第23話 邪神教徒は滅びるべきだと思います!
「ここのはずなんだけど……」
「……見た感じ何もないですね……」
俺たちの目には普通の森にしか見えない。
あれぇ? 俺道間違えましたかぁ?
最近疲れる事が多すぎて老化進んだ?
流石に18歳で爺さんにはなりたくないなぁ。
俺はもしものために用意していた地図を開いて確認する。
うーん……何度確認しても此処なんだけどなぁ……。
「どうですか? 道を間違えたんでしょうか?」
「いや……そんなことはないはずなんだけど……地図には此処って書いてあるし……」
俺とシンシア様は2人揃って首を傾げる。
その姿を見た30代くらいの男———名前はバランと言うらしい———が俺たちに尋ねてきた。
「取り敢えず何も無さそうですが、入ってみてはどうでしょうか……?」
「そう……ですね。レオンさん、入ってみましょう」
「お、おう、皆入るなら俺も勿論着いていくが……」
ただ何か不思議な感じなんだよなぁ……この森。
こう……ゾワゾワすると言うか……危険が危ないと言うか……。
あっ、危険が危ないっておかしいな。
俺がそんなことを考えていると、いつの間にか皆森の中に入って行っていた。
「ちょ、待ってくれよ! 俺を置いて行かない———ぐべっ!?」
俺がみんなを追いかけようとしたら、突然何かにぶつかった。
な、何なんだよ……これ。
皆何で入れたの? 俺だけ侵入禁止ってか?
酷くないですかね?
こうなったら無理やり入ってやるぞ!
「はぁ……本当は使いたくないけどしょうがない……。また激痛には何とかして耐えるとするか。——『白』、少し力を貸してくれ」
『———いいでしょう。私も最近使われなくてウズウズしていた所です』
俺の中にいる2柱の内の片方が俺の声に反応する。
相変わらずの戦闘狂なこった。
まぁそれが当たり前な
「それじゃあ一瞬だけよろしくお願いしますよ。—————」
俺が言葉を紡ぐと同時に一瞬だけ白い魔力が溢れ出す。
そしてその魔力はあっという間に森全体を包む。
「【演算】———【破壊】」
その瞬間に『パリンッ』と言う音と共に俺を拒んでいた透明の壁が割れ、通れる様になった。
何度見ても凄すぎるよなこの能力。
こりゃ人間が勝てないわけだわ。
「よし、それじゃあ追いかけるとしますか」
待ってて皆!
今からすぐに俺が行くからね!
決して1人で行くのが嫌だとかじゃ無いからね!
俺は1人言い訳をしながら森の中へと入った。
<><><>
(三人称)
場は変わってシンシアと騎士団達は既に森の中心部へとやって来ていた。
「…………此処が例の所ですかね……」
「……多分そうでしょうね」
シンシアが呟いた言葉にバランが肯定する。
目の前には如何にも不気味な廃虚と化している教会が建っており、そこから不吉な魔力が溢れ出ている。
その証拠にシンシアとバラン以外の騎士は魔力の圧力で顔が青くなっていたり、酷い人は戻りたりしていた。
「……シンシア様、どうか部下達を先に帰していただけませんでしょうか? もし来たとしても死んでしまうかもしれません! 上司としてそれは見過ごすことはできません!」
バランはそう言ってシンシアに深く頭を下げる。
シンシアはそんなバランと騎士達を見てある判断を下す。
「……今すぐバランさん以外は引き返してください。これからは2人で調査しますので。その代わり、私の騎士団の誰かを寄越してください」
「シンシア様、ありがとうございます! ———お前達、今すぐ引き返して一騎当千の誰かに伝えるのだ!」
「「「「「「「はっ!!」」」」」」」
騎士団達はそう言うと、一糸乱れぬ隊列で去って行った。
それを見届けたシンシアは、
「それではいきましょうか。出来れば今日で潰したいですね」
「…………そうですね」
バランの違和感に気付くことなく廃教会へと入って行った。
「——あと少しで我らが神の復活だ……! その生贄になって貰うぞ。シンシア・フォン・ヘルト……ッッ!!」
今シンシアの元に魔の手が伸びようとしていた。
<><><>
その頃レオンハルトは森の中腹で交戦していた。
レオンハルトの後ろには先程帰らされた騎士団達が負傷者の手当てをしている。
「チッ、一体どう言うことだよ。俺はあれだけ戦いたくないって言ってるのに」
レオンハルトは襲い掛かってくるS rankモンスターであるキングウルフを蹴り飛ばす。
「キャンッッ!?」
「やっぱり狼って犬だよな。見た目に反して可愛い鳴き声出しやがって」
レオンハルトそう言った直後に高速でキングウルフに近づくと、魔力を纏った腕を一振り。
その瞬間にキングウルフの頭が胴体から切断され、一瞬の内にキングウルフは絶命してしまった。
それを確認したレオンハルトは騎士団を空間魔法の【転移】で森の外に移動させる。
それが終わると森の奥を鋭く睨むレオンハルト。
「こんな所にS rankのモンスター何ていないはずなんだけどな。前回のドラゴンもそうだが、こりゃあきな臭くなって来やがった。ほんと、内の領に余計なもの作りやがって……何て面倒な……絶対に滅ぼしてやるぞ———例えそれが神だとしても」
その瞬間にレオンハルトの姿が消えた。
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