五百三十八話 明日に向けての準備

 いよいよナイツ子爵邸への突入を明日に控える中、夜になるとスラちゃん達が最後の内偵と事前準備を行う為にナイツ子爵邸に向かいました。

 向かったのはスラちゃんとプリンと、ルシアさんの従魔のポッキーです。


「不審なものを徹底的に回収してくるんだって」


 リズが僕に説明をするけど、僕もスラちゃんのリアクションは何となく分かります。

 今回内偵に向かうのはアイテムボックス持ちなので、不正の証拠なども一斉に押さえるそうです。

 まあ、スラちゃんがいるから何かあっても大丈夫でしょう。


「ポッキー、頑張ってきてね!」

「キュー!」


 ルシアさんの檄に、ポッキーが手を上げて応えました。

 そしてスラちゃんと一緒に、ナイツ子爵邸へ向かって行きました。


「さあ、僕達は明日朝早いから、夕食を食べたら寝ようね」

「「「はーい」」」


 僕達が今何か出来る事はないから、いつもの生活を送ればいいだけですね。

 皆で食堂に移動して、夕食を食べる事にしました。


「ねえお兄ちゃん、明日ブッチーは王城に行くんだよね」

「ブッチーだけでなく、カゲとユキも王城にいるよ。ポニさんとマロンは、屋敷に残るけどね」


 念の為に、ポニさんとマロンは辺境伯領の守りの為に残ります。

 カゲとユキは、ルーカスお兄様とアイビー様が万が一出動した場合の護衛です。


「サンディとイヨは、ルカちゃんとエドちゃんの護衛だね」

「「頑張る!」」


 サンディとイヨは、何かあった時の為にルカちゃんとエドちゃんを守る事になります。

 とはいえ、近衞騎士もいるし殆どやる事はないと思うけどね。


「ルシアさんとククリさんは、辺境伯領に残るんですよね」

「そうだよ。辺境伯領で何かあったら、私達が解決するよ!」

「実際にはカミラさん達もいますので、戦力的には全く問題ありません」


 ポッキーがいると、ルシアさんの能力がぐーんと上がるから、ここはククリさんとポッキーにルシアさんのコントロールをお願いするしかないですね。

 クラヴィーアさんは万が一に備えてバイザー子爵領に行っちゃったし、辺境伯領に残るノエルさんは大人しい性格だから、ルシアさんのコントロールはククリさんにお願いするしかないですね。


 しゅっ。


「あっ、スラちゃんが帰ってきたよ!」


 ナイツ子爵邸に向かって僅か一時間で、スラちゃん達が帰ってきました。

 やり切ったという表情から、事前準備は上手くいったみたいですね。

 スラちゃん達は、テーブルにある自分の分の食事を食べ始めました。


「皆も明日の準備はばっちりだよね?」

「「「ばっちり!」」」


 まあ、どう考えても侍従のお姉さんとジュリさんが皆の分の服とかを用意しているとおもうんだけどね。

 こうして、明日に向けて準備は着々と進んでいきました。

 僕も明日は頑張らないとね。

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