二百八十話 国境警備をより厳重に
「リズ、サンディ、スラちゃん。ちゃんとランカーさんとノエルさんの言う事を聞くんだぞ」
「「はーい」」
軽くお昼を食べてから、僕達は別々の行動に。
僕達もできるだけ早く話し合いを済ませないと。
「国境はどこも厳重ですね」
「偽装されると中々難しいのがあるがな」
馬車を走らせるまでもなく、代官所から歩いて五分で国境に到着。
今まできた事のある国境警備と同じく、とっても厳重だ。
でも、いくらでも身分を偽る事は可能だよね。
「そういえば、共和国と一悶着あった時に、スラちゃんが国境で悪い人を捕まえるバイトをしていたっけ。プリンにも護衛とか頼んでいましたよ」
「ほほう、それは中々面白いのう」
僕がポツリと漏らした事にサーゲロイド辺境伯が食いついてきた。
僕は簡単に説明をする。
「スラちゃんとプリンは直感で善悪が分かります。リズやサンディにエレノアもそうですね。僕は鑑定を使いますけど」
「ふむふむ、そこのスライムへの報酬はどうした?」
「あ、普通に現金です。スラちゃんとプリンもアイテムボックスが使えますし、普通に買い物もしますので」
「ほう、スライムが買い物か。それは珍しい。それならアレク殿下からスライムに賃金を払った様にすれば問題ないな」
プリンもやる気になっているし試しにというので、僕達が教皇国に行っている間にお試しバイトをしてもらう事になった。
「領主様、現在の所問題ありません」
「そうか。おや? プリンよ、どうしたのだ?」
早速国境に着いて警備担当がサーゲロイド辺境伯に話しかけているが、プリンがぴょんとサーゲロイド辺境伯の手の中にジャンプして国境でチェックを受けていた商人っぽい男性を触手で指差していた。
一見すると何も問題のなさそうな恰幅の良い男性だが、プリンからすると何かの問題がある様だ。
「サーゲロイド辺境伯様、僕も鑑定を使って良いですか?」
「うむ、やってくれ」
僕もサーゲロイド辺境伯に許可を貰って、プリンが怪しいと指摘した男性を鑑定する。
すると、直ぐに怪しい所が分かった。
「あの男性、窃盗の罪状が付いています。服装も変装の様です」
「成程。直ぐにあの男を取り調べよ」
「はっ」
サーゲロイド辺境伯様も、僕の鑑定結果を聞いて直ぐに動いた。
警備兵が男性の腕を掴み、調査用の部屋に連れて行こうとした。
「すみません、ちょっとこちらまで宜しいですか?」
「な、な、な、何? 何ですか?」
あ、男性が思いっきり慌て出した。
この時点でもうクロだと判断できるだろう。
「荷物に怪しい物がありました。確認が必要です」
「という事だ。大人しくきてもらおう」
「は、はい……」
別の警備兵が馬車を調べていたら二重底になっていて、怪しい荷物が出てきた。
流石に怪しい男性は観念したのか、がくりと項垂れていた。
「ふむ、既にあっという間に成果を出したか。このスライムはアレク殿下が従える特殊なスライムじゃ。アレク殿下の厚意により、聖女様が来られるまで国境警備に参加してくれるとの事だ」
「このスライムはプリンと言います。雷魔法も使えます。あと、スラちゃんという物理魔法万能型のスライムもいます」
「かしこまりました。既に成果も上げておりますので、こちらとしてもとても頼もしく思います」
プリンがあっという間に実績を上げたっていうのもあり、警備兵もすんなりとプリンを受け入れてくれた。
国境は警備兵とプリンに任せて、僕達はいよいよ教皇国に向かいます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます