第14話 世界の舵
第14話 世界の舵 Part1(ゲーム)
繁風と舵掛博士の勝負は続く。
舵掛は墓地に7種類のカードを送ることで、首謀部類のモンスターを召喚する。
その効果により、繁風のモンスター達の攻撃力は負の数値に変えられてしまうのであった。
TURN5(続き)
(博士のターン)
「繁風のモンスターの攻撃力が…」
舵掛はターンを続ける。
「さらに増援カード【駆け出し】。
私の場に首謀部類のモンスターがいることで、私の累積ダメージは0になる」
【駆け出し】
増援カード
発動条件:自分の場に首謀部類のモンスターがいて、自分の累積ダメージが相手より大きい場合。
効果:自分の累積ダメージを0にする。
博士の累積ダメージ:0(2300-2300)
「奴に与えたダメージが…」
「バトル。
【
私のモンスターは攻撃力0だが、君のモンスターの攻撃力がマイナスになる以上、この攻撃を耐えることはできない」
【
vs
【迅速な剣士 ブーム】打撃攻撃力-1100(前線)
「だが、攻撃力0なら、戦闘に勝利しても俺が受けるダメージも0になるはず…」
「心配には及ばない」
【
【迅速な剣士 ブーム】が破壊される。
「うっ!」
繁風の累積ダメージ:1100(0+1100)
「何故…」
「これが【
【
首謀部類 固有行動値3 首謀攻撃力0
・このカードを他の攻撃部類のカードとともに、デッキに入れてもよい。
召喚条件:自分墓地に7種類以上のカードが揃っている場合。
首謀効果:このモンスターとの戦闘で発生するダメージは、攻撃力の差になる。
(勝利したモンスターの攻撃力-敗北したモンスターの攻撃力)
(様々な刺客を使い、弱らせたところに追い討ちをかける、さしずめ、ラスボスと呼べる悪魔)
「【デーモン】の攻撃力は0。
【ブーム】の攻撃力は-1100。
その差1100が戦闘ダメージとして君に与えられたのだ」
繁風が受ける戦闘ダメージ:
勝利した【
敗北した【迅速な剣士 ブーム】の打撃攻撃力-1100
その差:0-(-1100)=1100
「さて、残りのモンスターも片付けておくか。
【
カード1枚の効果をターン終了時まで無効にする」
【
増援カード
発動条件:場にカードがある場合。
効果:場のカード1枚の効果をターン終了時まで無効にする。
「私が選ぶのは、【
「!?」
【
「これにより、君のモンスターの攻撃力は元に戻る」
【壮快な剣士 ソニック】打撃攻撃力700(後陣)
【音速の槍使い タービュランス】打撃攻撃力600(後陣)
【
「さらに【
相手モンスターを全て破壊して、攻撃力合計の半分のダメージを与える!」
【
増援カード
発動条件:相手の場のモンスターの総数が、自分の場のモンスターの総数より多い場合。
効果:相手モンスターを全て破壊し、攻撃力の合計の半分のダメージを与える。
【壮快な剣士 ソニック】【音速の槍使い タービュランス】【
攻撃力の合計2100(700+600+800)
「うっ!」
繁風の累積ダメージ:2150(1100+2100/2)
「(【
マイナスの攻撃力のまま破壊していれば、モンスターを破壊できても繁風の累積ダメージは回復していた。
ダメージを与えるために、わざわざ効果を無効にしたのか)」
「私の攻撃はこんなものではない!
増援カード【震撼の嵐】」
嵐が起こる。
「このターン、君のモンスターを3体以上破壊したことで、次のターン、君は1種類のカードしか使用できない!」
【震撼の嵐】
増援カード
発動条件:相手モンスターが3体以上破壊されたターン。
効果:次のターン、相手は1種類のカードしか使用(召喚、効果の発動)できない。
「何だと!?
(俺の反撃まで封じる気か!)」
「どうやら勝負あったようだな。
ターン終了」
【
「これで君がモンスターを召喚すれば、再び攻撃力は負の値になる」
手札(残存行動値)
繁風:2枚(0)
博士:0枚(0)
「(ダメなのか…)」
「(兄ちゃん…)」
「!」
風瓜との会話を回想する繁風。
「(そうだ。
風瓜。お前が俺に繋いでくれた道。
それを無駄にはしない)」
TURN6
(繁風のターン)
繁風の残存行動値:6
「俺のターン。
【救護の獣 サイレン】を召喚」
「それが君の選んだ1枚か」
【救護の獣 サイレン】打撃攻撃力-200(前線)
「【サイレン】の打撃効果を発動。
俺の累積ダメージを1000回復する」
【救護の獣 サイレン】(前線)
打撃部類 固有行動値1 打撃攻撃力200
打撃効果:自分ターンに1度、発動可能。
プレイヤー1人の累積ダメージを1000回復する。
(傷を癒すことが得意な犬。
争いごとに向いてはいないが、聡明で大人しいため皆に好かれている)
【サイレン】が繁風に近寄る。
繁風の累積ダメージ:1150(2150-1000)
「ターン終了」
手札(残存行動値)
繁風:4枚(5)
博士:0枚(0)
TURN7
(博士のターン)
博士の残存行動値:6
「私のターン。
攻撃力の低いモンスターを召喚して、受けるダメージを最小限にするつもりだろうが、そうはいかない。
増援カード【石柱の造形】。
このカードを攻撃力-2000のモンスターとして相手の場に召喚する」
【石柱の造形】
増援カード
発動条件: 【
効果:このカードを増援攻撃力-2000のモンスターとして、相手の場に召喚する。
繁風の場に石柱が現れる。
【石柱の造形】増援攻撃力-2000(前線)
「…」
「倒すためのモンスターは、こちらで創り上げればいい。
バトル!」
【
vs
【石柱の造形】増援攻撃力-2000(前線)
「この一撃で終わりだ」
「逆行カード【
【サイレン】がスモークに包まれる。
「!?
