第110話KAMISU社




俺が立ち上げた会社【KAMISU社】。

100%の持ち株でスタート。


航空運送事業立ち上げに向けて国土交通省へ役員が毎日行って、事業を立ち上げる事に成功。

日本ギルドの助けも借りた結果だ。

水上運送と航空運送の合体的な事業で、他では類を見ない事業形態だから仕方ない。


船の操縦方法も自動運転。人はただ見てるだけで良い。

それなのに・・・当面は飛行パイロットと船長の2人を雇っての運行になってしまったよ。

お役所の頭の固さには困ったものだ。



国内飛行ルートはまだまだ日数が掛かりそうで、国際線がスタート。

アメリカ飛行ルートが1番に決まった。

日本からロサンゼルスまで4時間の飛行時間で710名を乗せて到着。

イギリスが2番目だ。

イギリスも4時間の飛行時間で710名を乗せて到着。


大気圏を突破して宇宙を高速で飛んで、目的地で再度大気圏に突入。

他の飛行機を無視した飛行ルートで飛行困難な国も無視できるのが特徴。

どんな大雪でも、どんなに暴風が吹いていても飛行が可能。

宇宙旅行が楽しめてお得な飛行ルートだ。

それでも航空運賃並みの運賃。開業して1ヶ月待ちの予約で一杯だよ。






そんな会社に依頼が舞い込んだ。


「それで、どのようなご用件でわが社に・・・海上保安庁が来られたのですか?」


「救助用重力飛行艇を作ってもらいたくて来ました。ご存知のように暴風時はヘリでの救助は困難な状況です。しかし、そんな暴風にこそ出動案件が多発するのが現状です。風に左右されない乗り物が必要なのです」


「分かりました。ご期待にそえるよう頑張ってみます」


海上保安庁の要望する書類をもらって取り掛かる事になった。





「田中研究員、台風を想定して考えよう」


「それでしたら以下の情報があります」


台風の強さの階級分け

階級    最大風速(m/s=メートル毎秒:1秒間の距離)


強い    33m/s(64ノット)以上〜44m/s(85ノット)未満

非常に強い 44m/s(85ノット)以上〜54m/s(105ノット)未満

猛烈な   44m/s(85ノット)以上〜54m/s(105ノット)未満


台風の大きさの階級分け

大型台風  500km以上〜800km未満

超大型台風 800km以上



「中々な暴風だな・・・猛烈な風に対応する事が可能だと思うか?」


「可能性はあります」





巨大なドーム状の実験場。


「救助艇、上空5メートルに飛んで下さい」


試作救助艇がゆっくりと浮上。上空5メートルでピタリと止まった。


「社長、猛列な風をお願いします」


「本当に大丈夫か・・・強い風から始めた方がいいんじゃないのか・・・」


「社長!信じて下さい」


仕方ない・・・両手を突き出して風魔法を発動。

荒れ狂う風が発生。試作救助艇はビクともしない。


「救助艇、第2テストを行なって下さい」


ドーム状の中央に固定された観光船。乗船定員:120人の船だ。

その真上に到着すると船底から重力ビームを発射。


「観光船の固定解除!」


救助艇が浮かぶと観光船も同じように浮かびだした。

暴風の中も平気で動く救助艇。




別室でモニターを見ていた海上保安庁の面々も驚きが隠せない。


「あんな事までやれるのか・・・」


「本当にとんでもない事を・・・どれだけの規模の船までを持ち上げる事が可能なのか・・・それが聞きたいです」


「後でゆっくり聞こう・・・」


「あ!人形の救助もビームを発射して船内に取り込んでますよ・・・」


「凄いな・・・今後の救助活動を根本的に考え直す必要があるな・・・」



その後9,245トンのフェリーを重力ビームで持ち上げられる事が確認された。


海上保安庁が救護艇の発表会の海上で、デモクレーションの場で大々的に披露ひろう

世界中が驚愕きょうがくしてトップニュースにもなった。


船の火災発生に対して、消火活動を行なう機能付き。

水魔法を使った放水機による放水。船の真上に雨を降らす魔法陣を発動する発動機。



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