索を終わらそうと思っています。

 朝食も食べ終えて準備完了、僕達は集合場所の辺境伯様の屋敷の前に集まります。


「アレクの所もミカエルがごねてたか。うちも、子どもらが早く帰って来てと言っていたんだよ」

「折角の安息日なのに、お仕事で不在ですからね」


 朝からお疲れモードのジンさんが辺境伯様の屋敷の前にいたけど、レイカちゃん達もジンさんと遊びたいとゴネていたのか。

 この分だと、レイナさん達もちょっと機嫌悪そうだね。

 因みに、ちびっこ軍団は全員辺境伯様の屋敷に預けられています。

 エマさんとオリビアさんが、皆の面倒をみてくれるそうです。

 全員揃った所で、まずは王城にゲートで移動します。


「「うー」」

「あらら、こっちでも不満そうなちびっこがいるね」

「しょうがないよ。普段大きいお兄ちゃんとお姉ちゃんと遊べないから、きっと楽しみにしていたのよ」


 王城に行くと、こちらでも不満そうな雰囲気を全く隠さないルカちゃんとエドちゃんの姿がありました。

 レイナさんとカミラさんが二人の頭を撫でているけど、ルーカスお兄様とアイビー様と一緒に遊びたかったんだね。


「直ぐに片付けて帰ってくるからね。私も、安息日に仕事は流石に嫌だから」

「帰ったら皆で遊びましょう。だから、二人とも元気を出してね」

「「うん……」」


 ルーカスお兄様とアイビー様も、流石に安息日はゆっくりしたいみたいだ。

 ちょっと涙目のルカちゃんとエドちゃんを見て、僕たちの心の中は決まりました。


「これも、あの馬鹿のせいだ。さっさと終わらせて、ゆっくりするぞ」

「「「おー!」」」


 ジンさんの掛け声で、全員の気持ちがまとまりました。

 気持ちが高まった所で、王城内の軍の詰所に向かいます。


「同じ事を、部下からも言われたよ。私も孫と触れ合いたいし、さっさと終わらせるか」


 詰め所にいた軍務卿も、部下からブーブー言われちゃったみたいです。

 ここはさっさと終わらせるに限りますね。

 ということで、早速僕たちは馬車に分乗してツンツン頭の屋敷に向かいます。

 仲間の屋敷の所にも、軍が手分けして向かいます。

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