四百六話 三日目の旅の出発

 三日目の旅のメンバーは、ルリアンさんとナンシーさんの代わりにこの人達が参加する事になりました。


「宜しくお願いしますわ」

「宜しくお願いします」

「お願いします」


 代わりの参加者は、クラヴィーアさんとルルーさんとサンディに決まりました。

 今までの道中の危険度とサンディの強さを考慮して、サンディの参加が決定しました。

 サンディも、昔に比べるとかなり強くなったもんなあ。

 クラヴィーアさんとルルーさんは、普通に実力的に問題ないと判断されています。


「すみません、宜しくお願いします」

「いいのよ。赤ちゃんを気にしてね」

「はい、ありがとうございます」


 ルリアンさんとナンシーさんが僕達に謝ってくるけど、ティナおばあさまの言う通りでルリアンさんとナンシーさんの今の仕事はグランドちゃんとガリバーちゃんの看病だ。

 だから、僕達の事は気にせずに赤ちゃんに集中して貰いたい。

 という事で、僕達は旅の続きを始めます。


「では、何かあるまで魔法制御の訓練を続けましょうね」

「「「「はい」」」」」


 馬車の中では、前日に引き続き魔法制御の訓練が行われます。

 アレクサさんは勿論、クラヴィーアさんとルルーさんとサンディも返事をしています。

まあ、基本的に馬車の中にいる人全員が訓練に参加しますけどね。


「人数が増えると、もっと魔法制御が大変になるのですね」

「でも、上手く出来ていますわよ」


 アレクサさんは、クラヴィーアさんとルルーさんとサンディと手を繋いで複数で魔法循環を行う訓練をしています。

 複数人での魔法循環って、とっても難しいよね。

 でも、アレクサさんも頑張って魔力循環を行っていて、どうやら上手くいっているようです。

 そんなこんなで、馬車は進んでいきます。


「皆様、オオカミが現れました」

「おっと、出番だな」


 御者をしていたジェリルさんから、僕達に声を掛けられた。

 退屈していたジンさんを始めとする面々が、馬車から飛び出していきます。


「じゃあ、今日は新メンバーでやってみましょう」

「「「はい!」」」


 レイナさんによって、クラヴィーアさんとルルーさんとサンディがオオカミと対戦する事に。

 まあ、いつもの冒険者活動でもオオカミを倒しているし、多分楽勝でしょう。


「えーい!」


 ザシュ!


 先ずサンディが、風魔法を使って先制攻撃を仕掛けます。

 サンディは上手く魔法をコントロールして、綺麗にオオカミの頸を切り落としています。


「サンディに負けられないですね」

「そうですね」


 続いてクラヴィーアさんとルルーさんが、剣を抜いてオオカミの所に突っ込んでいきます。

 因みに、クラヴィーアさんとルルーさんの剣は、いつの間にかリズとスラちゃんによって魔鉄化しています。

 なので、魔力を注ぐと更に切れ味抜群です。


「せい!」


 クラヴィーアさんの繰り出す突きも、軽々と頭蓋骨まで突き刺しています。

 そして更に豪快なのがルルーさん。


「えやー!」


 気合一閃、オオカミを真っ二つに切ります。

 しかも縦にです。


「さ、流石はジン様の妹君でしょうか」

「ははは、なんだかルルーがレイナに似てきた気がするぞ」


 ルルーさんの迫力に、アレクサさんとジンさんはびっくりしています。

 でも、ルルーさんは家事万能なので、レイナさんになる事はないでしょう。


「お兄ちゃん、終わったよ!」

「あ、ああ……」


 そして、ルルーさんはにこやかに血塗られた大剣を担いでいます。

 またもや、ブラッディメイドさんの誕生です。

 スラちゃんが急いでルルーさんの下に駆けつけて、生活魔法で血だらけの剣と服を綺麗にします。

 うん、リリーさんの事を屈強な冒険者が怖がるのも頷けるよ。

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