第126話バード




67階に足を踏み入れた俺は、不思議な音色ねいろを聞いた。

その音色にみちびかれるように迷路を歩く。


複雑な迷路も迷いなく歩き続けた。


通路の先には、空が広がってるぞ。

え!ダンジョンから出たのか・・・「あ!違う」

空に舞う炎に包まれる鳥を見たからだ。あんなに燃えて死なないのかと思う程に燃えてるぞ。

その優雅に飛ぶ姿を、何故か見続ける。

あ!鑑定をしなくっちゃーー。


【ファイアバード】


炎を操る巨大鳥


そのままの名前なんだ・・・

あ!違う鳥もいるぞ。


【サンダーバード】


雷を操る巨大鳥


放電する姿は、ヤバイ感じだぞ。



え!あれって水の鳥か・・・

水が反射してキラキラと光るのは・・・ウォーターバード。


そんなウォーターバードが俺を見つけて、水球を出現させて何度も放ってきたぞ。

通路奥へ緊急避難だ。



「バン、バン、バン、バン!」と大きく響き、一挙に水が押し寄せる。

急いで結界を張って濡れるのを阻止。

なんて水量だ。出口付近はボロボロに壊されてるぞ。


恐る恐る隠れながらのぞくと旋回しながらこっちを見てるぞ。

隠れたまま両手で雷球を発生させながら圧縮あっしゅくさせて、ピンポン球まで小さくして追尾機能を付ける。

追尾する相手はウォーターバードだ。


そして放った。

一直線に飛んで逃げようとするウォーターバードに命中。

激しく痙攣しながら落下するウォーターバード。


地面に落ちた瞬間に水みたいに弾けた。



あああ、他の鳥にばれてしまったぞ。


ファイアバードが放つ火球に、水球を放つ。

一瞬で水蒸気爆発が起きる。霧に包まれたように視界は0だ。


ファイアバードをイメージしたまま水球を放つ。

上空で当たった音が・・・

霧のスキ間から・・・きりもみ状態でファイアバードが落下。

地面には炎が消えたファイアバードが羽ばたく事もなく死んでいた。




あ!体が・・・ビリビリとしびれる。

サンダーバードが雷球を通路に当てやがった。

通路がアースみたいに雷を流したおかげで感電死を回避できたのか・・・。


ならば巨大な岩石を作り出すぞ。


空中に浮かぶ岩に次々と雷球が当たり、こっちまで感電だ。

その衝撃は凄まじい。それでも俺は耐え続ける。

何回も電流が繰り返すように流れる。

え!これって電気風呂のように慣れだしたぞ。


【雷耐性習得】と表示が・・・


あ!岩をよけて小さな雷球が俺に命中。

一瞬、真っ白になった。

片ひざをついて「ハア、ハア、ハア」と呼吸を荒げてしまう。

一瞬、心臓が止まった感じがしたぞ。【雷耐性習得】がなければ死んでた。



ようやくできた巨石を力一杯放つ。

空高く飛ぶサンダーバードに命中。サンダーバードの胴体を貫いて終わりだ。

サンダーバードが落ちた後に、巨石も「ドガン」と落ちた。



俺は魔石を回収。


【雷石】


雷がこもった魔石


【火石】


火がこもった魔石


【水石】


水がこもった魔石


雷石は、今までの魔石を凌駕りょうがする程の電力量だと、なぜか感じる。



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