第32話
さて、これからどうしようかなぁー。
夜、ふかふかのベッドに大の字になりながらこれからの事を考える。
今からそっとここから抜け出して王国へ戻ろうにも、絶対にシャーロットさんや今日あった他の七聖女さんたちが僕を逃がしてくれないだろう。
それに、逃げ出してもフィール様やこの国の人たちなら執念深く追ってきそうな気がするし。
シャーロットさんとか血相変えて追ってきて、捕まった時さらに強固に今度は絶対に逃がさないように僕の事を監禁とまではいかないが、軟禁しそうな気がする。
段々とシャーロットさん、フィール殿下が共にドロシー先生とか母様、シュヴィのような雰囲気になってきているような感じがするから。
それに、例え王国へ戻ったとしてもドロシー先生、シュヴィ、パトリシア様、母様のいずれかに軟禁ではなく監禁されるか、全員に共同で監禁されるかの二択なような気がするから戻るに戻れない。
今のところ、現状維持が得策なのかなぁ?
でも、このまま何時までもここにいるわけにもいかない。
もしこれから先ドロシー先生たちに見つからず、ここにこのまま居続けてしまえば、きっとフィール様や七聖女様のいづれかか全員と結婚して子作りしてこの国で幸せに暮らしていくことに成るだろう。
そんな未来....僕は絶対に.....嫌とは言えないし、何なら物凄くいいだろうなと思うけれど、この世界ではもっとやりたいことがある。
もっと魔法とか覚えたいし、フリーハグもいろんなところでしてみたい。
疲れている人とか、他にも男性に恵まれない人とかと接して少しでも勇気を持たせてあげたい。
せっかくこんな素晴らしい体と才能、それに人を癒すというスキルのようなものまでを貰ったのだ。
それを十分生かしてから、僕は結婚生活とかをしたいって思っているから今はまだその生活に浸ることは出来ない。
だけれど、そんなこと言ってもどうすればいいのか全く思いつかないしなぁ.....。
.................いっそ、王国に戻らず他の国とか目指してみる?
僕の家はシュヴィが継ぐから、僕は学園を卒業したら母様たちに内緒で旅に出るつもりだった。
それが少しだけ早まったと思えばいいんじゃないか?
とそんなことを考えていた時だった、トントンとドアをノックされる。
時刻はもうすぐ日を跨ぎそうな程の時刻であった。
「誰ですか?」
「ゾーイ様、わ、私です。フィールです」
ドアを開けて見ると、かなり際どいネグリジェを着たフィールさんが恥ずかしそうにしながらもこちらを上目づかいで見ていた。
「ど、どうしたんですか?」
「そ、その...........はしたないと思いますが、夜這い、です。ゾーイ様とその.....本番とまではいわなくてもより親交を深めたいなと思いまして」
恥ずかしそうに、だけれど一生懸命話してくれようとしてくれているフィールさんが可愛すぎて思わず衝動に任せて襲いたくなってしまうけれど、ここで襲ってしまえば僕はこの国に居続けなければならなくなってしまう。
将来的にはフィールさんと結婚することも良いだろうなと思うけれど、今はいけない。やっとこの先どうするかの目処が立ってきたのだから。
「ぼ、僕も恥ずかしいのでその......今日は本番じゃなくて一緒に抱き合って寝るとかでも良いですか?」
「は、はい。私もガチガチに緊張しているので、そちらの方が本当はありがたいかもしれないです」
フィールさんと二人でベッドへと入り、緊張しながらもお互いの熱を確かめるように抱きしめ合う。
「ゾーイ様からのハグ、噂に聞いていた通り凄く落ち着きますね。さっきまで緊張していましたが収まってきました」
「そうですか。僕は少し変態チックかもしれませんけれど......フィールさんの匂いが良すぎて少し興奮してます」
「.................やっぱり、エッチします?私は全然ゾーイ様に身を捧げることに躊躇いはありませんよ。ゾーイ様に身を捧げられるなんて誉ですし」
「い、いや、でもやっぱり緊張するから段々と慣れていきましょう」
「分かりました。ゾーイ様がそうおっしゃるのなら」
その後、ムラムラとしたままなせいか全く眠りにつくことが出来なかった。
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