(29)回復薬は魔法です。

 森狼達の去った朝。森の片隅に穴を掘ってトイレを済ませてしまったなら、昨日鳥の巣から失敬していた卵を炒めて朝ご飯です。

 ですが、背負い鞄にしまっておいた卵を取り出そうとして、私は「ひゃぁ!」と、奇妙な叫び声を上げてしまいました。

 背負い鞄の留め金に、小さな黒い甲虫こうちゅうたかっていて、綺麗だった留め金が囓られた様に凸凹に成っています。

 そこで思い出した鍛冶の基本。虫も喰わない軽銀か、鍛えたはがねでも無い限り、魔の領域には持ち込めないのでした。

 慌てて胴着やブーツに使っている鉄布を確かめてみましたけれど、こちらはどうしてか無事でした。もしかしたら、常に身に纏っている『隠蔽』が魔力を流しているが為に、虫を遠ざけていたのかも知れません。


 しかしこれは参りました。外から来た商人さんから仕入れた留め金でしたけれど、魔の領域近くの事情を知らなかったのか、それとも質の悪い物を掴まされてしまったのか、兎に角留め金が駄目になってしまうと背負い鞄を背負って行くにも不安が残ってしまいます。

 焼きを入れて耐え凌ごうと思っても、どうやら鉄でも無い様です。金床代わりの鉄板を削って、泣く泣くこの場で金具を作り直すことになりました。


 幾ら魔力が強く鍛えられていると言っても、いつもの焼き入れよりも更に倍程熱しなければ成形も出来ないのですから、これは大変な仕事なのです。

 金色に輝くまでに「活力」を加え、魔力の手で捏ねて金具の形を作ってしまいます。

 そうして何とか無骨ながらも、昼前には必要な金具を作り直す事が出来ました。


 鉄布の装備は今のところ手を加えません。鉄布にはしなやかさが必要ですし、魔力を通していれば虫が寄らないのなら、直ぐには問題は起こらないでしょうから。


 花咲き乱れる草原へと戻る方角へ進みながら、目に付いた果実や薬草、野草の類を摘み取って足を進めます。

 朝からドタバタしてしまった分、お昼は手軽に摘まみ食いです。

 一口大の赤い果実をぱくり。野草と薬草を合わせて「活力」を与えてしんなりさせたらもぐもぐり。


 そうして草原まで戻って来たところで、未だ生々しい姿を晒している大毛虫の死体の、胸と頭に毛虫殺しを突き立ててみれば、思った通りにじゅるりじゅるりと其処に在る魔石の魔力を啜り上げるのを感じました。

 死んだ大毛虫からは血肉まで啜るのかは分かりませんでしたけれど、その答えもそう遠からず知る事になるのでしょう。


 そうして昏い森から流れ出る川の入り口へと向かうと、幾つかの事に気が付きます。

 まず、ちりちりとした違和感が、向かう先に感じられます。

 昏い森に居た時に感じていた違和感は、これに違い有りません。ここまで来ると、既に南では無く南東に感じられますので、やはり方角を知る為に磁針は必要なのでしょう。

 それとも違う違和感も、豊穣の森側や、遙かに南のもくもくと煙を上げる大山の方にも感じられるので、これが界異点を示しているなら結構な数の界異点がこの辺りには在る様です。


 そんな気配を遠目に感じながら、やって来たのは昏い森にぽっかりと開いた黒い穴――にも見紛みまがう、川の口です。

 今の私なら、ぴょんと渡れる程の川幅ですけれど、太陽も照り付けているのに、何でこんなに暗いのかが分かりません。森に漂う魔力の性質に因るのでしょうけれど、丸で黒い靄が掛かった様な森の中は、遠くまで見渡す事も出来なくて、中々に厄介そうです。


 光と影の境界に立って覗き込めば、暗闇の中で棍棒を振り回す大毛虫の姿が微かに見えました。

 ここからが本番……なのでしょうか?

