六百二十一話 皆でブーケを作ります

 さてさて、僕達にも結婚式に向けての準備があります。

 勿論フラワーボーイとフラワーガールもやるので衣装あわせもしているけど、別の作業を進めていました。

 因みに、ジェイド様とルシアさんの同級生は屋敷の客室に戻ったり、宿に行ったりしていました。


「うーんとね、このおはな!」

「ぼくは、こっち!」


 辺境伯家の双子ちゃんが、テーブルの上に置かれた綺麗な花を指さしています。

 選んだ花は、リズとサンディとイヨの所に集められました。


「じゃあ、ブーケを作るよ」

「「「おー!」」」


 これからリズを中心にして皆で作るのは、明日の結婚式で使うブーケです。

 リズはルルーさんの結婚式の時もブーケを作っていたけど、物を作るのもとっても得意みたいです。

 あーだこーだって考えずに、直感で作ってしまうみたいです。


「じゃあ、このくらいで茎をカットしてね」

「「「はーい」」」


 リズが、どんどんと作業の指示を出します。

 流石にちびっこ軍団がハサミを使うのは危ないので、ここはサンディとイヨが一緒についています。

 カットした花は、リズが手早く纏めていきます。


「お兄ちゃん、このくらいで良いかな?」

「うーん、もう少しだけ白っぽい花を混ぜた方が良いかも」


 僕はちょっと離れた所から束ねたブーケを見て、全体のバランスを確認します。

 リズも僕の隣にやってきて、うーんと唸っています。


「もう少しだけ、白っぽい花と葉っぱを増やそう。これでオッケーだね」


 リズは、全体のバランスを確認しながら花を追加します。

 後は、綺麗に束ねて薄いピンク色の紙で包んでから、リボンを結びつけます。


「「「出来たー!」」」


 今回も、良い感じにブーケが出来ました。

 皆も良い出来に大喜びです。

 無くしちゃいけないので、リズがブーケを持ってイザベラ様の所に持っていきました。


「あら、とても綺麗なブーケが出来たわね」

「皆で作ったんだよ!」

「そう、ありがとうね。明日の結婚式も、きっとブーケを見て皆もビックリするわよ」

「「「えへへ」」」


 ウェディングドレスが置かれている部屋に、イザベラ様がいました。

 良い出来のブーケを手にとって、ニコリとしながらリズを始めとする制作者の頭を撫でていました。

 これで、明日を迎えるだけだね。


「じゃあ、頑張った皆はおやつを食べてね」

「「「やったー!」」」 


 ご褒美におやつが食べられるとあって、皆は大喜びです。

 ちびっこ軍団は、急いで食堂に向かいました。


「本当に元気ね」

「そうですね。走って行くのはいけないんで、後で行っておきます」

「今日は皆頑張ってくれたから、少し多めにみるわよ」


 イザベラ様は、少し苦笑しながら食堂にダッシュしていくちびっこ軍団を見守っていました。

 因みに、食堂では何故かメイド服を着たルシアさんが、ちびっこ軍団にオヤツを配っていました。

 何でも、ルシアさんは明日の結婚式の事で緊張していて、少し動きたいらしいです。

 ルシアさんらしいといえばらしい、緊張のほぐし方ですね。

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