四百十五話 話し合い前のリラックスタイム

 ミカエル達の様子と不審者の事も分かったので、僕達はもう一度教皇国のブレイクランドに向かいます。


「にーに、いってらっしゃーい!」

「夜までには帰るね」

「あい!」


 ミカエルに挨拶をして、僕はブレイクランドの教会にゲートを繋げます。

 不安な事がなくなると、気分も軽くなるね。

 頑張ってオカマさんとの話し合いに臨まないと。

 恐らくだけど、戦う事になるとは思わないな。

 何となくだけどね。


「お帰りなさいませ。どうやら、色々な事が無事に解決した様ですね」

「はい。分かりますか?」

「ええ、今はとても良い顔をしていますよ」


 教会に戻ると、レリーフ枢機卿が僕に声をかけてきた。

 悩み事が減ったからか、レリーフ枢機卿は僕の顔を見たら直ぐに分かった様だ。


「私からも皆様にご報告があります。聖騎士からの報告によりますと、恐らくですがあと一週間もあれば砦は落とせる様です」

「そうでしたか。それは良い事です。何にせよ、早く終わる事に越したことはないですわね」

「ええ。聖騎士も本来の任務に戻してやりたいですわ」


 争いが早く終わる分には、とても良い事です。

 ティナおばあさまもレリーフ枢機卿からの話を聞いて、少しホッとしています。


「ブレイクランドも落ち着いていますし、このまま何もなければ良いですね」

「その為にも、この後の話し合いは大切ですわね」

「そうですわね。闇ギルドが今後どうなるのか、貴重な話が聞けそうですわ」


 アリア様も、この後の話し合いを重要視している。

 でなければ、いくらオカマさんと顔見知りとはいえ、この場にやってこないもんね。

 という事で、夕方まではちょっと時間があるので、応接室に移動してお茶にする事になりました。


「お、これはドライフルーツか?」

「はい。ブレイクランドは果実の栽培が盛んでして、果実の日持ちをさせるためにドライフルーツも作られています」


 お茶うけで出てきたのは、地元特産のドライフルーツだ。

 今は冬なので生の果物のシーズンではないから、ドライフルーツが出されるらしい。

 ジンさんも、ドライフルーツを興味深そうに食べています。


「甘くて美味しいね」

「うん、美味しいね」


 リズとサンディも、スラちゃんとプリンと一緒に美味しそうにドライフルーツを食べています。

 ルルーさんとクラヴィーアさんも、様々な種類のドライフルーツを食べています。


「これは良いわね。後で買っていこう」

「そうね、少し柔らかいものならレイカやガイルにも食べられそうだわ」


 レイナさんとカミラさんは、ドライフルーツをレイカちゃんとガイルちゃんへのお土産にする様だ。

 勿論、自分達へのお土産も確保するだろう。


「砂糖を使っていないから、とても上品な甘さですわ」

「そうね。少し手を加えれば、王城でも出せそうね」


 アリア様とティナおばあさまは、ドライフルーツの有効活用方法を考えていた。

 しかし、ドライフルーツがとても人気だな。

 こうして、話し合い前の時間は過ぎていきました。

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