第119話新たな怪物




オーストラリアの首都キャンベラが、無数の鳥の怪物によって襲撃を受けた。

国会議事堂も例外なく襲われて議員の多くに死傷者をだす結果に・・・


奇跡的に助けられたのは数人で多くは治療もされないまま放置されて死にたえた。

それ程に混乱した出来事だった。

助けられた数名は、数人の護衛官と一緒にキャンベラを脱出。

向かった先はシドニー。




オーストラリアのシドニーの会議室に、足にギブスや頭に包帯を巻いた数人が怒鳴どなりながら入ってきた。

緊迫した雰囲気に会議室の全員が静まり返る。


「誰の許可を得て暫定政府を立ち上げたのかね」


キャンベラから逃げた議員数名が怪物対策本部に押し掛けた。

シドニーで暫定政府を立ち上げて運営していた暫定政府はおもしろくない。

1週間も連絡が取れないまま急に現れていちゃもん言ってきたからだ。


暫定政府立ち上げたトールマンは立ち上がって「わたしも議員だ!その資格はあると思うが・・・それに連絡がなかった。連絡しないそっちが悪いのだ!」


そんな緊張した場で国防大臣も立ち上がり「そんな権力争いをしてる時間が無いのが分からんのか! 国民はおびえながら暮らしているのだぞ」


仕方なく議員の席が用意されて議員も座るが内心は不満だらけだ。


「それでは、話を戻します。西オーストラリア州は、完全に怪物達によって支配されたようです。2日前にEU部隊が上陸しましたが1日の攻防で撤退。その後の連絡はありません。アメリカとカナダの連合軍は、クイーンズランド州を防衛しつつノーザンテリトリーへ再度進行、ノーザンテリトリーの一部を占拠したもようです」


「するとなにかね・・・日本のみが南オーストラリア州を開放しただけなのかね」


「今までの成果では、そうなります」


「それで日本からの新たな情報があったのか?」


「この動画を見て下さい」


巨大モニター映し出されたのは、巨大なサメだった。

そのサメの背中には4つの翼が生えていて、空をテリトリーのように暴れ狂っていた。


そんなサメに空飛ぶ人間が向かっている。

手には刀のような物を持っている。その人間とサメが凄いスピードですれ違う。

サメの大きく開けた口から尾までが斬られて、真っ逆さまにサメは落ちた。


新たなサメが人間を後方から襲いかかる。しかし地上からの炎の矢がサメに向かってきた。

サメも察知したのか逃げる。逃げたサメに合わせるように炎の矢も軌道修正して腹を打ち抜いている。

サメも何故当たったと思ったかもしれない。


「あれは・・・サメなのか・・・」


「新たな新種のようです。今までは、同種の混合でしたが・・・今度は異種の混合種と考えています。それによってパワーアップも考慮する必要が・・・」


「鳥の怪物にてこずっているのに・・・あんな怪物を相手にするのか・・・なんでだ」


「今、日本政府に魔法弓の注文をしてます。なんでも最新の魔法弓には、追尾機能がついているのでゲパルト自走対空砲の数倍の効果が実証されてます」


「それは本当か・・・ありったけ買取れ」


「それだけではありません。今のオーストラリアは食料危機が心配です。大半の土地が奪われて逃げて来た人達であふれてます。日本政府の好意でKAMISU社が開発した宇宙輸送船で食料調達してます。しかし、今後どうなるか分かりません」


「海からの輸送は出来ないのか・・・」


「今見たように・・・サメの怪物が海を支配しているようで船の被害も多く出ています」


「サメが・・・どうにかならんか・・・そうだ、日本政府に頼もう」



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