第12話
「なるほどね。話は理解した。あんたたちは、その事件があった七年前から消えた兄さんの行方を追ってるの?」
絶望でなんの言葉も発することができないユナと違い、ヨキは冷静だった。彼女に尋ねられ、メイメイは首を振る。
「いいえ。あたしたちが動き始めたのは一年ほど前です。それまでは静かに三人で道観らしい暮らしをしていましたが、動物の屍骸が人を襲うという噂を耳にして、これはユーシュンが関わっているのではと思って……そうじゃなければいいなと思って旅をしてきましたが、哀れな屍骸を見るたびに、疑惑は確信に変わっていきました」
初めてファンファンとメイメイに出会ったあの日、ふたりがユナに退くよう言った理由は、そういうことだったのだ。
自分たちの兄弟子がやったことの始末をつけている最中の彼らにとって、正義感だけで屍骸に立ち向かおうとするユナの存在は迷惑だっただろう。それでも彼らは、退治したいというユナの気持ちを尊重してくれた。
だが、彼らの言うようにあのとき退いていれば、こんなふうに屍骸遣いの呪いを受けることはなかっただろう。
「……ユナ、ごめんなさい。あのときあたしたちがもっとしっかりあなたを逃がそうとしていれば、呪いを受けることはなかったのに。……ユーシュンを野放しにさえしなければ、世の中をこんなに乱すこともなかったのに」
申し訳なさそうに言うメイメイに、ユナは首を振った。仮定の話を考えてはみるが、別段後悔しているわけではない。
「なんだ、ユナ。呪われたのか? 鍛錬が足りんな。まあ、どのみち屍骸遣いをぶちのめすか、ぶちのめしたあとに解呪させればいいだろう。それより問題は、ゼツのことなんだが」
しんみりするユナを、ヨキは切って捨てるように言った。だが、それはもっともなことで反論はできないし、何より突然飛び出した兄の名のほうが気になる。
「兄さんがどうしたの?」
「連絡が途絶えた。もともと、あいつが気になる手紙を寄こしたのがきっかけで王都に発つことにしたのに、あるときからパッタリ返事が来なくなってな。……もしあいつが敵になっていたとしたら、ユナは戦う覚悟はあるか?」
「え……」
唐突な質問に、ユナはすぐに返事をすることができなかった。
体格に恵まれ体も強いのに、考え込むことが多い不器用な兄。武術家の出らしく武官になったが、もしかしたら机に向かって勉強するのも向いていたのではないかと感じさせる人だ。でも、気が弱いわけでも卑怯でもなくて、立ち止まり考え込みながらも正義を貫こうとする人だ。
敵になるとはどういう状況かわからないが、ゼツと敵対するのは悲しい。しかし、それよりも彼が悪事を働くほうが、ユナは嫌だった。
「倒します! 倒して、それから話を聞きます。兄さんが悪事に手を染めるとか進んで悪の道に足を踏み入れるなんて考えにくいから、きっと操られているか洗脳されてるんだと思う。だったらなおさら、わたしが殴って目を覚まさせてやらなきゃ! あの頭でっかちだけど優しい兄さんに、悪いことなんかさせないわ!」
拳を握って迷いなくユナが言い切ると、ヨキは満足そうに微笑んだ。
「合格だ。『まず話を聞きましょう』なんて言い出したら、拳でわからせなきゃいけないと思っていたところだよ。自分の教育方針が間違ってなかったとわかって、ほっとした」
「話を聞くなんて悠長なことを言ってる間に、他の人に迷惑をかけてはいけないもの。あの頭も体も岩の如しな兄は、説得より先に無力化よ。でもこれは、あくまで兄さん相手の話よ」
武力第一主義な母の意見にユナはチクリと反論したが、どうやらそれは母のお気に召すものではなかったらしい。ヨキはあからさまに眉間に皺を寄せて不機嫌な顔になる。
「私はユナ相手でも同じことをするよ。身内の恥や罪に対して甘くてどうする? 身内だからこそ、しっかり止めてやるのが愛や情けってもんだろ」
ヨキがその言葉を向けているのがユナではないのは、視線の先を辿ればわかった。どうやら母は、この話をファンファンたちに聞かせようとしているようだ。
ファンファンたちはそれを聞いて、何か感じることがあったらしい。少しの間考えてから、覚悟を決めた顔になる。
「俺たちも、屍骸遣いがもしユーシュンなら、ちゃんと止める。というより、確実にユーシュンの仕業だと思う。だから……俺たちが兄を止めるんだ。兄弟だからこそ、やめさせなきゃ」
「できるんだろうね? あんたたちの師父、そのユーシュンってやつをとめられなかったんだろ? それに、間違いだ禁術だってわかってても、その子をあるべき姿に戻せなかった。そんな人に師事してるあんたたちに、身内の悪事を止められるのかい?」
ファンファンの決意を聞いても、ヨキの厳しい態度は崩れなかった。言っていることはもっともで、だからこそファンファンも苦しそうな顔をする。
「止めます。そのために、あたしの命はあるのだと思います」
ファンファンの代わりに口を開いたのは、メイメイだった。彼女はファンファンよりも、迷いがないように感じられた。
「この七年、あたしは全く成長していません。そのことをユーシュンは知らないので、変わらない姿を見せて、彼に悔いさせなければいけまけん。あたしはこの先、紛いものの体で育つこともなく生きていく……いえ、意思を持った死体として動き続けていく。そんなのおかしいんだって、ユーシュンに突きつけにいくんです」
メイメイがこの言葉を発するのにどれだけの覚悟がいるのだろうと思うと、ユナは泣きそうになった。
不幸な事故がなく生きて成長していれば、メイメイはユナと同じくらいの歳のはずだ。そんな彼女が小さな体のままで、この七年をどんな気持ちで生きてきたのだろうかと考えようとするが、到底わかりそうにない。
「あんたらの師父の話から考えると、メイメイのことがなくても遅かれ早かれその兄さんは禁術に手を出してたはずだ。だから、あんたが自分の存在を気に病む必要はないけど……兄さんが大事なら、悪事を止めてやらなきゃね」
そう言ってから、ヨキはギュッとメイメイを抱きしめた。それは、ユナも子供の頃によくやってもらったことだ。
悲しいとき、どうしようもなく悔しいとき、こうして抱きしめてもらうと気持ちが少し和らいだ。そうされることで問題が解決するわけではないのだが、それでも、楽になるのだ。
ヨキは、メイメイに今、その抱擁が必要だと思ったのだろう。それを見て、母がただ単にふたりに厳しくしようとしているわけではないとわかる。
「この子が言うには、王都に兄さんの気配があるんだろ? そして私らの最初の目的地も王都だ。これから少し体を休めたら王都に発つからね」
ヨキがそう言うと、彼女の子分と思われる男たちは何組かに分かれて行動を始めた。
ある組はユナたちをここまで運んできた窃盗団を縄でくくって連行し、別の組はその窃盗団が乗ってきた馬車をどこかに運んでいくようだった。おそらく、盗品をもとの持ち主のところへ返せるよう手配するのだろう。
残りの人員は馬も徒歩も隊列を組んで、ヨキを中心にユナたちを囲んでいた。
「さあ、ここから一番近いアジトに帰るよ」
ヨキはメイメイを抱いたまま馬に乗り込むと、ユナたちにも乗るよう促す。
「ファンファン、乗れる?」
「ううん、乗ったことないや」
「じゃあ、後ろに乗って」
子分に譲ってもらった一頭の馬にユナは跨って、それからファンファンに手を貸した。
この国ではよほどいい家柄の出でなければ馬に乗る習慣などないらしいが、ユナの家では代々武官を輩出していたということで子供の頃から乗らされていた。女のユナは士官はできないが、だからといって教育に差はなく、幼い頃から乗馬もずいぶんと鍛えられていた。
だが、ヨキが率いる一行の移動速度はものすごく速く、着いていくのがやっとだった。
数十人はいるであろうこの一団がそうしてものすごい速度で移動していく姿は、はたから見るとかなり恐ろしい光景だっただろう。馬に乗っていない集団すら、遅れを取らない速度で走ってくるのだから、王都に向けて挙兵などという噂がたつのも仕方がないというものだ。
一刻ほど走り続けたところで、ようやく先頭のヨキが停まった。
それから、ぞろぞろと林の中に入っていく。一体その先に何があるのだろうか、休むと言っても野宿でもさせられるのかと考えていたのだが、意外なことに進んだ先に拓けた場所があり、そこに小さめではあるが家がいくつか建ち並んでいた。
「母さん、ここは何……?」
馬から降りたユナは、ヨキのそばまで行って尋ねた。こんなところに家があるのが驚きだが、ここがアジトのひとつに過ぎないというのにもびっくりしていた。
「こいつらの一部がかつて暮らしてた隠れ集落だよ。この国にはさ、社会から爪弾きにされて隠れて生きてる人たちもいるんだ。そういう人たちが真っ当な生き方ができないのはある種当然のことで、それをどう救っていくのかこの旅で考えさせられてるんだよね」
ヨキの口調は真剣そのもので、単に襲いかかってきた賊を返り討ちにして従えているわけではなさそうだ。
「……母さん、本当に世直ししてたんだ」
「世直しなんてとんでもない。ただ、率いる者が歪んでいたら、過ちを犯すしかないのが人だと思うから、私は自分の後ろについてこようって気になった人たちには、少しでも真っ当な道を示したいって思って動いてるだけ」
心底感心して言うと、ヨキは照れるでもなく答えた。
この国で暮らす人を思うことは、国を思うことだ。こんなに人のことを考えられる母のほうがよほど役人向きなのになと、情けない父を頭に思い浮かべた。
ヨキは強くて、こうして人を率いる実力はあるが、男を見る目がなかったのはあきらかな欠点だと、ユナは娘ながら思っている。
「そういえば、母さんが王都を目指してた理由って」
「日が昇る前にここを発つからね。体を壊さないために、少しでも長く休んでな」
父のことを尋ねようと思ったのに、ヨキはユナたちを家のひとつに押し込めると、また忙しそうにどこかへ行ってしまった。
押し込められたのは、ユナとファンファンとメイメイだ。一応客人扱いされているのだろうと判断し、お言葉に甘えて床に横になる。
「メイメイ、再会したときは体がひどくきつそうだったけど、もう大丈夫なの?」
自分の近くにコロンと転がったメイメイに、ユナは声をかけた。初対面の印象が抜けずまだ小さい子に接するように話しかけてしまいそうになるが、年の頃は自分と変わらないことを思い出す。
「もう平気よ。大変な目に遭って、体力を温存していたの。気が動転してしまって、それこそ体内の気の巡りがおかしくなっちゃってて。生きた人間でいうところの、貧血みたいなものね」
「……そっか」
死者であることを隠さなくなったメイメイに戸惑ったが、ユナはそれを受け入れた。その事実を知ったところで、別に彼女の印象が変わるわけではない。何歳でも、何者でも、彼女はファンファンのしっかり者な妹だ。
「ユナのお母さん、本当に強いのね。あたし、船で移動してるときに夫婦のふりした人攫いにすっかり騙されてて、船着き場に着いた途端わけもわからないうちに攫われそうになってたところを、助けてもらったの。最初はヨキさんこそ人攫いなんだって思って怖かったんだけど、話すうちに悪い人じゃないんだってわかって、安心した」
「怖がって当然よ。だって、母さん自身があんなふうに厳つい上に、盗賊や山賊を引き連れてたんだから。……元盗賊や元山賊か」
「とにかくね、すっごく強くてすっごく鮮やかだった。かっこいいね。あの道場の門下生たちが強くなるはずだわ」
