『月のなぞ』
日本の古い民話『かぐやひめ』(竹取り物語)は、おそらく、平安時代前半期に書かれたとみられますが、作者などは、わかっていないようです。
女の子が、竹から産まれてきたり、急速に成長したり、竹取りの翁が、突然、豊かになったりするのは、様々な後世のお話や、SFものに通じたり、影響している気がしますし、求婚者に難題を出すお話しは、大国主の神話にもあり、また、フィンランドの『カレワラ』にもありますし、『スカボロー・フェア』にも、そうした内容が歌われます。
『あれは、一種の、SFだからな。また、地球人類や、我々パンダ属の、共通の妄想でもある。しかし、月の王国は、いまだに、隠れてはいるが、確かに、あるんだ。特殊なドームで、囲まれていて、外部からは姿が見えないがな。21世紀始めには、まったく、無名で、才能もない、やましん、とかいうアマチュアが、飛鳥の宮に、月の王国から使者が来る話を書いている。ひみこや、ワイナモイネン、ウサギや、カメ、まで出てくるが、むちゃくちゃではありながら、良い線も出してる。』
と、宇宙海賊、ピーターポンが部下に話しました。
ピーターポンは、古の宇宙海賊、マオ・マの子孫だと自認しています。
証拠は、ありません。
だから、言えるのですが。
マオ・マは、人類だと思われるのです。
✨
一方、ひいさまは、月の宮に、電話をしました。
『あ、わたし。あの、お客様を連れて行きますから、大宴会の準備をしてください。宇宙海賊、ピーターポンさんですから。え? なに?
『ぶっちぎり号』が、来ているんですか? それは、面白い。』
ぶっちぎり号は、宇宙海賊『マオ・マ』の旗艦です。
マオ・マは、不死なのです。
🛸
ピーターポン一行は、月の裏側に侵入しました。
何時ものように、とくに、変わりはありません。
月の裏側は、地球側とは、まったく違う姿をしています。
それは、月の王国が見せている、フェイクなのでしたが、人類は、いまだに見破れないでおりました。
探査機を着陸させたりもしていましたが、進化した月の文明に、ひたすら、騙されておりました。
しかし、ピーターポンの宇宙船の前に、ついに、入り口が開いたのです。
『なんだ、あれは。』
副官にして、科学者海賊パンダである、シッポク・ダ・タレルジャは、タレルジャ王国の王族パンダ出身と主張していましたが、王国は、それは、当然、否定しておりました。
王国に、パンダさんはいませんから。
実は、実際には、とてつもなく、古い時代には、王族パンダ、だったことは事実だったのです。現世パンダの、遥かな先祖です。
彼らは、やがて、宇宙に進出したのです。
『ついに、開きましたな。』
シッポクが言いました。
『ああ。ついに、な。』
『しかし、入ったが最後、出られないかもしれませんが。親分、行きますか?』
『行こう。』
『わかりました。』
チープー号は、月の裏側に降りて行きました。
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『続続 お月様とお饅頭』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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