四百六十二話 ブーケプルと戦勝祝いを兼ねたパレード

 先ずは教会の庭でブーケトスを行ないます。

 今回は独身女性がとても多いのですが、ここでちょっとしたアナウンスが。


「新婦のブーケは、子ども達も作成に協力しています。ブーケをボロボロにしたら、子ども達は泣いちゃうかもしれませんね」

「「「えー!」」」


 うん、これは事実です。

 アレクサさんのブーケ作りには、リズ達も参加していたんだよね。

 お花とかはレイカちゃんとガイルちゃんの指差しで加わった物もあるし、もしブーケがボロボロになったら泣き出すのは必死だ。

 ブーケハンターとなった独身女性陣も、流石にテンションが下がりました。


「なので、今回はブーケトスではなくブーケプルズを行いましょう」

「よっしゃー、俺達も参加するぞ」

「独身だから問題ないだろう」


 ここで、何故か独身男性がブーケプルズに参加すると言い出しました。

 嬉々として参加するごっつい冒険者が加わったので、何だか嫌な予感がしています。


「それでは、紐をゆっくりと引っ張って下さい」

「ああ、駄目だった」

「私も駄目だったよ」

「私もよ」


 案の定、独身女性陣はブーケに繋がっていない紐を引っ張っていた。

 悔しがる女性陣を他所に、野太い歓声が。


「おおー、ブーケゲットしたぞ!」

「「「うおー!」」」

「はい、ブーケをゲットされた方、おめでとうございます」


 ブーケをゲットしたのは、ゴリゴリマッチョの冒険者のお兄さんです。

 実はこのお兄さん、近々結婚予定だというので婚約者によい贈り物になりそうです。

 野太い歓声が上がる中、司会もさっさと締めています。


「ははは、これは中々面白いなあ」

「ええ、欲望まみれだと上手く行かないという事ですね」

「「「ううっ」」」


 陛下と皇妃様の言う通り、欲に塗れると良いことが起きないという事ですね。

 独身女性陣も、図星の指摘に思わずガックリです。


 そして、次は披露宴なのですが、そうは行かないのがジンさんの結婚式です。


「おい、また馬車が用意されているぞ」

「子ども用の馬車もありますね」


 そうです、またもやオープンタイプ馬車に乗って街中をパレードします。

 しかも、いつの間にか作ったのか、子ども用の馬車もあってポニさん達が準備しています。

 しかし、用意された馬車の数が何だか多くないですか?


「今回は俺達も練り歩くぞ。何せ戦勝祝いも兼ねているからな」

「ほらほら、ランディとルルーの婚約披露もあるのだから二人も馬車に乗るぞ」

「お兄ちゃんも馬車に乗るんだよ」

「「「えー!」」」


 おおう、何故に僕も馬車に乗るのですか?

 巻き込まれたランディ様とルルーさんも、かなりびっくりしていています。


「ルーカス、アイビーよ、そなたも乗ってくるが良い。バイザー子爵領での功労者だからな」

「そうそう、二人も辺境伯領の街の人に顔が知られているから全く問題ないわね」

「ついでだから、ルーシーもジェットと共に馬車に乗っていなさいな」

「「「「えっ!」」」」


 あーあ、ルーカスお兄様とアイビー様更にはルーシーお姉様とジェット様もパレードに参加する事に。

 因みに、カレン様とリルムとクラヴィーアさんはミカエルとブリッドに手を引かれて子ども用の馬車に乗車済みです。


「ほほほ、これは素晴らしい光景ですな」

「ええ、各国の未来ある子ども達が一同に集まってパレードに参加しておりますわ」

「街の人も大歓迎で、流石は導くもの様ですな」

「ええ、是非とも説法で皆にお伝えしなければなりませんね」


 教皇様とレリーフ枢機卿の言う通り、各国の後継者が集まったパレードなんて中々ないよなあ。

 と、僕は何故かジンさんと同じ馬車に乗りながら、そんな事を思っていました。

 因みに、リズ達は子ども用馬車に乗っています。

 くそう、やられたぞ。


「では、出発!」

「「「わー!」」」


 そして、辺境伯領の騎士団長の掛け声を合図に、パレードは出発しました。

 うん、物凄い歓声だなあ。

 僕達は沿道に並んでいる人に向けて手を振りながら、街並みを眺めていました。

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