第123話アブ
ダンジョンの64階へ足を踏み入れた途端に「ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン」と音がする。
これはヤバイ音だと直感。何が来たかと集中して見る。
大量のアブが襲ってきやがった。
急いで頑丈な結界を張ったのに、その結界をいとも
こんな事があっていいのか・・・壊された瞬間、俺も驚くほどだ。
急いでアブを燃やすべく炎を操る。これでもか・・・まだ襲ってくるのか・・・
なんとか燃やし尽くしたようだぞ。
キラキラと小さな魔石が光ってた。アブだけに魔石は小さい。
それにしてもあのアブは、ヤバイぞ。ハエそっくりのアブは・・・
だって血を吸うアブだった。
どこかの書き込みで見た事があったぞ。アブに大量に襲われて人が死んでしまった話を・・・
恐らくおびただしい数のアブに襲われたのだろう。
そんな事を思っただけでゾッとするぞ。
あれ!なんか頭が痛い・・・
これって一酸化炭素中毒の症状ではなかったか・・・
通路で炎を燃やし過ぎたのが悪かった。
そんな中で
じいさんの家で同じ症状になって倒れた事があった。
あれは冬だった。七輪で練炭を燃やして暖をとってた。
じいさんは時々窓を開けて「新鮮な空気を入れるんだよ」と言ってた。
そんな事をしたら寒いと子供心に思ってた。
そして頭痛がして倒れた。
何がなんだか分からないまま救急車に運ばれたのは初めての経験だった。
どうにか風魔法を使って拡散させる・・・ちょっとはマシになったか・・・
『なんだ困ってるようだな助けてやろう』
あ!アルだ。
頭上に魔法陣が現れたと思ったら新鮮な空気が「はあはあはあ」必死に空気を吸ってしまった。
空気の大切さを実感する。
「これは、なんだ」
『空気の層だ。減った酸素を自動的に補給するから心配するな』
「それって大丈夫なのか・・・酸素の吸い過ぎも体に悪いって知ってるのか・・・下手すると死ぬぞ」
『我を誰だと思ってる。見損なうな。空気の割合は、窒素78.084、酸素20.9476、アルゴン0.93、二酸化炭素0.0314ともろもろだ』
「分かった。信用するよ」
これで安心して炎で燃やせるぞ。
何度も何度もアブの大群が襲ってきたが、全て炎で燃やし尽くしてやったぞ。
ざま~みろだ。
とうとう広い空間にでたぞ。
どれ程の大群が来るのだと待構える。
なんでだ・・・やって来たのは黄金アブだ。
しかも1センチと小さい。
黄金だからレアな魔物のはずなのに・・・小さいとは・・・それも1匹だ。
凄い勢いで飛んで来たぞ。
結界も呆気なく壊れた。俺は右横にかわした。
左肩に激痛が走る。かわしたと思ったのに・・・なぜだ。
左肩を見ると再生が始まるが腐食と責め合って回復の見込みがない。
更に右太ももにも貫通跡が・・・光魔法を発動して治す。
火球に追尾機能を付けて放つ。
無数の火球がアブ1匹にもてあそばれているぞ。アブのスピードに追いつけない。
『まだまだだな。死なれては困るからスピードアップを教えてやろう』
脳内に入る情報でようやく理解したぞ。
新たに火球を発動して放つ。その瞬間に広い空間の空中で大爆発が起きた。
俺も吹き飛ばされる。壁に背中を打ちつけられて、ようやく止まった。
【魔法スピードアップ習得】と表示された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます