四百九十一話 メイちゃんとリラちゃんがお姉ちゃんになったよ

 その後も王城で勉強を続けていて、夕方にリズとサンディとイヨと共に屋敷に帰ります。

 スラちゃんはちょっと用事があるそうなので、プリンと一緒に長距離ワープで帰ってくるそうです。

 王妃様がスラちゃんとプリンを連れて宰相の所に行くって言っていたので、きっとさっき話のあった執務官候補生の件じゃないかな?


 ドタバタ、ドタバタ。


「あれ? 何だか屋敷が騒がしいね」

「何かあったのかな?」


 屋敷に帰ってきた僕達を待っていたのは、せわしなく動いている人だった。

 リズもサンディも、何が起きているのかはてなモードだった。

 と、ここでミカエルとブリットが僕達の所にとととってやってきました。

 何だか、ブリットもサンディもわちゃわちゃしてるぞ。


「にーに、ねーね、おかーり」

「おかーり」

「ミカエル、ブリッド、ただいま。何があったの」

「うんとね、あかちゃ」

「うまれる!」

「「「「えっ!」」」」


 ミカエルとブリットから聞いた情報に、僕達はびっくりです。

 侍従のお姉さんに赤ちゃんが産まれるのか。

 僕は、ミカエルとブリットと一緒に出産用に準備された前に向かいます。

 と、ここで思わぬ邪魔者が参上します。


「メイちゃん、リラちゃん。どうしたの?」

「ママがたいへん」

「ここからだめなの」


 侍従のお姉さんの子どもであるメイちゃんとリラちゃんが、両手を広げてとうせんぼしていた。

 まだ幼いメイちゃんとリラちゃんなりに、お母さんである侍従のお姉さんがいま大変な仕事をしているのを理解しているんだろうな。


「じゃあ、メイちゃんとリラちゃんも食堂に行ってジュース飲もうね」

「「うん」」


 僕は、メイちゃんとリラちゃんの手を取って食堂に向かいます。

 リズ達も、ミカエルとブリットの手をひきながら後からついてきました。

 そろそろ夕食の時間だけど、今日は忙しいからどうなるのかな?

 

 かちゃ。


「あ、アレク君おかえり。皆もお帰りね」

「あれ? ソフィアさん?」


 台所には、双子ちゃんを抱っこしているソフィアさんがいた。

 何でソフィアさんが僕の屋敷にいるんだろうか?


「我が家に、ジュリさんが赤ちゃんが産まれそうだって駆け込んできたのよ。丁度アレク君達が王城に向かった後ね」

「そんなに前から産まれそうになったんですね」

「まあ、出産だから時間がかかるのはしょうがないわ。だから、私もたまに屋敷に戻りつつみんなの様子をみていたのよ」


 ソフィアさんには、本当に感謝しています。

 どうもチセさんやジュリさんも侍従のお姉さんの部屋に行ったり来たりで忙しいので、代わりにミカエル達の面倒をみてくれていたそうです。

 屋敷の厨房もお湯を沸かしたりと出産対応モードなので、辺境伯家から料理を持ってくるそうです。

 流石にリズ達も、今日は流石に大人しく食事を食べていました。

 そして、出産対応の人達も交代交代で晩御飯を食べました。


 そしてソフィアさんと一緒に皆とお風呂に入って、ちょっとゆっくりしていた時でした。

 ミカエルとブリッドに双子ちゃんも赤ちゃんを見るっていいながら、ちょっとこっくりこっくりしていました。

 スラちゃんもプリンも、帰ってきたら赤ちゃんが産まれそうだと知ってびっくりしていました。


「「おぎゃーおぎゃー」」


 元気な赤ちゃんの泣き声が、屋敷の中に響きました。

 僕も皆も、一斉に顔をみあわせました。

 勿論、ミカエル達もばっと起き上がりました。


「「「産まれた!」」」

「「はいはい、慌てないでね。ゆっくり部屋に行きましょうね」」

「「「はーい」」」


 ソフィアさんに注意されながらも、僕達はウキウキしながら出産用の部屋に向かいます。

 

 コンコン。


「ソフィアです。皆も一緒ですが良いですか?」

「はい、どうぞ」


 部屋の中からチセさんの声がして、部屋のドアが開きます。

 皆で部屋の中に入るとベッドには侍従のお姉さんが休んでいて、二つのベビーベッドには小さな赤ちゃんがいました。


「ほらメイ、こっちにおいで。弟ができたわよ」

「リラもおいで。リラもこれでお姉さんね」

「「うん!」」


 メイちゃんとリラちゃんは、侍従のお姉さんに手招きされて僕達と一緒にベビーベッドの側に移動しました。


「わあ、ちいさい」

「かわいい!」


 メイちゃんとリラちゃんは、産まれたばかりの弟の頭をニコニコしながら優しく撫でていました。

 僕の屋敷も、一層賑やかになりますね。

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