百七十七話 新たなナンバーズ
早速次の日から色々と動くことに。
「辺境伯様、すみませんが宜しくお願いします」
「元違法奴隷の女性もだいぶ心のケアが進んできた。我が屋敷で預かるのも良い体験になるかと思うぞ」
「プリン、僕達の代わりに街の人を宜しくね」
「プリンちゃん、お願いね!」
辺境伯様とプリンに後のことをお願いした。
イザベラ様とソフィアさんは日頃から違法奴隷のお姉さんと接しているので、お世話は問題ないという。
プリンも街の人の為になろうと、やる気十分になっていた。
皆に手を振りながら、僕とリズとスラちゃんは先ず王城に向かった。
「おう、待たせたな。軍の方も準備はできているぞ」
「私の方も大丈夫よ。さあ、行きましょう」
外務卿と軍務卿とティナおばあさまに、念の為に近衛騎士が数人ついてくる。
王都郊外の駐屯地からレイクランド辺境伯の駐屯地にゲートを繋ぎ、追加の軍勢を通していく。
この駐屯地の隣の敷地で避難民を受け入れるキャンプを作るらしい。
こういう事を想定していて、広く土地が整備されていた。
「では、私はここに残って軍の調整を行う」
「私も訓練をつけていくわ。少し時間ないけど、ハードになりすぎない程度に抑えるわ」
軍務卿とティナおばあさまは、早速駐屯地の軍の件で動き始めた。
お昼頃に迎えに行くと言って、僕達はレイクランド辺境伯様の屋敷に向かった。
「やはり、少しずつですが難民と思わしき人が出てきました」
「早速スラちゃんのチェックをするために、国境の所に行ってきます」
「すまんが、宜しく頼む。リズ殿下も万が一に備えて治療の待機をして頂けますか?」
「治療なら任せて!」
「では、私は国の出張所に向かいます」
スラちゃんを国境の街の検問所に送り届けてから、僕は外務卿とレイクランド辺境伯様と一緒に国の出張所に向かった。
リズは、レイクランド辺境伯様の屋敷に残っています。
「こちらが最新の資料です」
「有難う。教皇国でも国境の厳重な警備を始めたか。帝国も念の為に国境の警備を増やしたそうだ」
「どの国も動きが素早いですね。それだけあの元副代表を警戒していたんですね」
「とにかく各国の首脳からとことん嫌われていたからな。奴は天下を取った気分なのだろう」
集められた情報には、各国の警備情報が載っている。
とにかく何があるかわからないから、できるだけの対策をするのだろう。
ここで気になる報告があった。
「共和国国内で魔導具を使った魔物使いが確認された。なんだろう?」
「厄介な者を使っているな。警戒レベルを上げないとならんぞ」
その報告を聞いた瞬間に、外務卿が嫌な物を見たという表示をした。
レイクランド辺境伯様も同様の表情をしている。
「アレク君、ブッフォンは闇ギルドに繋がっている可能性があると言ったが、これで確定したぞ」
「闇ギルドナンバーズ、テイマーだな。魔導具を使って魔物を操る特徴が一致している」
「ナンバーズって、あのオカマやスキンヘッドと同じ事ですか?」
「ああ、確認されている五人のナンバーズの一人だ」
ここに来て、新たなナンバーズが出てくるとは。
魔物を操る魔導具は厄介だな。
「どれだけ効果が出るか分からないが、冒険者に人を襲う可能性のある魔物の討伐を依頼しよう」
「確かに、何もやらないよりましですな」
やらないよりかはマシだと言う事で、辺境伯様も早速動くことに。
僕も魔道具と魔物に何か作用させる事を考えて対策をしよう。
レイクランド辺境伯様は、早速ギルドと領内の守備兵に指示を出すために、辺境伯様の屋敷に戻った。
僕と外務卿は、引き続き情報の分析を行う。
「うーん、良くない情報ばかりですね。ほぼ、元副代表と取り巻きだけの政権になっています」
「幸いなのが、私兵があまり数がいないという事だ。とはいえ、ナンバーズもいるし何が起きるか分からんがな」
「後は、副代表がどの様な動きをするかですね」
「こればっかりは相手の出方次第だな。さて、お昼だし屋敷に戻るか」
「そうですね。軍務卿とティナおばあさまも迎えに行きます」
午前中の業務は終わり、軍務卿とティナおばあさまを駐屯地に迎えに行って昼食タイム。
訓練と部隊配備は順調に進んでいて、いつでも活動可能になっているそうだ。
「ここから国境まで半日で着くからな。魔物を狩るついでに前線に一部隊を配置する」
「いやあ、中々素直で教える方も楽しいわ。とっても強くなるわよ」
軍務卿もティナおばあさまも、順調に進んでいるのでとっても表情が明るい。
こっちもほぼ待機になってしまったので、午後は訓練をしつつ直ぐに動けるようにしていた。
「うーん、結局今日は何も動かなかったね」
「何も動かない方がいいよ。戦争は沢山の人が死ぬからね」
今日は共和国からの動きはなく、そのまま就寝に。
レイクランド辺境伯様の屋敷の一室で、ティナおばあさまとリズと一緒に寝ます。
因みにスラちゃんは大活躍だったらしく、難民に紛れ込んだ怪しい人物を全て見破ったそうだ。
「さあ、明日も朝早いから早く寝ましょうね」
「「はーい」」
こうして共和国対策の初日は終了した。
二、三日は初日と同じ様な状況が続いた。
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