 しかし、こんな大毛虫が闊歩する森の中では、私の様に無意識にも『隠蔽』が働きでもしない限り、そうそう休む事も出来そうに有りません。

 ……いえ、ガズンさん達はパーティでしたね。交代しながら休みを取れば、何とか成るのかも知れませんけれど……。

 まだまだ探索に必要な、技能とは違う技術というものが有る様です。


 いつまでも覗き込んでいても仕方が有りませんと、一歩影の中に足を踏み入れて、其処が只暗いだけの場所では無いことに気が付きます。

 肌を撫でる空気、踏み締める土の感触、喉奥に粘り着く臭気。

 界異点の中で無くても、既に異界に迷い込んでしまった様な気がしてきます。

 宙を漂う歪みも嘗て無く濃くて、あたかも蜘蛛の巣が張り巡らされている様です。


 吸う息に歪が混じっている訳では有りませんが、余り気持ちのいいものでも有りません。

 何時もは他の魔力の隙間を縫う様にして索敵に広げていた自分の魔力を、逆に他の魔力を通さない壁になる様に私の周りに展開します。

 こうなると、『隠蔽』を掛けた状態では私の周りが完全に黒い魔力の空白地帯にも見えるので、鋭敏な感覚を持つ魔物なら逆に気が付かれてしまうかも知れません。

 まぁ、相手が毛虫な鬼族なら、そんな心配は必要無いとは思うのですけどね。


 心做こころなしか、魔力を壁としたその内側では、森の暗さも緩和している様な気もします。

 というか、やはりこの暗さは森に満ちる魔力の仕業と見ていいですね。

 界異点から溢れる歪に歪まされたら、界異点の向こうの在り方に近付いていくとも聞いた様な気がします。つまり、鬼族達にとっては、この黒い闇を齎す魔力が溢れる世界こそが、安らげる場所なのでしょう。

 もしかしたら、この昏い森が、鬼族達にとっては光り輝く恵みの森なのかも知れません。

 ……やっぱり、吸い込みたくない空気ですね。


 しかし、そんな微妙な空間を周りに纏いながら、暴れている大毛虫の居る場所に近付いて行っても、まるで大毛虫は気が付く様子を見せません。

 棍棒を持って暴れているので見えていないとしても危険では有りますけれど、木を蹴って跳び上がるのならば兎も角、『瞬動』で移動するのなら一瞬で大毛虫の首の横まで出られます。

 そして毛虫殺しを一閃してしまえば脅威は直ちに去るのですから、それは即ち私の心に油断が入り込むのも必然だったというものなのでしょう。

 死んだ大毛虫の頭と胸に、毛虫殺しを突き立てれば、血管の様に浮き出た紋様を脈動させながら、毛虫殺しが大毛虫の魔力を啜っていきます。僅かに頬が痩けていく様に見えるのは、血肉も確かに啜っているのかも知れませんけれど。

 そんないつも通りな毛虫殺しの様子に、安心したのもきっと理由の一つです。


 ここから更に南から伝わってくる魔力の衝撃に揺らされるのか、時折私の張った魔力の壁に南側から波紋が走ります。

 広大なデリエイラの魔の森は、奥に行く程恐ろしい生き物が棲んでいるとも聞きます。昏い森に入ったにも拘わらず余り毛虫と出会でくわさないのは、既にここが昏い森の南端に近く、毛虫達でも緊張を強いられる場所だからなのではないでしょうか。

 手に入れた地図には、昏い森の南は暗黒地帯とされていて、情報が無い分何が居るとも知れないのですから、きっと何か恐ろしい者が居るに違い無いのです。

 それでも此処――昏い森の南の端に、毛虫達の姿が少ないのは確かなことで、これも気の緩みを招いた一つの理由です。


 因みに、豊穣の森側はと言えば、其処に毛虫の姿を見掛けることは極稀ごくまれにしか有りません。森の境では見掛けても、豊穣の森の中まで入ってくる事は無いのです。

 この森に入ってみれば分かります。界異点から溢れた歪が引き起こすのは、辺りの環境を界異点の向こう側に近付ける様に変質させる事です。

 北へデリラの街方面に向かうのなら、適応するべきは私達のこの世界のことわりのみで済みますけれど、豊穣の森側へ行くと他の何者かの界異点の影響が入り交じって、混沌としているに違い有りません。

