五百四十九話 ナイツ子爵領の初期調査結果
翌日は、予定通りナイツ子爵邸に皆で向かいます。
僕達にミカエルとブリットに、ルシアさんとククリさんも参加します。
ジンさんとレイナさんが付いてくれて、カミラさん達は辺境伯領内の捜査に加わるそうです。
因みに、全員騎士服を着ています。
何故ルシアさんとククリさんの騎士服があるのか分からないけど、気にしない事にしておこう。
「これだけのメンツがいれば、何かあっても楽勝だろうな」
「まあ、何もないと思うけどね。今日はどちらかというと、引率者って感じだね」
ジンさんとレイナさんが話をしているけど、僕もどちらかというと引率者の方に入るだろうね。
準備万端なので、皆で王城に向かいます。
「お待たせしました」
「いや、こちらも準備が出来た所だ」
王城の兵の詰め所に行くと、騎士服を着たルーカスお兄様が待っていました。
ここでも、オーガスさん達はサイズぴったりの騎士服を着こんでいました。
うん、気にしないことにしておこう。
そして、ルーシーお姉様とエレノアが捜索に参加するのは決まっていたのだが、何故かこの二人も側にいました。
「「いくー! いっしょー!」」
そうです、ルカちゃんとエドちゃんもちゃっかりとついてきていました。
でも、流石に小さい二人を連れて行くのは駄目ですね。
「ほら、二人はお母様の所に行ってね」
「「やだー!」」
ルーシーお姉様が弟を諭すけど、全く言う事を聞く気配がありません。
仕方ないと、最終兵器が登場しました。
「それじゃ、俺が王妃様の所に連れていくぞ」
「「いくー!」」
ルカちゃんとエドちゃんのお気に入りのジンさんが、二人をひょいと抱っこして王城の中に入って行きました。
うーん、ジンさんがここで離脱するとは。
「アレク君、もうしょうがないから私達だけで行きましょうね」
「……はい、そうですね」
王城に入っていくジンさんを苦笑して見ているティナおばあさまの進言もあったので、僕達はナイツ子爵邸に向かいました。
「さあ、ここからはルーカスお兄様が指揮官だから、ルーカスお兄様のいう事を聞くんだよ」
「「「はーい」」」
「ふふ、これだとアレク君が指揮官みたいだわ。実際、副官なのは間違いないだろうね」
アイビー様は思わず苦笑するけど、リズ達も状況は分かっているので大丈夫です。
念の為に、プリンにはルーカスお兄様の護衛について貰っています。
プリンも役割を与えられてとても張り切っていて、やる気満々でルーカスお兄様の肩に飛び乗りました。
「状況はどうなっている?」
「はっ、執務室などは既に捜索を終えております。闇組織との繋がりを示す書類も出て来ております」
ルーカスお兄様が現場の指揮官の状況を聞いているけど、主だった部屋は調べ終わっているそうです。
早速スラちゃんが長距離転移で、王城に押収した資料を運んでいました。
「街も、比較的落ち着いております。領主が捕まったと慌てている者がおりましたが、その者は領主と裏取引をしていた者でしたのでナイツ子爵領兵が捕縛しております」
「屋敷に勤めている者だけでなく、街の者も領主と嫡男の異常に気が付いていたのか」
「はい。以前より圧政をしていた様で、相当前より不満を持っている者が多かった様です」
「何とも嘆かわしい事だ。領主と嫡男の異常以前の問題だったとは」
ルーカスお兄様が、タブレット型の魔導具で報告のあったものを王城に伝えています。
こうなると、闇ギルドとの繋がりだけでなく数々の不正の証拠も押さえた方が良さそうですね。
「じゃあ、リズ達は幾つかのグループに分かれてオーガスさん達の指揮の下で動いてね。前から悪い事をしていたみたいだから、色々な物が隠されているかも」
「ふふふ、リズにお任せだよ! 本気で探して、何でも見つけちゃうよ!」
リズが本気で探すとなると、隠されている物も意味はないだろうな。
という事で、屋敷の捜索開始です。
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