この期に及んで戦う気力があるとは…」
「【
このターン、俺のモンスターは相手の効果を受けない。
よって、【サイレン】の攻撃力は-200から200に戻る!」
【
逆行カード
固有行動値2
発動条件:自分または相手ターン中に発動可能。
効果:このターンのみ、自分モンスターは相手の効果を受けない。
【救護の獣 サイレン】打撃攻撃力200(前線)
「それがどうした!
今さらモンスターの攻撃力を戻したところで、この戦闘が成立すれば、君の敗北は決定する!」
「まだだ!
逆行カード【機転】。
相手ターン中の増援カードの発動を可能にする」
【機転】
逆行カード
固有行動値1
発動条件:相手ターン中。
効果:このターン、自分は、相手ターンであっても増援カードを発動できる。
「増援カード【
前線にいるモンスター1体を後陣に下げ、その攻撃力を別のモンスターに与える!」
【
増援カード
発動条件:自分の前線に2体以上モンスターがいる場合。
効果:2体の内、1体を後陣に移動させ、残る1体にその攻撃力を加算する。
(後陣に移動させたモンスターがいなくなった場合、この効果は終了する)
「俺は【サイレン】を後陣に下げ…」
【救護の獣 サイレン】打撃攻撃力200(後陣)
「まさか…」
「【石柱の造形】の攻撃力を200上げる!」
【石柱の造形】増援攻撃力:-1800(-2000+200)(前線)
【
vs
【石柱の造形】増援攻撃力-1800(前線)
【
繁風が受ける戦闘ダメージ:
勝利した【
敗北した【石柱の造形】の増援攻撃力-1800
その差:0-(-1800)=1800
「うわっ!」
繁風の累積ダメージ:2950(1150+1800)
「(攻撃力を上げることで、戦闘ダメージを軽減した…。
この男のしぶとさは…)」
手札(残存行動値)
繁風:1枚(2)
博士:4枚(6)
TURN8
(繁風のターン)
繁風の残存行動値:6
「俺のターン。
【スウィフト・ペガサス・
【スウィフト・ペガサス・
打撃部類 固有行動値3 打撃攻撃力1800
打撃効果:攻撃時、自分の累積ダメージが2500以上の場合、発動可能。
自分と相手の累積ダメージの差分、その戦闘中のみ相手モンスターの攻撃力を下げる。
(突進を得意技とする白と黒のペガサス。
翼が生えてはいるが、飛ぶことは殆どなく、地面すれすれを滑走することが多い)
「やっとリードカードの登場か」
「さらに、【
【
打撃部類 固有行動値3 打撃攻撃力900
打撃効果:自分ターンに1度、発動可能。
同じ固有行動値のモンスター1体と同じ効果を得る。
(この効果は複数回使用しても上書きされず、累積する)
(双剣の戦士。剣だけでなく、状況に応じた様々な戦法を習得している)
ペガサスと戦士が並ぶ。
「分かるよ。
【アラカルト・ウォリアー】の効果で【
さらにバトルフェイズで【リニアー】の効果を使えば、【デーモン】の攻撃力を-2950まで下げることが可能だ」
「…」
「だが…
逆行カード【逆光の旋風】!
先のターンでは発動できなかったこのカード。
今こそ使わせてもらおう!」
【逆光の旋風】
逆行カード
固有行動値3
発動条件:相手の場の固有行動値の合計が、自分の場の固有行動値の合計以上の場合。
効果:相手モンスター全ての効果は無効になる。
強い風が光とともに【アラカルト・ウォリアー】と【リニアー】を襲い、2体の効果が無効になる。
「これで効果は封じた。
私の勝ちだ」
「…あんたはモンスターの力を利用するためだけにカードを生み出したのか?」
「そうだ。
事の発端は、私が偶然
他のモンスターを食らうモンスター。
私はその能力に魅了された。
そして、私がモンスターを提供することを条件に、その力を私の野望のために使うことを
「あんたは、五仕旗が人とモンスターの架け橋になるような言い方をしながら、裏では自分が得することしか考えていなかったんだな。
「利用される方に問題があるのだよ。
風瓜を吸収させることができれば、
「あんた、最低だな」
「そうだろうか?
