四百五話 ちょっとしたトラブル発生

 二日目の道のりも、道中はぼちぼちオオカミとかが出てくるけどそれ以外は何も問題はありません。

 問題といえば順調すぎて昼食を食べる村を早々に通り過ぎたので、自分達で昼食を作る事になった位です。


「よし、じゃあ私が作ろう」

「きっと、上手くなった、かもしれないぞ」

「「「止めて!」」」

「うん?」


 なんでいつもレイナさんとカミラさんは、あのデス料理を披露したがるのか。

 レイナさんとカミラさんのデス料理を知らないアレクサさん以外のメンバーは、全力でレイナさんとカミラさんを止めに入っていた。

 その隙に、スラちゃんがプリンと共にチャチャっとソーセージドックの様な簡単な料理を作っていた。


「うう、たまには料理を作ったって良いじゃない」

「そうだよ。上手くできるかもしれないよ」

「お前達は、あそこでフルフル震えているスライムよりも何か上手く作れてから発言しなさい」


 ソーセージドックを食べながらレイナさんとカミラさんが文句を言うけど、ジンさんはクネクネと踊りながらアピールしていたスラちゃんとプリンを指さしていた。

 ルルーさん曰く、レイナさんとカミラさんの料理の腕は未だに壊滅的らしい。

 もしかしたら、プリンの方が料理の腕は上かもな。


「アレクサさんは料理できますか?」

「炊き出しなどを行いますので、簡単な物でしたら」

「なら大丈夫よ。直ぐに上手になるわ」


 僕とティナおばあさまが隣に座るアレクサさんに質問したけど、炊き出しの調理が出来るなら全く問題ない。

 少なくとも、レイナさんとカミラさんよりも料理の腕は上という事だ。

 まあ、いつまでもデス料理の事を話しても仕方ないので、馬車に乗り込んで出発します。


「かなり順調に進んでいますね。このまま進みますと、四日目のお昼には現地に到着します」

「早めに現地に着く分には問題ないわね。このままのペースで進みましょう」


 アレクサさんの見立ての通りに、早めに現地に着けば問題ない。

 帝国の時の様に、道中トラブルだらけになる事もありえる。

 余裕がある内に、出来るだけ進んでおこう。

 こうして、夕方までに更に距離を稼ぐ事ができました。


 事件というか、トラブルは屋敷に戻ってから起きていました。


「「くしゅん、くしゅん」」

「あらあら、風邪をひいちゃったかしら?」

「鼻水がジュルジュルね」


 辺境伯様の屋敷に行くと、ルリアンさんとナンシーさんの赤ちゃんであるグランドちゃんとガリバーちゃんが、風邪を引いていたのだ。

 熱はなさそうだが、くしゃみと鼻水が止まらない。

 ルリアンさんとナンシーさんが、グランドちゃんとガリバーちゃんを抱っこして鼻水を拭いてあげていた。


「治療研究所に行ってみせたのですけど、この程度なら大人しく寝ていた方が良いと言われましたわ」

「熱が高くなったら、もう一度みせて下さいって言っていました」


 クラヴィーアさんとルルーさんが、グランドちゃんとガリバーちゃんを治療研究所に連れて行ってくれたようだ。

 となると、ここは母親であるルリアンさんとナンシーさんがグランドちゃんとガリバーちゃんの側にいたほうが良いだろう。


「明日はメンバーを入れ替えましょう。母親が赤ちゃんの側にいたほうが、何かと安心するでしょうね」


 ティナおばあさまも、これはやむを得ないという判断に至った様だ。

 という事で、明日はメンバー変更になりそうです。

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