五百十六話 謎の贈り物
さて、闇ギルドの件もあるけど、おめでたい話の件も勿論祝わないといけません。
先ずはアリア様のお祝いを、皆で行います。
「ごめんなさいね。二人の時と比べても、ここまで酷いつわりは初めてだったわ。もう、だいぶ良くなったから大丈夫よ」
「まーま、だーじょーぶ?」
「ポンポン、いたーない?」
「もう大丈夫よ。二人ともありがとうね」
アリア様は、夏前にはつわりが良くなりました。
ルカちゃんとエドちゃんも、具合の悪いアリア様を心配そうに気遣っています。
まだ小さいのに、ルカちゃんとエドちゃんはとっても優しいですね。
「しかし、王家も賑やかになるわね。今度は男の子と女の子のどちらかしら?」
「男の子でも女の子でも、元気な赤ちゃんが産まれてくれれば良いわね」
王妃様とティナおばあさまは、ルカちゃんとエドちゃんだけでなくリズ達も集まっているアリア様の事を微笑ましく見つめていました。
王家も子どもがいっぱいだし、皆元気いっぱいでワイワイしてるもんね。
「ルーカス様の弟様になるか妹様になるか、私もとっても楽しみですわ」
今日は教皇国からカレン様もやってきていて、子ども達と戯れるアリア様の事を微笑ましく見つめていました。
ルーカスお兄様とアイビー様はまだ学園で勉強中なのに、今日カレン様が王城にいるのには訳があります。
「アリア様、こちら教皇様よりご懐妊のお祝いの品となります」
「わざわざありがとうございます。教皇様にも、宜しく伝えて下さいませ」
既にアリア様が懐妊したという事は国内外に伝えられています。
カレン様は、教皇様から質の良いタオルなどのセットを手渡していました。
身内の様な接し方をしている人は、実用品が良いんじゃないって事になりました。
因みに帝国のリルムからもアリア様にプレゼントが渡されていて、更には一生懸命手紙を書いて手渡していました。
リルムにとっては、産まれてくる赤ちゃんはいとこになるもんね。
「しかし、ろくでもない物を贈ってくる貴族も未だにいるんですね」
「高価なものを贈れば良いって思っているアホな貴族もいるわ。周囲に
王族との繋がりをアピールする為でしょうね」
花束とかはまだ良いけど、宝石だったりアクセサリーだったりと扱いに困るものもあった。
中には高級なお酒を贈ってきた馬鹿な貴族もいて、陛下だけでなく王妃様もその貴族を呼び出して滅茶苦茶怒ったそうです。
妊婦にお酒を贈って、一体どうするつもりなのでしょうか。
「訳わからない木彫りの置物もありましたね。鑑定しても、本当にただの木彫りの置物でしたし」
「今回は、怪しい贈り物はなかったから良しとしましょう。こんな物でも、お礼を書かないといけないのは面倒くさいわね」
ティナおばあさまがぶっちゃけちゃったけど、確かに木彫りの置物を貰っても倉庫の肥やしになるだけです。
僕だったら、木彫りの置物を貰ってもお礼はかけないよ。
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