第50話
「女王様、この男性はいったい誰なのですか!!物凄く可愛いのですけれど」
「キャー、すっごく可愛いです」
エルフの美女たちにペタペタと頬を触られながら僕は今、見世物になっていた。
朝のあのまま少しだけ寝てから、一時間後くらいには起きて二人でゆったりと朝食を楽しんだ後、エルフの国を見て回りたいと女王様にお願いしたところ快く受け入れてくださり、一緒に回る事となった。
女王様の住む家はこの森の大樹で、樹齢は数千年にものぼる物凄い大木である。
エルフの国には王国や聖王国のように王都というものは存在せず、大木を中心として家が建っている。
家の形は様々で木の上に女王図に作られたものもあれば、ログハウス形式の物もありさまざまである。
女王様と一緒に歩いていると、当然見つかり色々なエルフに声を掛けられいつの間に物凄い数のエルフの美女たちに囲まれていた。
その美女の誰もが王女様までは行かずとも胸も大きいし、顔も前世のモデル何て目じゃないくらい可愛いのだ。
前世の男全員が羨むような環境に僕は今身を置いている。
「皆さん、ゾーイさんが困っているでしょう?それ以上はいけませんよ?」
「は、はーい」
女王様がそう言うと、みんなピタッと止めて僕から少しだけ距離を置いた。
助かったけれど、今ものすごい女王様から殺気の様なものが放たれていたような…気のせいか。
あのおっとりとしていて優しい女王様が民の皆に殺気を向けるなんてありえないだろう。
「さて、皆さんに紹介します。この人はゾーイさんと言ってこの森に迷い込んでしまった男性です。決して悪い人ではありません。妖精たちも彼の事をとても好いているでしょう?そんな彼に、もし酷い扱いでもしたらその者は…ね?」
にっこりと笑った女王様は何故か物凄く怖かった。
ま、まぁ僕のために注意してくれているんだしもしもの事だから考えなくてもいいか。
「本当だ、ゾーイ君。物凄い妖精さん達に好かれてる。優しい人なんだね」
「わたしより、妖精さんに好かれてるかも」
「妖精さん、ですか?」
聞いてみると、どうやらこの世界には妖精まで存在してエルフと仲が良いみたいで、共存しているようだ。
妖精が懐いているのはその人が良い人である証拠だから、自信をもってよいって言われた。
エルフの美人さんたちに質問攻めをされたのでそれの受け答えをして、仲を深めているとふと、視線を感じたのでそちらの方を見てみると、女王様がニコニコとだが、少し怖さを感じる笑みで僕を見ていた。
返すように微笑み返すと、女王様は胸を抑えて頬を紅潮させこちらに向けていつもの数十倍増しのエロい雰囲気を漂わせて視線をこちらに送って来る。
その熱っぽい視線は過去に何度もみた視線だった。
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