私はむしろ君達人間を救っているとすら思っているのだが」
「救っているだと?」
「七掌陣には、人の悪意を増幅させる力がある。
七掌陣をそのままにしておけば、モンスターを束ねるだけでなく、奴らが人間に干渉し、暴走させる可能性は十分にある。
君達もそれを見てきたはずだ。
【ランナクセル】や【ソーラー】は団員やオースを使い、彼らの悪意を高めることで人間に溶け込み、支配を強めようとしたのだろう。
私は人間がモンスター達に支配されぬよう、君達を守ってやっているのだよ。
それを、モンスターを弟などと呼び、馴れ合う君の考えが私には理解できない」
「それは全てのモンスターが、人間に敵意を向けている場合の話だろ?」
「何?」
「モンスターの中にも人間を慕うものはいるし、あんたとは違って、人間の中にもモンスターを大切にするものは大勢いる。
自分がしようとしていることを正当化するために、都合の良い解釈を押し付けるのはやめろ」
「…」
「それに同じ七掌陣でも風瓜は違う。
俺はこの8年、風瓜と一緒だった。
ずっとあいつを見てきたが、人を攻撃したことは一度もない。
この旅の中でもそうだ。
あんたが言うように、七掌陣が人の悪意を高める力を持っていたとしても、悪意のない存在と関われば、人や他のモンスターに襲いかかることはない。
重要なことは、誰とどう関わるか。
あんたも既に、そのことには気づいているんじゃないのか?」
「だからモンスターが人間を脅かすことのないよう、私が導いてやると言っているんだ」
「あんたみたいな邪な存在に手を引かれずとも、皆がそれぞれの生き方を見出すことはできるんだよ」
「今さら何を言っても、もはや君に打つ手はない!」
「増援カード【
自分のモンスター1体を別のモンスターに吸収させ、
「なっ!」
【
増援カード
発動条件:自分の場にモンスターが2体以上いる場合。
効果:2体の内、1体を墓地に送り、もう1体のモンスターの
【リニアー】が光の粒になり、【アラカルト・ウォリアー】に流れ込む。
「来い、【
【アラカルト・ウォリアー】の鎧が白と黒に変化する。
【
打撃部類 固有昇級値1st 打撃攻撃力1400
召喚条件: 【
打撃効果:???
(双剣の戦士が、ペガサスの力を取り込んだ姿。
白と黒の鎧を纏い、習得した技や受け継いだ突進攻撃で臨機応変に戦う)
「だが、【
【
「【リニアラカルト】の効果発動。
相手の場のカード1枚を俺の場に従える」
「私の場のカードを…」
「俺が従えるのは…
【
「!?」
【
「これで立場は逆転した。
今度はあんたが、このカードの力に苦しんでもらおう。
俺のモンスターの攻撃力は元に戻り…」
【
「あんたの場のモンスターはマイナスの攻撃力を持つ」
【
「バトル。
【リニアラカルト】で【
【
vs
【
「そして【リニアラカルト】の効果を発動。
1つ目の効果で固有行動値3以下のカードを従えた場合…」
【
「攻撃時、相手モンスターの攻撃力を、俺の累積ダメージ分下げる!」
【
打撃部類 固有昇級値1st 打撃攻撃力1400
召喚条件: 【
打撃効果:召喚時、発動可能。
相手のカード1枚を従える。
さらに、この効果で固有行動値3以下のカードを選んだ場合、攻撃時に以下を発動可能。
自分の累積ダメージの分、相手モンスターの攻撃力を下げる。
(双剣の戦士が、ペガサスの力を取り込んだ姿。
白と黒の鎧を纏い、習得した技や受け継いだ突進攻撃で臨機応変に戦う)
「
【リニアラカルト】が二つの剣を振ると、強風が起こった。
繁風の累積ダメージ:2950
【
「攻撃力を下げてきたか…」
【
vs
【
「これであんたが受けるダメージは、【
「いや…
逆行カード【堕天使の入れ知恵】!
私の受けるダメージを4000まで軽減できる!」
【堕天使の入れ知恵】
逆行カード
固有行動値3
発動条件:首謀部類モンスターが攻撃された時。
効果:自分はその戦闘ダメージを4000まで軽減できる。
「これで受けるダメージはわずか350。
私を倒すことは不可能だ!」
「そんな悪知恵で防げると思うな!」
「何だと!」
「増援カード【
【リニアラカルト】が下げた数値2950を攻撃力に加算する!」
「!?」
【
増援カード
発動条件:カード効果でモンスターの攻撃力が下がっている場合。
効果:その数値だけ、自分モンスター1体の攻撃力を上げる。
【リニアラカルト】の勢いが増す。
【
「これで攻撃力の差は7300になった。
4000を差し引いてもあんたはこの攻撃を受けきれない!」
【
vs
【
「これでもまだ何か、発動する効果はあるか!」
「くっ…」
「行け!
【リニアラカルト】が【
「うわぁ!」
博士の累積ダメージ3300(0+3300)
繁風の勝利。
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