第5話 結託 Part2

「どうだ? これで納得してもらえただろうか」


「ああ。君とともに戦うモンスターに悪意は感じなかった。

疑って申し訳ない」


ヴォーテが頭を下げる。


「そうだ! 兄ちゃんが悪いことするわけないだろ!

謝れ!」


「今、謝ってただろ。

…そうだ。

もしかすると、お前が感じた悪意ってのは、これのことじゃないか?」


繁風がカードを2枚取り出す。


「これは?」


「俺が倒した二体の七掌陣だ」


「何!?

君は既に二体もの七掌陣を!?

通りで強いはずだ…」


「当たり前じゃん!

兄ちゃんが負けるはずないよ」


「私はまだ一体しか倒していない」


「一体しか倒してないのに兄ちゃんに言いがかりつけてきたんだ~。

嫌な奴~」


「やめろ風瓜。

そんなこと言うならお前は一体も倒してないだろ」


風瓜は笑っている。


「(果地繁風。

彼と行動をともにすれば、全ての七掌陣を倒すことができるかも…)

頼む。

私も旅の仲間に加えてもらえないだろうか」


「え~、俺の部下ってことならいいよ」


「やめないか。旅するのに上も下もないだろ」


「冗談だよ」


「わかった、一緒に行こう。

あんたのその力があれば、残る七掌陣を探しやすくなるかもしれない」


「ありがとう」


風瓜が思い出す。


「あっ! そうだ!

俺達ここにお願いしに来たんじゃん!」


「お願い?」


「無事に七掌陣を全部倒せますようにって。

ヴォーテが邪魔するから忘れるところだったよ。

危ない、危ない」


「それは申し訳ない」


「まぁ、いいじゃないか。

こうして心強い仲間が一人増えたんだから」


三人はこれから先の無事を祈った。


**********


「二人合わせて三体も!?

大丈夫なのか、そんな奴ら相手にして!?」


「私の言う通りにすれば問題ない。

心配せずともお前達開闢ドーンが選び抜いた七掌陣の一体として、十二分なはたらきはしてやる…」


続く…

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