六百二十話 ジェイド様とルシアさんの同級生がやってきました

 ジェイド様とルシアさんの結婚式前日になると、二人の同級生が前日入りしながらシェファードちゃんの様子を見に来ました。


「あう?」

「ジェイド、良かったな。髪色はお前そっくりだが、顔はソフィアそっくりだ」

「何だか、前にも同じ話を聞いた気がするぞ」


 同級生がジェイド様をからかいながらも、赤ちゃんの誕生を喜んでいました。

 からかって言える仲なら、全然問題ないですね。

 シェファードちゃんは、初めて見る人を不思議そうに見つめていました。

 因みに、ジェイド様の同級生は結婚祝いと出産祝いを一つに纏めて持ってきていました。


「そーなんだ、赤ちゃんが生まれたんだね。おめでとー!」

「ありがとうございます。これも、リズ殿下に治療して頂いたお陰です」


 リズは、ジェイド様とソフィアさんの結婚式の時に治療した王都の商会の女性と話をしていました。

 無事に赤ちゃんも生まれて、女性もとても嬉しそうにリズと話をしていました。

 他にもジェイド様の同級生には子どもが生まれた人が多くて、特に育児が大変だという話を男女関係なくしていました。


「いやあ、まさかルシアが結婚するとは。しかも、辺境伯家に嫁ぐとはね」

「ククリは婚約していたって聞いたことがあるから心配していなかったけど、ルシアの方が先に結婚するとは」

「ランディも結婚したし、周りの人も結婚している人が増えたわ」


 どうもルシアさんの同級生はルシアさんがこんなにも早く結婚するとは思って無かったみたいで、微妙にショックを受けていました。

 でも、ルシアさんは最初に会った頃よりもだいぶ落ち着いてきたし、元々美人だから結婚できるのではないかなと思ったよ。


「しかし、子どもがいっぱいで可愛いわ」

「そうね。皆良い子だし、美形な子が多いわ」

「うーん、とっても眼福だわ」

「「「うん?」」」


 因みに二人の同級生の女性は、ある程度話を終えると遊びに来ていたミカエル達と触れ合っていました。

 確かにちびっこ軍団は皆可愛いし、美人さん顔なんだよね。


「おお、この子がお前が無理やり抱いて喋り始めた子か」

「もうこんなに大きくなったのか」


 そういえば、ミカエルはジェイド様とソフィアさんの結婚で抱っこが下手な人から逃れる為に僕の事を呼んだんだよね。

 僕も、まさかあのタイミングでミカエルが喋るとは思ってもなかったよ。

 と、ここでジェイド様が同級生に追加情報を伝えます。


「ミカエルは今年で五歳になるぞ。しかも、婚約者までいるぞ」

「その話は、親父から聞いたぞ。なんでも勲章も貰って教皇国の聖女様候補生と婚約者したとかなんかだったな」

「確か、謁見で言っていたんだよね。あの赤ちゃんだったミカエルちゃんも、本当に大きくなったよね」


 ジェイド様の話を聞いて平然としているのは、既に婚約者か結婚をしている人達です。

 ミカエルとブリットの件は陛下が謁見で言っていたから、貴族関係者なら周知の事実です。


「そうだよな、知ってはいたが改めて現実を知るとな……」

「私、五歳児以下なのね……」


 そして、ミカエルとブリットが仲良く手を繋いでいるのを見て、周知の事実を再認識しながら落ち込んでいるのがまだ独身の人達です。

 ジェイド様とルシアさんの同級生は学年が違うから、きっと新たな出会いのチャンスはあるはずですよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る