第111話高層ビル火災




1月19日午前7時33分に港区の89階まで建設途中の超高層ビルの56階から出火。


駆けつけた消防車は、なす術がなかった。はしご車が15階までしか届かない。

通報者の話だと爆発音を聞いたらしい。


なのでパトカーや警察関係の車両も来ている。


「野次馬達をもっと下がらせろ!」


「隊長、現場監督に連絡が取れました」


「スプリンクラーは、やはり設置してないのか・・・」


「現場監督の話だと30階までしか設置できてないと言ってます。海上保安庁が所有している救護艇に頼むのは・・・」


「やむを得ないな・・・連絡してみるか・・・」





8時40分に連絡を受けた海上保安庁は、出動を許可。

第三管区海上保安本部に連絡が来たのは、8時50分に出動命令を下した。


「急げ!東京港区へ緊急出動だ!高層ビルが燃えてるらしいぞ」


「それは大変だ」


「ナビに登録完了!いつでも飛べます」


「高度1万8000メートルで出航しろ!」


海面から浮上する救護艇ゆうつき。



9時20分には、現地に到着。


「こりゃ~ひどいな・・・」


「探索ビームでは、1階から89階まで人はいません」


「放水はじめろ!」


放水口から一気に放水がはじまる。


「ビルから落下する物は全て回収しろ」


「了解しました」


重力けん引ビームが発射されて、落ちかけの鉄筋が回収。


「なんだと・・・爆発の証拠を集めてくれだと・・・そんな余裕なんかあるか!」


「このまま放置すれば、次は犠牲者がでるかもしれまさん・・・我らに行かせて下さい」


「・・・・・・炎に注意して探してこい。危ないと思ったら引き返せ」


「分かってます」


コントローラを使って浮かび上がる隊員達。その数6人。

防護メットと防火服を着込んで背中には、酸素ボンベを背負っての行動。

消火された窓から、そのままビルに突入。浮いたまま移動を続ける。


モニターにもその画像が送られる。


「タキ、5メートル先で右だ」


「OK」


「爆破部品を発見したぞ!こののまま回収しても良いのか?」


「もうこのビルは崩壊するだろう。証拠の紛失は避けたい回収してくれ」


「了解」


時間がないので無造作にケースの中へ・・・


「全員退避だ!」


全員がビル外に退避した瞬間に、ビルが56階からポキリッと落下。

それを阻止したのは、重力けん引ビーム。

工事現場へゆっくりと下ろす。



見ていた群集から拍手が沸いた。


そのニュースは生配信されてトップニュースとなった。





もう東京消防庁からKAMISU社へ消防重力機の製造依頼が舞い込んだぞ。


全長:約7,500mm

全幅:約2,330mm

全高:約3,050mm

車両総重量:約13,000kg(乗員6名)

放水口は2つで、1つは通常の水を放水。

もう1つは、石油タンクなどの火災に対応するために、2,000リットルの消火剤で最大毎分1200リットルもの泡放射が可能。

3名の重力浮遊ベルトも完備。


「社長、消防重力機の値段は、小型化と量産化する事でコストダウンが出来たので原価率と利益率から考えて2億5千万円が妥当な値段だと思いますが・・・」


「田中研究員は、誰かに相談したのか・・・」


「西村専務と相談しました」


「そうか・・・国土交通省はなんて言っている・・・」


「しぶしぶですが消防重力機を承認しましたよ」


「人命救助だからな承認も早いな・・・」


「それだけではありませんよ。もっと大量に買うべきだとニュースにもなってます」




ちなみに高層ビル爆破犯の逮捕の見出しもニュースになっていた。


麻布警察署に10時に爆破予告の手紙があった事が確認。

犯人逮捕の決め手は、起爆装置の1つの指紋で起爆装置の誤動作で早く爆発が発生した事も確認された。

32歳の男は逮捕された時に「あんなに早く爆発するなんて、写真も撮れなかった」と証言。

動機ついては拒否してるもよう。



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