四百六十一話 豪華な参列者の中での結婚式

 結婚式の会場となる辺境伯領の教会には、多くの来賓が集まっています。

 王国からはルイちゃんとエドちゃんを除く全ての王族に、閣僚や主要な貴族が集まっています。

 帝国からは皇妃様とリルムが、共和国からはクレイモアさんとジェットさん、教皇国からは教皇様とレリーフ枢機卿とカレン様が来ています。

 更には、多くの冒険者や街の人も結婚式に参加しています。

 うーん、とんでもない人数が教会に入っているぞ。

 特に冒険者の席がぎゅうぎゅうです。


「凄いね、ケイリお母さんの時よりも人が多いよ」

「今までで一番多いかも」


 リルムとリズが参加者について話をしているけど、ジンさん曰くこれでもかなりの人数を絞ったらしい。

 僕達の様に王族じゃないのに、ジンさんの人脈って凄いなあ。


「なんだよ、ジンはまた緊張しているのか?」

「二回目なのに、相変わらずだなあ」

「お前ら、うるさいぞ!」

「「「ははは」」」

 

 ジンさんはというと、またもや緊張していて冒険者からツッコまれています。

 周りから笑いが起きているけど、雰囲気はとても和やかです。


「これより結婚式を執り行います。それでは、新婦の入場です」

「「「うおー!」」」

「「「綺麗ね」」」


 司会の挨拶で結婚式の開式が告げられると、新婦のアレクサさんがレリーフ枢機卿の介添で教会の中に入ってきました。

 アレクサさんの綺麗なウエディングドレスを見た冒険者が、一斉に歓喜の声を上げています。

 女性陣からは、アレクサさんの美しさにウットリする声が聞かれています。

 アレクサさんは既にご両親を亡くしているので、誰が介添をするかで教皇国内で熱いバトルがあったそうです。

 バトルを勝ち抜いたレリーフ枢機卿が、アレクサさんの介添をしています。


「導くもの様、どうかアレクサを宜しくお願いします」

「はい、任せて下さい」


 にこやかに話すレリーフ枢機卿からアレクサさんを受け取ったジンさんは、アレクサさんと共に神父役の司祭様の前に立ちます。


「これより、神に新たな結婚報告を行う」


 司祭様が話し始めると、赤ちゃんや小さい子どもも含めてシーンとなりました。

 全ての人が、ジンさんとアレクサさんに注目しています。


「ジン・フォン・クロスロードはアレクサを妻とし、終生愛する事を誓いますか?」

「誓います」

「アレクサはジン・フォン・クロスロードを夫とし、終生愛する事を誓いますか?」

「はい、誓います」

「それでは指輪の交換を」


 結婚の宣誓が終わり、指輪の交換も終わりました。


「それでは、誓いの口づけを」

「「はい」」


 司祭様の声でジンさんが、アレクサさんのベールを持ち上げて誓いの口づけをします。


「「「ヒューヒュー!」」」

「「「いいなあ、羨ましいなあ」」」


 ジンさんとアレクサさんをはやし立てる冒険者と、クレイモアさんの様な独身女性の羨ましいコールの中で、誓いの口づけが行われました。


「おお、ここに新しい夫婦が誕生しました。盛大な拍手で送り出して下さい」

「「「わー!」」」


 拍手と共に大きな歓声が上がり、その中をジンさんとアレクサさんは退場していきます。

 レイカちゃんとガイルちゃんも、周りの真似をして拍手しています。

 これで結婚式は終わりですけど、まだまだイベントはつづきますよ。

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