第134話100階層
激痛のあまりに目覚めた!
なんでこんな所に立っているんだ。
我が家で寝てたはずだぞ!!
それに脳内を駆け巡る声は、なんなのだ!
女の甲高い声や機械的な声が鳴り響いて、もう狂いそうだぞ。
そして俺の手は、驚きの事に赤く輝くキューブを掴んだままだ。
あ!この空間は、見覚えがあるぞ。
確か初めての人生で無双して、地下ダンジョン100階へ下りた決戦の場と同じだ。
すると、俺が掴んでいるのは、ダンジョンコアか・・・
それにしても、どうして手が放れない。
もう誰かに体を支配されているようだぞ。
段々と鮮明になる意識は、ここが間違いなく地下100階だと言ってる。
アルなら何か知っているに違いない。
「アル!これはどうなっているのだ!」
なぜ・・返事をしない。
「アル!聞こえないないのか・・・」
それにしても、俺の後も騒がしい。
手は放せないが体の向きをかえながら、どうにか後ろ見た。
あ!魔物と人間が戦ってるぞ。
あの魔物はなんだ。見た事もないグロテスクな魔物でおぞましい。
それに、あれは蝿の王ベルゼブブに似てるぞ。
口から蝿を撒き散らしている。
あれ!あの人間は見覚えがあるぞ。
神殺しのシュプレのメンバーでドイツ人のエミールではないか・・・
炎を自在に操って蝿を殺しまくっている。
なんと強力な炎だ!
又も脳内に悲鳴が鳴り続ける。
それに同じくして激痛が体の中を走りまわる。耐え難い激痛だ。
あ!キューブの色が青白い色に変わった。
『ようやく終わった。あまりにも長かった』
「アルなのか・・・これは・・・説明してくれ」
『あなたがイサムなのね・・・協力してくれてありがとう』
これは、アルの声ではないぞ。
「あなたは、誰だ!」
『わたしは、アルと同じの管理者ナディア。
『イサムよ、落ち着いて我の説明をよく聞くのだ。ルーン100番は、管理対象を殺す瞬間の恐怖心をいたく快感として受取ったようだ。その快感を満足させる為に次々に殺し尽くした。殺す対象が無くなると新たな獲物を模索した。それを阻止する為に管理者ナディアは、残った力で異世界へ飛んだ。それが地球だ。我は
「その計画の道具が俺と神下だと言うのか・・・」
『すまない』
『わたしからもあやまろう・・・すまない。しかし、もう時間がない。コアの破壊かコアの存続か1つを選びなさい』
「え!もう危険がなくなったのでは・・・それに、選ぶなんて」
『違うのだ。もう我らにはコアを支配する力が残っていない。100番が消滅した瞬間に決められたルールがよみがえった。もう停止する事が不可能に・・・破壊はダンジョンの消滅を意味する。存続は100年の存続を意味する。さあ選べ』
「存続なら魔物が又も地上に暴れだすのか、それが知りたい」
『あれは、100番の遊びだ。だから2度とないだろう』
俺は、ちょっと迷ったが存続を選ぶ事にした。だって今は、魔石に依存してる状態だから・・・
『イサムの判断が正しい事を』
『ごめんなさい・・・アルは停止したわ・・・今度はわたしの番・・・存続が正しい事だと願う』
ようやくコアから手が放れたぞ。
「イサム!いつの間にここに来たのだ」
肩を掴まれて向き合ったのは、神下さんだ。
その神下さんに今までの事を話した。
「多分、繋がっているだろう」
地上に戻った俺らは、世間を騒がした。
それも1週間で何でもなかったように、世界ダンジョンコア運営委員会が設立。
人類は100年の
異世界へ行って帰って来た @katuniro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます