転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

四百四十九話 役割分担決定！

　ギルドマスターの隣に辺境伯様が座り、依頼を終えた他の冒険者も集まります。

　どうやら、ここにいる冒険者全員に話があるそうです。

「我が辺境伯領とバイザー子爵領に接するブランターク男爵領から、辺境伯領に助けを求める手紙があった。ブランターク男爵領は最近代替わりしたのだが先代が放蕩経営を行なってな、新しく代わった若い当主が何とかしようとしているのだけど森の魔物討伐まで手が回らなかったそうだ」

「その中に、ゴブリンの大量発生も確認された。恐らく大量発生したゴブリンの一部が、辺境伯領の森の中に現れたのだろう」

　うわあ、思ったよりも大きな事件だぞ。

　先代のツケを回された当代の当主の苦労が偲ばれます。

「つまりは、俺達が大量に現れた魔物を討伐すれば良いんだな？」

「そういう事だ。ジン達は結婚式の準備で出せないがな」

「俺達だって屈強な冒険者だ。ジンばかりに良い顔はさせないさ」

「「「おー！」」」

　冒険者は直ぐに意図がわかったので、ギルドマスターのジンさんはでないという言葉にも問題ないと答えていた。

「因みに、この件は王国やバイザー子爵領にも正式に話が入っている。怪我人も多く出ているそうなので、アレク君もブランターク男爵領に向かって貰いたい」

「分かりました」

「頑張って怪我人を治すよ！」

　王国にも正式に依頼が来ているのなら、僕も頑張らないと。

　リズもサンディもやる気十分です。

「一度アレクには現地に向かって貰い、現地から冒険者を呼んで貰おう。それと、辺境伯領の兵とバイザー子爵領の兵と共に森を巡回するメンバーも必要だ。暫くルーキーは森の立ち入りを制限し、代わりに街で行なっているジンの結婚式の飾り付けを手伝って貰おう」

「「「おー！」」」

「ついでだから、一週間で魔物を蹴散らしてジンの結婚式の時に戦勝祝いをやるぞ！」

「「「おー！」」」

　という事で、冒険者の役割分担は決定です。

　良い具合にギルドマスターが冒険者を煽ったので、冒険者もやる気満々です。

　ジンさんの結婚式に合わせて戦勝祝いか。

　実現したら、街中がとんでもない大騒ぎになるぞ。

　僕達も役割分担をしないといけないので、辺境伯様の屋敷に向かってから王城へ向かいます。

「正式な救援依頼だ。今回は軍も出すぞ」

　王城に着くと、早速関係者を集めた会議が行われます。

　既に辺境伯様経由で王城に連絡が行っているので、陛下もすんなりと軍の出動を決めていた。

「アレクとリズにサンディとイヨは、叔母上と共にブランターク男爵領に向かって貰うぞ」

「「「「はい」」」」

　辺境伯様から事前に話を聞いていたので、僕達も特に問題ありません。

　この会議が終わったら、直ぐに現地に向かう予定です。

「そして今回は正式にバイザー子爵領へも救援依頼が来ている。ミカエルとブリッドにはバイザー子爵領に向かって貰い、補助としてルーカスとアイビーをつける」

「みか、がんばりゅ！」

「ぶりもがんばりゅ！」

「ルーカスも統治する為の良い勉強だと思って、しっかりとやるんだぞ」

「はい、頑張ります」

「私も精一杯ルーカス様を支えますわ」

　バイザー子爵領の陣営も決定です。

　ルーカスお兄様がいるのなら、とっても安心です。

　こっち側の陣営も決定です。

　ここからは、皆全力で頑張ります。

「しかし、ジンの結婚式に併せて今回の戦勝祝いをするとは、中々面白い考えですな」

「そうですな。是非そうなって欲しいものですな」

「あら、きっと大丈夫ですわよ。ジンの結婚式前には全て終わりますわ」

「私達も戦勝祝いの準備を進めましょう」

　そして、陛下と閣僚と王妃様とアリア様が、勝手に戦勝祝いの準備を始めていた。

　うん、ジンさんの結婚式は、とんでもない事になりそうだぞ。