 死ねば数日で土塊つちくれに還ってしまう様な生き物なのです。積極的な侵攻や垣間見せる凶暴性とは裏腹に、他と較べても極めて脆弱な生き物なのかも知れませんね。


 ――既に大毛虫も脅威には思えず、その姿も疎らな中、そんな事を考えていたのが悪かったのでしょう。私の意識は、遠くに感じる毛虫の気配や、この黒い魔力で満たされた空間にばかり気が向いてしまっていました。

 手持ち無沙汰な状況の中で、辺りの黒い魔力を集めては、昏い森の歪みで縛り付け、黒い魔石もどきを量産する事すらし始めていたのです。

 つまりは、油断です。足下への注意が疎かになっていたのでした。


いたっ!?」


 叫んでから転びました。

 いつもの様に、確りとした石や根っこを足場に移動しているその時に、右の足裏に走った痛みと踏み付けた根っこに張り付いて剥がれなくなったブーツ。

 振り向いてみれば、踏んだ木の根に奇妙な警戒心が呼び起こされます。

 更に言うなら、踏み締めた感触もおかしかった様に思います。木の根の筈なのに、柔らかく積もった落ち葉の上を踏んだ様な……。


 木の根を踏まない様に、伸ばした魔力の腕で木の枝にぶら下がっては、木の根を跳び越えてやって来た側にそっと無事な左足を降ろします。

 悪戦苦闘しながらも、何とかブーツの靴紐を解いて、痛む右足を引き抜いてみれば、そこはもう足の裏から溢れた血で、血塗れになっていました。

 見れば靴裏を突き破って、ざっくりと鋭い棘が血に濡れた頭を覗かせています。

 ふわふわに柔らかい表皮の下に、心材から枝分かれした鋭い棘を隠した、吸血樹の一つでした。


 油断大敵ですねと思いながらも、これはいい機会ですと冷静な頭で考える事が出来たのは、腰の小物入れの中に錬金術屋のバーナさんから貰った回復薬の三本が、今も入っていたからでしょうか。

 貰った時の煌めきと較べたら、輝きも半分ばかりになっていますけれど、十日はつと言われた物なのですから、まだ効果は有る筈です。

 ――いえ、逆に言えばあと数日するかしないかで効果が消える物ですのに、使う機会が無くて勿体無いと考えていた物です。

 足の痛みとは裏腹に、回復薬を取り出す手つきもいそいそと、ええ、ええ、気に食わない神様錬金の産物では有りますけれど、だからこそ逆に安心出来る物なのかも知れません。


 南無三と一息にあおってみれば、つーんと鼻に抜ける草の匂いと共に、濃密過ぎて何とも言えないどろりとした液体が、喉の奥へと落ちていきました。

 お腹に落ちたらそこで止まる筈と思うのに、丸で勢いをそのままに今度は波紋の様に全身に力が伝わっていきます。

 体の中心から末端へ。なまじ魔力の知覚に長けているだけあってか、体を通り抜けた回復薬の魔力が、引っ掛かりを覚える所で強く作用して――つまりは傷を治していくのを感じるのでした。


 目で実際に確かめても、棘に抉られた引き攣れ傷が、緑色の光を放って端から治っていくのが見て分かります。

 回復薬に用いた薬草の薬効? いいえ、これがお薬な訳が有りません。どう見ても魔法です。それは薬草を媒体にした、治癒の魔法だとしか思えませんでした。


(薬草に求められているのは、保存効果? それとも単純に魔法の媒体?)


