第6話 リップの場合

リップは、艶っぽい男子で人の唇にすぐに触ろうとする

リップ「俺は、今のままの葉月ちゃんでも可愛いと思っているよ」

リップはそう言って、葉月の唇に触ろうとする

葉月「何、するんですか」

リップ「何って、葉月ちゃんの唇に触ろうとしているんだよ。だって、俺リップだもん。触ったっていいでしょ」

葉月「良くないですよ」

リップ「何で?」

葉月「触って良いわけがないじゃないですか。初対面なのに」

リップ「俺は、男でも女でも関係なく、触りたいと思ったら、触るよ。チークとかネイルは触らせてくれるよ。ファンデーションとアイシャドウは、触ろうとすると怒るけどね」

葉月「(心の声)チーク君とネイル君は、ふわふわしているから、触らせてくれるだろうけど、ファンデーションさんやアイシャドウさんは、確かに嫌がりそう」

リップ「だから、葉月ちゃんも触らせてよ」

葉月「お断りします」

リップ「断られちゃった」

葉月「当たり前です」

リップ「俺の役割は、唇にツヤや発色を与えて、顔色を明るくすることなんだよね。葉月ちゃんもリップをするとしないとじゃだいぶ変わるよね」

葉月「だいぶ、変わるって」

リップ「有ると無いとで、変わるのは事実でしょ」

リップは、自信満々に言った

葉月「すごい、自信満々ですね」

リップ「俺は、いつもこんな感じだよ」

葉月「へぇ~」

リップ「へぇ~って。葉月ちゃんは、俺に興味が無いの。冷たいなぁ~」

葉月「冷たいわけではないですよ」

葉月「(心の声)この人、掴めない人だな」

リップ「俺が、葉月ちゃんの前に現れたのは、疲れている葉月ちゃんを元気にしたかったからなんだ。俺といることで、元気になってくれたら、それにこしたことはないよ」

葉月は、考えた

葉月「(心の声)この人は、へらへらしているように見えるけど、ちゃんと考えて言動しているのかもしれないな」

葉月「そうだったんですね。知らなかったです。冷たい態度とってしまって、ごめんなさい」

リップ「俺は、気にしてないから大丈夫だよ」

葉月「そうですか。なら、良かったです」

リップ「葉月ちゃんに、約束してほしいだ」

葉月「約束?」

リップ「きちんと、息抜きしてください。そして、リップをすることによって、元気になってください。それが、俺の1番のお願いです」

葉月「分かった。約束するよ」

リップ「良かった」

リップのことが、最初は苦手だったが、話をしていく内に彼の人となりが分かってきた

彼は、人に元気を与えてくれる存在だ

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