第128話エンコ採用




あ~あ、約束した日だったので地上に帰った。

神須ギルド支部で待ってるとドアを開けて親父の会社人達が入ってきた。


「あ、神須さん、遅れてすいません」


「何かありましたか・・・」


「ええ、ここに来る道の入口での手続きが思っていたほどに手間取ってしまい、1時間ま待つ羽目に」


「そうでしたか・・・色々ありましたから・・・」


ちょうど牧田のおばさんが入ってきた。


「魔石の受渡しでよかったの・・・」


「はい、お願いします」そう言ってギルド取引きのカードを差出す。


端末機で「ピッ」と読ませて返却。


「それでは始めましょうか・・・」


俺は、用意していたバッグをテーブルの上に置いた。

牧田のおばさんが受取るとテーブルに用意されていた機器に魔石を読み取らせる。


「あら!見た事がない魔石だね・・・この魔石は預からせてもらうね。そっちに手渡すには数日かかるかも」


「それでかまいません」


そんな時だ。ドアがあわてて開けられたのは・・・


「支部長!大変です。例のモンスタークレーマーが来ていて私では対処できません」


「仕方ないねーー、かわりにあなたが魔石の取引き確認をやってね」


「わかりました」


そして数えられた魔石を確認して、タブレットに指の指紋を読み取られて終わりだ。


「これで失礼します。社長に言伝があれば伝えますが」


「特にないからいいよ」


「プライベートな内容で申し訳ありませんが、社長は心配されてます。暇な時間でも連絡された方が・・・」


「わかったよ。君まで心配させたようだね」



そんなこんなで部屋を出ると牧田のおばさんが1人の男性をさとしてる最中だ。


「わかってくれますか、おばさん」


「わかるよ・・・だから今日は、大人しく帰りなさい」


「はい、帰ります」


なんだか晴れれした顔で帰る男を見てた。


「あの人がモンスタークレーマーですよ。私には手に負いません」


あれ!どこかでみたような・・・


「おばさん、もしかして神社裏の道雄みちお兄ちゃん・・・」


「ああ、そうだよ。最近帰ってきたんだよ」


俺は、急いで道雄兄ちゃんを追い駆ける。


「あれ!どこへ行った」




とりあえず昔の家にいってみた。


「すいません・・・誰かいませんか」


「誰だ!」


ドアが開いた。そこには、くたびれたおっさんが・・・面影はあった。


「道雄兄ちゃん、俺!イサムだよ」


「あのイサムか・・・大きくなったな」


久しぶりに会った道雄兄ちゃんと話に花が咲いた。

歳は離れていたが仲が良かった。


都会に出て頑張って働いたらしい。その会社のリストラで辞める羽目になったらしい。

なので俺の会社に入らないかと誘った。


「エンコ採用か・・・こんな俺でもいいのか・・・」


「ああ、俺と兄ちゃんの仲だぜ。ドシドシと働かせて稼いでもらうよ」


俺は名刺を手渡して人事部長に明日にでも会うようすすめた。

そして、その場で人事部長に連絡して話した。

道雄兄ちゃんにも電話を代わって話させた。

今は、前の会社で何をやってたか話している。




ちょっと離れて「これでいいのか」


『ああ、あの人物を雇う事は、将来の為に必要だ』


アルにも考えがあるのだろう。

理由を聞いても話してくれない。どんな理由だろう・・・



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