第28話 余白
「ただいまぁ」
「おかえり。今日は早いのね……って、部活辞めたんだったね」
がっくりと肩を落とす母。そんな母の気持ちも汲まずに、「そ」と短く返事をしてすぐに自室に向かった。
自室に入ってだいたい一時間くらい。部活がなくなると、こうも暇な時間が生まれるのかと今日初めて実感した。いつもなら課題が終わるのなんて夜遅くなのに。今日はまだ、外が少し暗くなってきたくらい。
「はぁ……。課題も終わったし、休憩」
勉強机のすぐそばにあるベッドにダイブして、黒色の手帳風のカバーがつけられたスマホを開く。開かれたスタート画面には信じられない程の量の不在着信と未読メッセージの文字。
表向きの同情とか心配とかは要らない……。
「気にしない」
そう言葉にした後、すべてのタスクを非表示に設定して一人で動画配信サービスを楽しんだ。
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