二百二十五話 五歳の祝いまであと少し
もうそろそろ辺境伯領での五歳の祝いとなるので、街もお祝いの雰囲気になってきている。
飾り付けをしたり、お店によっては特売とかも始まっている。
そんな中、僕達の屋敷では別のイベントも間近に迫ってきた。
「お腹がおっきくなってきたね」
「パンパンだよ」
「もう出産予定間近ですから」
「いつ生まれてもおかしくないですよ」
侍従のお姉さん達の出産も間近になっていて、お腹が大きくなってパンパンになってきた。
リズとサンディが、お姉さんのお腹に交互に耳をあてている。
お姉さんのお腹の中で、赤ちゃんが動いているのを感じている様だ。
といっても、君達はほぼ毎日お姉さん達のお腹に耳を当ててますけど。
「赤ちゃんを育てる部屋も準備しましたし、いつでも準備は万端ですね」
「シスターさんに連絡をする体制も整えていますし、辺境伯様の屋敷にいる侍従にも出産をサポート出来る人がいるそうですから」
「お隣さんですし、夜だとしても何時でも良いって言ってくれています」
侍従といっても僕達を小さい頃から育ててくれたお姉さん達なので、辺境伯様も配慮をしてくれた。
そしてソフィアさんの出産に向けての手順も確認するらしく、出産後の育児の一部もソフィアさんが体験する予定だ。
そんな中、僕達も五歳の祝いの準備をしている。
服などは、ティナおばあさまが気合を入れて選んでくれたので大丈夫。
ありがたい事に、サンディの服まで用意してくれた。
当日はこの間のジェイド様とソフィアさんの結婚式と同じで、辺境伯様の屋敷と僕の屋敷の柵を取り外して大きなスペースを作る事にする。
立食形式にする予定で、主役が子どもだから座れる場所も多く用意する様だ。
「僕達はあまり準備はしないけど、警備は少し厳重にしないとね」
「そこは大丈夫ですよ。旦那も警備に専念しますし、兵も来てくれますから」
まあ何があるか分からないし、警備は厳重に行われる予定だ。
最悪隣の屋敷にジンさん達もいるので、何かあったらヘルプに入ってもらう。
「にーに、ねーね」
「うん? どうしたミカエル?」
「ミカちゃんどうしたの?」
「まーだ?」
「もう、終わるよ」
「あそぼ!」
「追いかけっこをしようか?」
「うん!」
ここで、僕達が遊んでくれなくてちょっとむくれ顔のミカエルがやってきた。
段々と言葉も覚えてきて、語彙力も上がってきている。
今日はこの辺で切り上げて、昼食の時間まで庭でミカエルと遊ぶのだった。
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