第31話 光陰矢の如し

 二週間程度の冬休み。以前はすごく短く感じていたのに、今回は夏休みよりも長かったのではと思ってしまうくらい長くて、退屈だ。クリスマスの日も、一緒に遊ぶ友人も、彼女もいない。大晦日は恒例の歌番組を流し見して年が明けるのを待ち、元日から三が日にかけては、ほとんど部屋に引きこもっていた。理由は単純で、一階では姉貴が選手権を見ているからだ。


 ――僕たちが立っているはずだった舞台……

 ――僕のせいで……


そんな想いがぶり返すのが、すごく嫌だった。それに、サッカーにはもう、興味がない――――。


 そんなこんなで明けた冬休み。いつもの時刻に宮坂の「おはよう!」の一言が飛んでくる。その声を聞いてからの道中では、前までと変わらない、放課後まで鬱々とした気持ちで過ごす日々を容易に想像させた。


 三学期は、年度で最も短い学期というのもあって、特段、何の事件があるわけでもなく過ぎ去っていった。そして、小休憩くらいの春休みがあっという間に明けて、今日から僕は二年に、姉貴は三年に。つまり、受験生となった。

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