第122話帰還
銀河号の船内は、誰もがホットっとした気分でなごんでいる。
戦い過ぎて心が折れそうになった日が今では懐かしい。そんな雰囲気だ。
そんな船内のモニターには、オーストラリア政府が開催した怪物討伐完了式典が行なわれていた。
「国民の皆さん、怪物による災害は終わりました。しかし、我が国は国家はじめての最大の被害で悲しみにふける訳にはいきません。どうか国民の皆さん・・・国を助けて下さい」
そして、討伐で活躍した国の代表が呼ばれている。
「お!あの高官が呼ばれてるぞ。現場で指揮をとったが誰でも出来る仕事だぞ。戦った俺らから誰か出せばいいのに・・・」
高官は、真新しく仕立てられたスーツを着てどうどうと歩く姿はかっこ良い。
壇上にあがってスピーチを始める。
「俺の相棒は、怪我をして死ぬ思いをしたんだぞ」
「おい、おい、酒の飲み過ぎだぞ・・・日本に帰ったら結婚するのに、そんなに怒ってどうする」
「愚痴の1つでも言いたくなるよ」
「わからないでもないが・・・」
「それより大変な事を聞いたぞ。なんでもオーストラリアは、日本に対して借金をする事になったらしいぞ。支払いは豪ドルらしいが」
「なんだ・・・その話は・・・金額はどれくらいか分からないのか・・・それに今のレートはどれくらいだ」
「オーストラリアは経済
「今回の遠征は無償に近いはずだが・・・」
「オーストラリアは、今までダンジョンの発生がなかった国で有名だったのは知ってるよな」
「ああ、知ってるぜ。だから今回の事も驚きで対処も出来なかった・・・」
「だから日本にダンジョン用武器や防具を大量に購入するらしいぞ。それに日本へ覚醒者育成の候補者を大量に送り込むようだな」
「そんな話までなってるのか・・・だから借金なのか・・・」
日本では、KAMISU社製の循環システムを使った超スーパ銭湯がブームになっていた。
覚醒者なら10歳まで若返る効果だが、一般人でも2歳は若返る効果が立証されて何処も彼処も循環システムを導入。
海外のセレブも若返りを期待してやって来る程だ。
そうなるとセレブを狙った滞在型のスパ専用のホテルまで建つ。
部屋には、KAMISU社製の循環システムを導入した個室露天風呂や内風呂まで完備。
ホテル施設には、巨大露天風呂やプールまである。
それだけではない。フィットネスクラブやマッサージサロンもあって、食事も薬膳メニューまである。
久し振りに帰って来た我が家。
なんだか癒されるな~。
テーブルを指先で触ってみた・・・やっぱり部屋中がホコリぽいぞ。
何週間も空けてたからな~これはホコリをイメージして亜空間に回収だ。
イメージするだけで回収できるのは、ありがたい。
確認すると無駄に多いホコリのかたまりは、外で火魔法で燃やし尽くす。
パラパラと燃えカスになるホコリ・・・
そして、納屋に向かう。
俺が特注した循環システムが納品されてた。これを亜空間に収納。
それから俺が買った山を登りながら俺だけの道を作りながら進む。
登った先には青い空が広がり神須村が見えるぞ。
そんな場所に亜空間から露天風呂に使う岩を出す。
この岩はゴツゴツしてダメだな・・・あ、この岩がいいぞ。
これはここに置いて、ちょっとカットして上に載せる。
中々いいな。露天風呂の底も平らな岩をギュギュギュッと押し込む。
給水口と排水口も同時に作る。
最後の仕上げに全体に土魔法を発動。岩と岩がくっ付き水漏れをなくす。
そして伐採した木を急速乾燥させて丸太小屋を建てる。
その丸太小屋を休息部屋と循環システム部屋に分ける。
後は循環システムに配管をつなげれば完成。
水は水魔法でドシャーとだす。魔石をはめ込んで循環システムのスイッチをオン。
おお、循環してるぞ。そしてどんどん温度が上がってゆく。
設定温度は、37℃。
体温よりも少し低い「低温浴」が楽しめる温度だ。
副交感神経の働きを高め、神経や筋肉の緊張をときほぐす働きがあるって聞いた事がある。
もう1つの風呂は、40℃に設定。
これで交互に入れば効果抜群らしい。
だからぬるめの湯に入った。
「これはいい。何時間でも入れそうだぞ」
俺がまったりしていると「師匠!」と言う声が・・・
水着姿のハルとミちゃん、サヤ、シズの4人がいきなり入ってきた。
サヤ「業者が循環システムを運んでたの知ってたので、黙って付いて来てごめんなさい」
ミちゃん「そうですよ・・・若返りの湯を1人で入るなんて・・・ずるいです」
ハル、お前は何処を見てるんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます