第23話弟子の覚醒
「一刀流・竜剛剣っ!!」
我が愛弟子には、まだ早いと思っていた決戦の場に、彼は飛び込んできた。
わしですら、苦戦する強敵に向かって、勇気ある行動を起こしていた。
それも、まだ見たことがない技を使って……
おそらく、人知れず練習していたんだろう。わずかに魔力を込めて、剣先に炎をともしている。
強力な剣技と魔力が組み合わさった攻撃は、一撃必殺の威力を持っている。
あらぬ方向から強力な攻撃をくらったマルスは、必死に対応しようとしてバランスを崩した。
「『初動は、相手も準備してくるから、奇襲以外は防がれると思っていろ』でしたよね、師匠っ!! なら、奇襲が成立する状況なら、初動に全力をだしてしまってもいいんですよねっ?」
弟子は、まるで布が水を吸うが如く、恐るべきスピードで成長していた。もしかすると、S級クラスに届き得るポテンシャルの高さだ。教えたことだけではなく、その後ろにある論理も自分の中に組み込める。地頭がとても良いのだろう。観察能力の高さも相まって、わしの歴代の教え子の中でもおそるべき怪物に育ちつつあった。
マルスは、何とか攻撃を避けたが、剣を避けただけで、第二撃の炎をかわすことはできなかった。大きなダメージを受けて、動きが遅くなる。
「師匠、今です!!」
「ああ、一刀流奥義・
完全にバランスを崩したマルスは、こちらの奥義を受け止める余裕はなかった。
「俺はエリートなんだ。どうして、こんな無名の冒険者に邪魔を……ぎゃあああぁぁぁぁぁぁあああああああ」
後悔をにじませた断末魔が戦場に響いた。これで指揮官と最強の戦力を敵は失った。
歴史的な大番狂わせは、今起きようとしていた。
―――――
(登場人物紹介)
ブレア(D級冒険者→C級冒険者→A級冒険者→???)
政治力:18
戦闘力:31→58→79→89
指揮力:未知数
魔 力:23→31→42→51
策 略:35→61→72→81
孤児院出身のルーキー冒険者。
同じ孤児院出身のミリアと、生きる金を稼ぐために冒険者となったが、ルーキー時代は失敗だらけだった。それは、武術などに関して体系的な教育を受けてこなかったことが影響している。
ジークフリートに才能を見い出されて、一気に才能を開花させた。師匠と違って、一撃の威力に特化した剣技を得意とする。
ジークフリートからは、1対1の才能と観察力を生かした適応力は、自分以上の才能を持っていると思われており、S級冒険者レベルにとどまらず、得意分野だけなら史上最高クラスの才能と判断されている。
シェーラの街ギルド協会において、ジークフリートと並んで双璧の切り札的存在と認知されるまで成長した。
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