第3話 チークの場合

チークは、擬人化した化粧品の中では、最年少であり、ふわふわしていて、人との距離が近い男の子である

チーク「お姉さんは、いつも疲れているみたいだけど、大丈夫?」

葉月「大丈夫だよ」

チーク「なら、良かった」

葉月は、思った

葉月「(心の声)この子は、なんていうか、癒し系なのかな?」

チーク「僕は、いつもふわふわしているって言われるんでけど。お姉さんはどう思う?」

葉月「まだ、会ったことばかりで分からないけど、そうなんじゃないのかな?」

チーク「そうなんだ。お姉さんが、言うのならばそうかもしれないね」

葉月「…」

チーク「お姉さんは、チークの役割についてどういう風に思っているの?」

葉月は、また思った

葉月「(心の声)この子、可愛いなぁ~」

葉月「私は、チークは、肌の発色を良くしてくれる物だと思ってるよ」

チーク「そうだよね。僕がいるといないとで、変わってくるよね」

葉月「そうだね。毎日、ありがとう」

チーク「どういたしまして」

チークは少し照れた

チーク「僕は、お姉さんが、お肌のお手入れに最近手を抜いてしまっていることに、怒ってはいないんだ。ファンデーションは、怒っているみたいだけど。お姉さんは、毎日忙しく働いていて、家に帰ってきたら、家事をやらなくちゃいけない。毎日、疲れてしまうのはしょうがないことなんだから。だから、たまには休息したらいいんじゃないかな?」

葉月「休息?」

チーク「そう。お姉さんって、頑張り屋さんだから、平日も休日も関係なく、動いているよね?休みの日ぐらい、ゆっくりしても良いと思うよ。休日って、そういうものでしょ」

葉月「そうかも。あれもやらなくちゃいけない、これもやらなくちゃいけないと思ってしまって、いつのまにか心にゆとりが無くなってしまっていたのかもしれない」

チーク「これからは、ONとOFFをきちんと切り替えられるようになれるといいよね。そうすれば、チークの塗りもきっと変わってくると思うよ」

葉月「そうだね。チーク君、ありがとう」

チーク「お姉さん、何回もお礼言うんだね」

チークは、笑った

チークは、ふわふわしている男の子に見えるけど、話すと葉月に素直に意見が言えるしっかりとした男の子だ

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