百四十一話 教会との会談

 お昼寝から起きると、またもや会談となった。

 僕は直ぐに着替えるけど、リズとエレノアとリルムが不安な顔になっている。


「「「またお勉強?」」」

「「違うわよ」」


 不安ってそっちかい。

 思わずアリア様と皇妃様からツッコミが入った。


「今度は、皆にも会談に参加して欲しいのだって。だから勉強は無しよ」

「「「わーい」」」

「アリア様、リズ達も参加して良いのですか?」

「構わないというか、相手先からの指名なのよ。因みに、陛下ではなく私達が同席するわ」


 一体、誰との会談なんだろう。

 アリア様と皇妃様に連れられて、皇城にある応接室に行きます。

 因みに、ケイリさんは結婚式の打ち合わせで忙しいので、今回は同席しないそうだ。

 部屋に入ると、何処かで見た人がいた。


「お久しぶりで御座います。双翼の天使様に、癒しの皇女様」

「あ、前に治療で一緒だった人だ」


 部屋に入って迎えてくれたのは、二人の聖職者だった。

 僕達に挨拶してきたのは、確か司祭様だったな。

 僕達が座ると、もう一人の聖職者が挨拶してきた。


「アリア様、お久しぶりに御座います。双翼の天使様にお会い出来て光栄に御座います。私は帝国の教会をまとめております司教で御座います」


 そういえば着ている法衣のデザインが、王国の司教様と同じだ。

 白髪だらけの老人であるのは同じだ。


「ええ、久しぶりで御座います。司教もお元気で何よりですわ」

「いえいえ。年波には勝てず、最近体の節々に衰えが出ています」


 とはいえ、アリア様と話す司教様はしっかりと立っているぞ。

 会話もハキハキとしている。


「司教様、アレクサンダーと申します。お会い出来て光栄です」

「エリザベスです。宜しくお願いします」

「とっても元気なお子様ですね。昨年、多くの怪我人を治療して頂き感謝申します。ちょうど教皇国に行っており、不在で申し訳ありませんでした。多くの人より、お二人に感謝を述べたいと言っておられましたぞ」

「そうですか。皆さん元気になられて良かったです」


 司教様は、昨年帝国の教会で行った怪我人の治療のお礼に来たのか。

 確かにジャンク公爵のせいで、怪我人が多くて大変だったよな。

 それと、リズとスラちゃんよ。

 司教様の前でドヤ顔は止めなさい。


「明後日の陛下の結婚式も、私と司祭が参加させて頂きます」

「もしかして、教会で神父役ですか?」

「はい、僭越ながら私が務めさせて頂きます」

「帝国の皇族が結婚する時は、代々司教様が神父役なのよ。リルムちゃんも、そのうち司教様にやってもらうわ」

「そうなんだ!」


 アリア様が神父役の事でリルムに教えているけど、リルムが結婚する時に司教様生きているかなって、ちょっと不敬な事を思ってしまった。

 また明後日会いましょうって事になり、司教様と司祭様との会談は終了。


 会談の後は皆でお風呂に入り、その後夕食の時間。

 歓迎も込めて、ちょっと豪華な食事だった。

 食事の後は、リルムからちょっとしたお願いが。


「リルムね、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にお休みしたいの」

「勿論だよ。楽しみにしていたんだ」

「わーい」


 リズとエレノアは、リルムのお願いに喜びの抱擁をしている。

 勿論、僕も断る理由はないが皇妃様は妊婦さんなので、アリア様のベッドをお借りして皆で寝ることになった。

 とはいえ、勉強と会談の疲れがあったのか、僕も含めてあっという間に寝てしまった。

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