五百四十八話 明日は皆でナイツ子爵邸に向かいます

 昼食の時間になったので、皆を起こしつつ会議に参加していた人から状況を教えて貰う事になりました。


「「「むしゃむしゃ」」」

「よっぽどお腹が空いていたのね。一心不乱に食べているわ」

「朝早かった上に、おやつ抜きで寝てしまいましたから」


 ベッドでスヤスヤと寝てしまった組は、一心不乱に昼食を食べていました。

 アリア様も、ちょっと苦笑しています。

 ルカちゃんとエドちゃんも、もりもりとご飯を食べています。

 エレノアといっぱい遊んで貰ったから、こちらもお腹ペコペコなんですね。


「アレク、あの子爵と嫡男と一緒にいたメイドがいただろう。あのメイドが、事件の事情を知っていたぞ」

「えっ、そうなんですか?」

「ああ。あのメイドは嫡男付きのメイドで、事件には手を出してなかったが情報は持っていた」


 ジンさんが色々と教えてくれたけど、そういえばあの侍従は主様の罪を把握していたって言っていたよね。


「で、あのメイド服には特殊な魔導具が付けられていて、ある特定属性の魔法を無効化する仕掛けになっていた」

「だから、僕とリズの合体魔法が弾かれたんですね」

「だな。しかもメイドを盾にすれば、俺達も手が出ないと思ったらしい。悪役のくせに頭が回るよ」


 闇ギルドも、とんでもない魔導具を開発したね。

 でも、魔導具ならもしかして壊れるんじゃないかなって思ったりもしたよ。


「ナイツ子爵領は、当分国とサーゲイロード辺境伯領で合同統治になるわ。何せ当主と嫡男が同時に捕まった上に、他の直系男女がいないのよ」

「もしかして、今回の件と関係なくお取り潰しの可能性もあるんですね」

「流石に傍系の血はあると思うけど、今回はちょっと難しいかもね」


 ティナおばあさまがナイツ子爵領の事を話してくれたけど、難しい決定になるから宰相とかにお任せですね。

 闇ギルドとの取引だけでも重罪なのに、王都襲撃や学園の件も絡んでいる。

 ナイツ子爵と嫡男には、厳しい処罰が待っているのは確実ですね。

 そもそも二人はおじいちゃんみたいになっちゃったから、取り調べに耐えられるか分からないけど。


「まだ現地の安全確認が終わらないから、リズちゃん達の出番は明日からね」

「リズ、何でも見つけちゃうよ!」

「ミカも!」


 ある程度の証拠品は今日現地にいる兵が押収するけど、隠された物を見つけるのが大得意なリズはミカエルと共にやる気満々です。


「せっかくだから、勉強も兼ねてルーカスに指揮を取って貰いましょう。明日は丁度学園も休みですから。ついでにオーガス達も連れて行きましょう」

「母上、承知しました。頑張ります」


 オーガスさん達はルーカスお兄様の将来の側近間違いなしだし、良い経験になると思うよ。

 恐らくジンさんとティナおばあさまも一緒だし、全く問題ないですね。

 明日の事も決定したので、追加の兵をナイツ子爵邸に送ったら僕達は屋敷に帰りました。


「いやあ、ポッキーが大活躍していたよ。あと、薬草採取で一緒になるおばちゃんって目茶苦茶強いね」

「キュキュー!」


 今日のご褒美のケーキを貰って上機嫌なルシアさんとポッキーを、皆で眺めています。

 カミラさんの活躍もあったけど、魔獣一体をを制圧したのは間違いなくポッキーのお陰だもんね。

 因みに、ジンさんの屋敷でも労いのスイーツパーティーが開かれています。

 アレクサさんも大活躍でしたもんね。


「明日は、私達も捜索に参加します。辺境伯様が捜査で忙しいので、別の仕事をするようにと言いまして」

「「「わーい」」」


 正直な所、ククリさんが捜索に加わってくれるのはとてもありがたいです。

 リズ達も大歓迎だし、ポッキーの能力も大きいもんね。

 因みに、ルシアさんはご飯は別腹と言って夕食ももりもりと食べていました。

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