転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

四百五十話 ブランターク男爵領へ出発

　一旦辺境伯領に軍勢とかを集めて、最初にバイザー子爵領に向かうメンバーを運びます。

　ミカエルとブリッドとルーカスお兄様とアイビー様の護衛には、スラちゃんが頑張るぞとやる気を見せています。

　冒険者ギルドでバイザー子爵領へ向かう人を連れて、バイザー子爵領にゲートを繋ぎます。

「わりゅものやつける」

「ぞー」

「「「おー！」」」

　バイザー子爵領についた冒険者や軍のメンバーは、早速ミカエルとブリッドの声に応えていました。

　小さな領主の掛け声に、皆はやる気満々です。

　これなら大丈夫だと思って、後はルーカスお兄様とアイビー様とバイザー子爵領の屋敷の侍従長に任せます。

「今回はジンは奥の手だな」

「安心して結婚式の準備をしてくれ」

「すまんな。何かあったら駆けつけるぞ」

　バイザー子爵領から辺境伯領に戻ると、他の冒険者に諭されているジンさんの姿がありました。

　この街の冒険者はとても強いし、ジンさんが出てくるのは余程の事だけになりそうです。

「あーあ、結婚式の準備のストレス発散したかったなあ」

「手紙書いたり返信出したりと、本当にストレスが溜まるのよね」

「あはは……」

　レイナさんとカミラさんが何か言っていますが、聞かなかったことにしておきます。

　暴れてストレス発散する気なんだろうな。

　アレクサさんの苦労が偲ばれます。

　その間に、僕達も出発の準備を進めます。

「じゃあ、行ってきます！」

「気をつけてな」

　僕とリズとサンディとイヨはポニさん達に乗り、ティナおばあさまや護衛につく兵や近衛騎士は馬に乗ります。

　辺境伯様に見送られながら、僕達もブランターク男爵領へ出発します。

　パカパカパカパカ。

「すみません、どのくらいでブランターク男爵領に着きますか？」

「普通の馬車では一日かかりますが、このペースですと三時間もあれば到着します」

　街道を進みながら、僕は道案内を務める兵に道中の事を聞きます。

　因みに、辺境伯領の兵の一個中隊が先にブランターク男爵領に向かっているそうです。

　街の人に被害が出てなければ良いなと思いつつ、僕達は進んで行きます。

　道中は、馬やポニさん達の休憩も入れます。

　ポニさん達は全然余裕って表情だけど、休める時はしっかりと休まないとね。

「やあ！」

「えーい！」

「「「ギャウン！」」」

「うんうん、その調子よ」

　ブランターク男爵領に近づくに連れて、動物や魔物が多く現れます。

　交代で護衛をしながら休憩を取りますが、今はノエルさん指導の下でサンディとイヨがオオカミの群れに魔法を放っています。

　僕達と一緒に訓練しているサンディはともかくとして、最近一緒になったイヨも魔法のセンスはありそうです。

　闇魔法特化型のイヨは、ダークアローでオオカミを攻撃していきます。

「しかし、段々と動物や魔物の数が増えてきましたね」

「そうね、魔物溢れがおきない内に何とかしないとね」

　僕とティナおばあさまは少し不安を覚えながら、出発に向けて準備していました。