三百六十七話 ルリアンさんとナンシーさんの出産
会議が終わったので、シェジェク伯爵とクレイモアさんをそれぞれの国に送っていきます。
「秋前にはケイリの赤ちゃんも産まれるはずだから、産まれたら会いに来てあげてね」
娘が出産間近なので、ニコニコしているシェジェク伯爵。
僕もケイリさんの赤ちゃんが産まれたら、お土産を持って顔を見に行く予定だ。
「あーあ、まさかミカエルちゃんに先を越されるとは。私の元に良い人が来るのは、一体いつなのかしら」
対して、ちょっとブルーなのがクレイモアさん。
キャリアウーマンに春が訪れるのは、一体何時になるかは誰も言わなかった。
僕も屋敷に帰ろうと、ルーシーお姉様の部屋に皆を迎えにいった。
「「「すー」」」
まさか、全員ベッドで寝ているとは思わなかったぞ。
仕方ないので、少し時間を潰して皆が起きてから屋敷に戻る事になった。
「あら、辺境伯からの連絡だわ。えーっと、ナンシーとルリアンが赤ちゃんを産んだらしいわよ」
「「「え!」」」
そして、リズやミカエルがようやく起きて帰り支度をしていると、ティナおばあさまの所に辺境伯様からの連絡が入った様だ。
なんとナンシーさんとルリアンさんが、赤ちゃんを産んだという。
臨月でいつ産まれるか分からなかったけど、まさかこのタイミングで産まれるとは。
ルーカスお兄様達とティナおばあさまも、僕と一緒に屋敷に向かう事になった。
「いやあ、まさかこのタイミングで産まれるとは思わなかったよ」
「しかも、初産なのにびっくりする程の安産だったわ」
ジンさんの屋敷に向かうと、けろりとした表情のナンシーさんとルリアンさんがベッドで横になっていた。
二人とも男の子を出産し、赤ちゃんも元気よく泣いている。
「こうなると、いよいよ私の出番って気持ちになるわね」
「出産に二回も立ち会ったから、何だか私まで母親の気持ちになってきたわ」
出産の手伝いをしたレイナさんとカミラさんも、自身の大きなお腹を撫でていた。
レイナさんとカミラさんも臨月だから、いつ産まれても良いんだよね。
「しかし、今年は色々な所で赤ちゃんが産まれるな。この屋敷も一気に賑やかになるなあ」
「赤ちゃんがいっぱいで可愛いけど、夜泣きは大変だよお兄ちゃん」
感慨深そうに思っているジンさんに、妹のルルーさんがポツリと溢していた。
直ぐに赤ちゃんが四人になるから、確かに泣き声は凄そうだな。
ともあれ、おめでたい事には変わりがない。
既にナンシーさんとルリアンさんの実家にも、二人の赤ちゃんが産まれたという報告が入っているという。
僕達も教皇国から帰ったばかりで、ナンシーさんとルリアンさんも出産直後なので、改めてお祝いを持ってくる事にした。
因みに寝る前までブリットと離れるのが嫌でぐずっていたミカエルはというと、ベビーベッドの脇から赤ちゃんを見つめていてご満悦だった。
機嫌が直って何よりだ。
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