 そんな事を考えてしまうのは、何となく植物の事には働いている私の勘が、この回復薬には余り反応しないからなのです。……いえ、少し違いますね。微かに感じる残滓が、この回復薬もは薬草だったと私に告げます。

 それこそ何となくで、薬草を用いた調薬とかが出来てしまっている私だからこそ、いつも感じている薬草の力とは違う所で働いているその感じに、困惑ばかりが広がります。

 私には良く分からない物が其処には有りました。


(体の中を通り抜けていく力は、只の魔力でも“気”でも、知っている『根源魔術』でも無い様ですね……。『治癒魔術』というものなのでしょうか?)


 『根源魔術』は、突き詰めれば魔力の操り方で説明出来てしまう力です。広げた自分の魔力を道に喩えて、その中に力を通す「流れ」の業。魔力という力を一つ所に注ぎ込み、熱へと換える「活力」の業。言ってみれば、魔力を力として扱う、単純な魔法です。

 それだけに、神様へお願いする技能とは相性が良くない様に思います。

 自分の魔力で行うなら、魔力で包みながら「流れ」の向きを変えるのも、「活力」の注ぎ具合を調整するのも、覆った魔力で状態を確かめながら、使った魔力も循環させて、手足を動かす様に如何様にも出来ますけれど、神様技能では神様へ捧げた魔力を通じての状態把握も出来そうに有りませんし、何かをしようとするなら度々魔力を捧げてと、気が休まりそうに有りません。


 これに対して、一般的に用いられる『四象魔術』は、神様技能として用い易いのでしょうと思っていたのですけれど……。

 ……そもそも、『根源魔術』で出来る事を神様技能でも実現出来るのかもと思い至ったのが、豊穣の森の探索の中で、『根源魔術』の「引力」と思わしき魔法を、神様技能で使っている冒険者を見た事が始まりです。

 走り抜けながら目の端に留めたものですので、その時は流してしまったのですけれど、見たその力を後で自力で『根源魔術』として再現出来てしまった事が、私に考える切っ掛けを与えました。

 『根源魔術』は自力での技能、『四象魔術』は神様技能、と、今迄はそんな風に思っていましたけれど、そんな単純なものとはきっと違うのです。

 『根源魔術』と同じ様な事が神様任せでも発動するのなら、『四象魔術』もきっと同じです。神様技能では水や炎に土や風といった物や現象を、どこからとも無く現出させる魔法ですけれど、これを自力発動出来る様になったなら、もしかしたら呼び出す水を塩水にしたり、現れる炎の色を変化させたり出来るのでは無いでしょうか。四象として知られる水火土風以外にも、雷や光といった物も操れる様に成るかも知れません。

 今はとても『根源魔術』で実現する方法を考え付かない知識系の技能にしても、神様技能しか無いと決め付けるのは、早計にも思えてきました。それは私の可能性も閉ざしてしまうことだと思うのです。


 とは言ってみても、実際にはそんな事は既に知られていて、ちゃんとした名前も付けられていたりするのかも知れませんけどね。


 考えてみれば、私の強みは、鍛冶をする内に鍛えられたこの魔力に対する感覚かも知れません。

 使い慣れた『根源魔術』に近い物なら、見るだけでも「引力」の使い方が分かる様に成りました。

 『四象魔術』はまだ再現出来ませんけれど、一つでも自分の手で引き起こすことが出来たなら、一気に扉が開かれる様な予感がします。

 『治癒魔術』というのは『四象魔術』とは較べるべくも無く素質や才能を持った人しか使えない、非常に稀少な技能と聞きました。まぁ、それももしかしたら、『根源魔術』の様に自力発動が基本な魔法だからと言うことも考えられますけど。それだけに私も見たことは有りません。ですけど、回復薬としてなら私もこの目にしましたし、体験もしたのです。これで再現出来なければ嘘ですね。


