七百三十六話 明日も作戦継続です

 三十分後、満足げな表情をしながらみんながアジトの中から戻ってきた。

 もちろん、先発隊だったプリンやアマリリス達も一緒です。


「全部探し終わったよ!」

「アジトには何も残ってないよ」

「そうか、ご苦労だったな」


 リズ達がルーカスお兄様に満面の笑みで結果を報告していたけど、どうやら中々良い仕事をしたみたいです。

 他の場所でも、ほぼ調べ尽くしたみたいです。


「いやあ、ベッツちゃんはとても活躍したよ。思いがけない所に隠されていたのも見つけていたわ」

「あの、何となくここに隠していないかなって思ったんです」

「その勘はとても大切だ。気になったら、どんどんと確認して問題ない」


 結局武力行使が無くなったのでベッツさんもアジトの捜索に回って貰ったのだけど、シシリーさんも大絶賛の結果だったらしい。

 当のベッツさんは恐縮しまくっていたけど、ルーカスお兄様もウンウンと頷いていた。


「では、ここは軍に任せて一度駐屯地に戻ろう。明日の事を決めないとな」

「「「はい」」」


 ルーカスお兄様がこの場をしめて、僕たちは再び王都郊外の軍駐屯地に戻ります。

 うん、今回僕は何もしなかったなあ。


「ティナおばあさま、僕は何もしなかったけど、予定通りに終わりました」

「何事もなく終わるのが一番よ。お疲れ様ね」


 軍駐屯地に戻ると、待機していたティナおばあさまが出迎えてくれた。

 誰も怪我をしなかったし、良かったと思います。


「押収物の鑑定と拘束した者の尋問はこれから行うが、バレン子爵家の者が含まれているのは確実だ。よって、明朝の関係先への家宅捜索は予定通り実施する」

「「「はい!」」」


 軍務卿が、僕たちだけでなく軍の関係者にも話をします。

 拘束された闇組織の関係者が、思いっきりツンツン頭の関係者だと叫んでいたもんなあ。

 スラちゃんもツンツン頭の関係者がアジトにいて拘束したのを確認しているし、家宅捜索を行うには十分な証拠が集まっています。

 今日はこれで解散で、僕とスラちゃんとポッキーが手分けして参加者を送って行きます。

 因みに、クラヴィーアさんとルルーさんとククリさんは明日は参加できないそうですが、ルシアさんは家宅捜索に参加します。

 ルシアさんの弟のチャールズさんもいるし、きっと何とかなるはずですね。

 僕とリズ達も、屋敷に帰ります。


「「ただいま帰りました」」

「「ただいま!」」

「皆さん、お帰りなさいませ。お疲れ様です」


 屋敷に着くと、チセさんが出迎えてくれました。

 ミカエル達は、既に夢の中ですね。


「明日も早いので、お休み下さいませ」

「「「はーい」」」


 チセさんももう寝るみたいだし、僕たちも明日朝のツンツン頭の屋敷の家宅捜索があるので直ぐに寝ます。

 リズ達は、当たり前みたいに僕の部屋に入っていったぞ。


 ぼすっ。


「ふわあー、もう眠いよ」

「夜遅いですからね」

「ねむねむ……」


 そして、僕が着替えている間に、リズ達はすやすやと眠ってしまった。

 まだ騎士服だけど、相当眠かったようだ。

 問題は、僕が寝るスペースです。

 うん、今日もベッドの端で寝ていよう。

 僕もゴソゴソとベッドに潜り込みます。

 では、おやすみなさい。

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