メイメイはすっかりヨキに心酔しているらしく、目をキラキラさせながら語った。母が家を飛び出していった理由はちょっと恥ずかしいが、その道中にしている善行は、やはり誇らしく思う。
「そういえば、メイメイはどうしてジジ様の道場を発って王都を目指してたんだ?」
ずっと黙っていたファンファンが、改めてメイメイに尋ねた。それはユナも気になっていたところだったから、視線で返答を促す。
「それがね、ある夜、強烈な胸騒ぎがして起きたの。それで、ファンファンが道術を使ったんだってわかった。術を使ったってことは、肉弾戦じゃどうにもならない強敵にぶつかったんだって思って、心配になってどのあたりにいるか占ったの。そしたらそのとき、王都に見立てた駒が震えたから、もしかしたらそこにユーシュンがいるんじゃないかと思って……」
「あの駒は、ユーシュンが作ったものだもんな。そうか……あいつが作った駒が震えたってことは、あいつがそのとき何か強い術を使ったってことかもしれないのか」
ユナにはよくわからない説明でも、ふたりの間ではそれで十分情報の共有ができたらしい。ファンファンはメイメイの話を聞いて、考え込む様子を見せた。
「墓を暴いて死体を操って、悪いことをしようとしているやつもいたよ。きっと、ユーシュンに触発されたんだろうな」
眉間に皺を寄せて、苦々しい表情を浮かべてファンファンは言った。もう彼の中では、自分の兄弟子が世間を騒がす屍骸遣いだと決めてかかっているらしい。
その推理をユナも否定しないが、苦しげな彼のことは、どうにかしてあげたいと思った。
「大丈夫よ、ファンファン。うちの母さんたちがついてたら百人力よ。それに、わたしだっている」
「ユナ……」
不安そうにしているファンファンだったが、ユナが声をかけると、心持ち表情を引き締めた。日頃の軽薄な様子よりも、こんなふうに青年らしい剥き出しの繊細さを曝け出されると、ユナの胸はくすぐられてしまった。
これでは、母のことをとやかく言えないかもしれない。おそらく、何だかんだ言ってユナも、ヨキと同じように顔の男に弱いのだ。そして、恋心を刺激されるのは強さではなく繊細さなのだと、思い知らされてしまう。
「ファンファン、わたしの呪いを解いてくれるんでしょ? わたしだって自分のことだから頑張るけど、でもファンファンも一緒に戦ってくれなきゃ嫌よ?」
少しでも彼を鼓舞できればと、ユナは甘えるように言ってみた。この呪いは、自分の弱さが招いたことだ。だから自分でどうにかすべきとわかっていても、それでも彼にも必死になってほしいのだ。
「もちろん、一緒に戦う。ユナの呪いを解くために、屍骸遣いを倒すよ。それは、出会ったときに約束したっていうのもあるけど……今は、それだけが理由じゃないから」
床に寝そべった姿勢のまま、ファンファンが近づいてくるのがわかった。何をされるのかドキドキしながら身構えたところで、それがいつもの〝応急処置〟なのだとわかる。
旅の間ずっと続けてきた、呪いの痣の広がりを抑えるための、ファンファンの口づけだ。
「……あのさ、ここにあたしがいること忘れてるの? いきなり盛りだすの、やめてくれないかな?」
「えっ」
あと少しで唇が肌に触れるとなったときに、メイメイに突っ込まれて現実を思い出した。そういえば今はふたりきりではなくて、メイメイもいたのだ。
慌てて体を離したが、そこからどうしたらいいかわからなかった。うまい言い訳も誤魔化しも、何も思いつかなかった。
「一応さ、あたしは八歳の子供なんだから、子供の教育に悪いことはやめてよね」
「ごめん……」
メイメイに叱られ、ファンファンはしゅんとなった。それがおかしくて、気が緩んだのもあって、ユナは笑ってしまった。
「これからきっと、移動も含めて激しい日々になるよ。だから、今のうちに休んでおこうね」
そう声をかけて目を閉じた。
まだ夜になりきっていないが、疲れていた体は休息を求めていたようで、そうして目を閉じるとすぐに眠くなってきた。
これはきっとみんな、朝までぐっすりだろえし、むしろ寝足りないくらいだろうなと考えていたのだが、朝が来るより先に叩き起こされることになる。
「ユナ、起きるんだ。急いで出立するよ」
そう言ってヨキに起こされ、ユナは目を開けた。
家の中はまだぼんやり暗くて、寝坊したわけではないとすぐにわかった。起き抜けで頭は働かないし、正直全然寝た気はしないのだが、母の様子を見る限り、そんな悠長なことも言っていられそうにない。
「母さん、どうしたの?」
「私が飛ばしていた斥候から連絡があったんだ。王都の第一の層が、破られたって」
「え?」
事が急を要することは、今の短い説明ですぐわかった。
この国の王都は、三つの層で構成されている。
庶民たちが暮らす第一の層と、士官や富裕層が暮らす第二の層、そして貴族が暮らす区画と王城がある第三の層だ。それらの層を覆うように一番外側に防壁も設けられているのだが、第一の層が破られたということはその防壁も破られたということだ。
「大変! 一番弱い人たちが暮らしている場所なのに!」
「それもあるけど、もし第二まで突破されたら、そこにはハオユウがいるんだよ!」
滅多に冷静さを欠くことのないヨキが、おかしくなっていた。母がかよわい民たちのことより心配しているのは、弱っちい自分の夫のことだったのだ。
「さあ、事情が飲み込めたのなら、さっさと支度をして。細かな事情まではわからないけど、とにかく騒ぎの元凶をぶん殴るよ!」
ユナたちにそう指示すると、ヨキはまた慌ただしく出ていった。「待っててハオユウ!」という気合いの入った独り言を耳にした気がしたが、聞き流しておくことにした。
そんなことよりも気になるのは、起きて聞いていたはずのファンファンとメイメイの反応だ。
「第一の層を突破ってことは、内部……王城を目指してるってことなのかな?」
「そういうことなんだと思うけど……ユーシュンは、何がしたいんだろう」
ふたりは、顔を見合わせて不安そうにしていた。
屍骸遣いは彼らの兄であるユーシュンの可能性が高い。これから向かう先に屍骸遣いがいるということは、彼らは七年前に別れた兄と再会するかもしれないということだ。
兄に会ってどんな感情が湧くのか兄に何と言葉をかければいいのか――きっと、そんなことを考えて不安になっているのだろう。
ユナもゼツのことがチラリと頭をよぎって少し不安になったが、どのみちやることひとつだと思い至る。
「目的なんて、本人に聞かなきゃわかんないよ! ここであれこれ考えるよりも、会って本人をぶん殴ってから聞こう! 悪いことをしてるんなら、まず止めてやらなきゃ!」
ユナは努めて明るく言った。難しいことを考えたら、気分は暗くなる。暗くなっても、何も解決しない。それなら、無理矢理にでも気分を高めて、問題解決のために動くしかない。
そんなユナの思いが伝わったのか、ファンファンもメイメイも、目が覚めた顔をした。
「……そうだね。行こう」
「うん」
やる気になったふたりを伴って、ユナは家を出た。
外はまだ暗いが、あちこちに松明がたかれている。ずらりと一団が揃っているのがわかった。ユナたちが起こされてもたもたしている間に、彼らはこれだけの用意を整えていたのだ。
そのことに恐れ入るとともに、安堵も感じていた。
最初に故郷を発ったときは、ファンファンとふたりだけで屍骸遣いと対峙するつもりだったのだ。
「朝には王都に着くつもりで行くぞ!」
ヨキの呼び声に男たちが野太い声で応じて、一団は王都に向けて出発した。
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