 ――なんて思うのですけど、正直な所、自分の体でなら再現出来ても、それを回復薬にするのにどうすればいいのかがさっぱり分かりません。

 一番分からないのは、やっぱり薬草の役割なんですけどね。


 薬草で作った薬は、炎症を抑えたり毒を消したりしますけれど、傷が治ること自体は自分の体任せな気がします。

 他にお薬と言えば、生き物をどろどろに成るまで煮詰めて煮溶かした軟膏が有って、傷その物にはこちらの方が良く効きます。鳥の軟膏は安いです。豚の軟膏は良く効くと聞きます。治るのが早過ぎて、痕が残ってしまうくらいだとか。何だか無理矢理直している様な感じを受けます。


 これでいくと、回復薬の『治癒魔術』は確かに植物寄りなのかも知れません。動物的な軟膏では無くて、薬丸の様なお薬です。赤蜂にやられた初級冒険者達も、回復薬を与えられてからは、まず腫れが引いてから傷が治っていった様に思います。

 もしも軟膏的に治るのなら、ぐちゅぐちゅよ傷口が盛り上がって蚯蚓脹れの様な痕を残すでしょう。そうはなっていないのですから、回復薬が薬草を使っているのにはきっと正当な理由が有るのです。

 想像でしか有りませんけれど、そんなに外れてはいないと思いますよ?


 回復薬以外の『治癒魔術』については残念ながら伝手も有りませんが、似た様な傷を治す力についてなら心当たりは有りました。脳筋姫様との手合わせで何時の間にか出来ていた青痣が、知らない内に殆ど完治していたのが手掛かりです。

 逃げ帰った後で縫製や革細工をする際に、魔力で腕を強化しながらぎゅんぎゅん魔力を循環させていたのが、回復を促進させた様に思います。回復の過程も結果にも無理な所は感じません。先程自ら体験した回復薬での傷の治り方も、無理矢理な感じはしませんでしたから、近い物が有ると思うのですよ。


 共通するのは、自らの持つ力の増幅、あるいは活性化。字面だけを見れば、『根源魔術』に通じるものを感じます。いえ、私の読んだ教本には書いていなかっただけで、『根源魔術』と思った方が良さそうです。神様技能が蔓延る世の中では、広まらないのも納得です。

 「活性化」の力が薬草の持つ毒消しや消炎の力を増幅し、加えて肉体の持つ自己治癒の力も増幅して怪我を治す。そう考えると、筋が通る様な気がしますね。

 あとは、「活性化」が極まった時に、薬草では無く魔法寄りに成っていて、更に「活性化」自体の力も出来上がった回復薬に宿っていれば、検証も終わりです。


 そんな事を思い付く頃には、ブーツを棘から切り離し、返しの付いた棘を内側から引き抜き、穴が開いてしまったブーツの補修も済ませてしまいました。

 再びブーツを履いて、鞄を背負って、準備万端整えたなら、追跡行の再開です。

 今度は足下もしっかりと確かめて、周囲の様子にも気を配って、慎重にしかし足は緩めず前へ前へと進みます。

 鞄の中に詰め込んだ薬草や果実、乾肉の残量を考えても、まだまだ十日は余裕です。

 それだけ有れば、その前にガズンさん達と出会う可能性の方が高いというものです。


 木の根を乗り越え、岩を登り、川沿いを只管ひたすらに進みます。

 手の中で淡い光をくゆらせるのは、空いた回復薬の瓶に少しだけ二本目から分けた回復薬です。

 「活性化」をするのに思い付くこと。まずは高速に回復薬の魔力を循環させながら、私は昏い森の奥へと一歩一歩進むのでした。


 そう言えば、私も一度だけ自力では無い魔法の発動に憶えが有ります。

 大猪鹿を撃った雷が落ちるその直前。広大な森に感動して、確かに私が放出していた私の魔力が、ふっと掻き消えるのを私は感じていたのです。

 興奮が忘れさせてしまっていましたけれど、

 そうです、確かにあれは、神様技能の発動だったのです。

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