四百九十二話 皆が赤ちゃんを見に来ます

 赤ちゃんが産まれて一週間後、僕の屋敷には沢山の人が訪れています。

 今日は、ルーカスお兄様達にエドちゃんとルカちゃんも赤ちゃんを見にきました。


「「あうあう」」

「あかちゃ!」

「かわいい!」

「そうね、赤ちゃん可愛いわね」

「エドちゃんもルカちゃんも、可愛がって上げるのよ」

「「うん!」」


 エドちゃんとルカちゃんも、初めて見る赤ちゃんに興味津々です。

 目を輝かせて、赤ちゃんの頭を撫でたりほほを突っついたりしています。

 一緒に来た王妃様とアリア様も、将来の侍従候補に目を細めていました。

 赤ちゃんは、将来的には誰かの執事になる可能性が高いでしょうね。


「元気な赤ちゃんだね」

「そうなの、ケンちゃんげんき!」

「レオンちゃんも!」

「うふふ、二人とも可愛いわね」

「「うん?」」


 先に赤ちゃんを見たアイビー様とルーシーお姉様はメイちゃんとリラちゃんとお喋りしているけど、一生懸命に弟の事を話す二人が可愛くて思わず頭をなでなでしていました。

 

「「ふわああ」」

「あ、スラちゃんが赤ちゃんがお腹空いたって言っているよ」

「じゃあ、皆は応接室に移動しましょうね」

「「「はーい」」」


 ここでケンちゃんとレオンちゃんがかわいらしく泣き始めたので、スラちゃんが泣いている理由を教えてくれました。

 赤ちゃんの世話は任せろとスラちゃんは張り切っていて、侍従のお姉さんも助かっています。

 赤ちゃんがおっぱいを飲むので、僕達は応接室に移動します。


「赤ちゃん可愛かったね」

「うん」


 実は赤ちゃんが産まれて変化が出てきた人物がいました。

 エレノアがイヨに話かけているけど、イヨの口元が少し嬉しそうです。

 赤ちゃんに触れる事で、イヨの表情が少しずつ戻ってきたのです。

 赤ちゃんの存在が、イヨにも良い影響を与えていました。


「ぷれぜんと」

「ありがとー」

「いえいえ、どういたしまして」

「ちゃんとお礼が言えて偉いわね」

「「えへへ」」


 勿論、お姉ちゃんとして張り切っているメイちゃんとリラちゃんにも良い影響がありました。

 王妃様とアリア様に、お姉ちゃんとして赤ちゃんへの贈り物のお礼をしていました。

 王妃様とアリア様も、かわいらしくお礼を言うメイちゃんとリラちゃんの頭をなでなでしていました。

 実は赤ちゃんへの贈り物が沢山来ていて、閣僚にティナおばあさまに辺境伯様にジンさんからきていました。

 更には、帝国の皇族や共和国のクレイモアさんに、教皇国からはカレン様からも贈り物を頂きました。

 僕達も、おむつセットをプレゼントしています。

 侍従のお姉さんは僕を通じて色々な人と知り合っているので、知り合いも凄い人が多いんだよね。


「さて、そろそろ赤ちゃんが寝る頃だね」

「そうだね。じゃあ、皆で薬草採取に行こう」

「「「おー!」」」


 今日は久々に皆で薬草採取に行こうという事になりました。

 今まで学園入学の準備で色々動けなかったルーカスお兄様とアイビー様も、今日は一緒に参加します。

 僕達はごそごそと準備を始めました。

 因みに王妃様とアリア様は、屋敷に残って子ども達の面倒を見てくれるそうです。

 ミカエルとブリットは僕達と一緒に来るけどね。

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