第102話秘密基地
その部屋は、異様であった。
さまざまな人種が座り、さまざまな意見が飛び交っている。
虎男「黙れ!!これでは、折角のチャンスなのにまとまりもしないぞ」
イレズミ「そうは言っても、こっちも命がけだ。失敗したらどうする」
虎男「これ以上
背高女「わたし達の種族は賛成よ。それなのに獰猛と恐れられていたキングが・・・」
ヘビ男「仕方ないではないか・・・卵を人質に取られているのだ。もしもの時は、責任が取れるのか? それい後ろに居る奴は、大昔に居たアイアンゴーレムではないのか」
虎男「あれは、王妃様の使いで来たゴーレムで敵ではない。今でも王妃様はゴーレムを使って見てるぞ」
急にゴーレムか王妃の声が聞こえだした。
王妃「わたしは、ロシン帝国の王妃です。力を貸してくれるのなら約束は守ります。国の法律を変えてでも皆様の意見を聞く民主主義で国を栄えさせてみせます」
王妃は俺から聞いた民主主義の話をこんこんと続けた。
俺自身、王妃に話していて民主主義について改めて考えさせられたが、自分自身の正しい結論はでなかった。
それなのに王妃は、新しい宗教にかぶれたように持論でもって話すのだ。
え!この女、夫が死んだ時は、甘たるい女だったのに・・・子を持つ強い母親になったのか・・・
それによって賛同数が増ええ、ヘビ男も納得してしまったぞ。
土木ゴーレム100体が48時間かけて、秘密基地に取り組んだぞ。
1体がグググと穴を土魔法で掘って、もう1体が亜空間袋で残土の回収。
最後1体が落盤しないように固める役目。3体1組で掘り進む土木ゴーレム。
完成させた秘密基地は見事な物だ。
地下3階まであって、武器庫、訓練場、宿泊場、会議室、食堂まで完備。
もしもの時の抜け穴も5つもある。外から入れない脱出専用だ。
その場所はジュウ都市のスラム街で、足を一歩踏み入るだけで周りから視線をあびる場所だった。
そして幾つもの裏通りを進むと、一軒の酒場がある。
その酒場を裏手にまわった所には、酒場の裏口があった。
その入口には、見張りの男が3人も立って話し込んでいる。
「兄貴、ここなんですか」
「黙っていろ!誰が聞いてるか分からない・・・注意しろ」
「すいません兄貴・・・」
そんな会話をしていたのはヘビ族の面々。
ヘビ男のロレンテが右手に持った金貨を弾いた。くるくる回る金貨の落下地点いた男が受けとった。
男が金貨を食い入るように見る。金貨には蛇が描かれている。
男はそれをロレンテに弾き返した。
男は「なんの用だ」に対して、ロレンテは「
見張りは壁に向かって「バンバン」と叩く。すると隠しドアをゆっくりと開く。
「早く入ってくれ」
そこには階段があって、下りた先が地下基地。
「ここが開放軍の秘密基地だ」
「こんな所に秘密基地があるなんてビックリだぜ」
「奥には、武器庫もあるぞ。見に行くか」
「行に決まってるぜ」
「それもそうだな」
厳重なドアが開くと、剣や槍がずらりと並んでいる。
手に取った男は、「中々な槍だ・・・お!ルーン文字が・・・これなら勝てるぞ」
「おい、こっちには防具の鎧から盾まであるぞ」
「何人の武器や防具があるのですか」
「そうだな・・・1万はあるだろう。心配するな・・・我ら用の鎧も用意されている」
「それはありがたい」
「全員持ったか・・・」
「兄貴、持ったよ」
「俺も持ったぞ」
「早速、訓練場で試そう」
訓練場では、さまざまな人種が訓練を繰り返している。
ネコ族は機敏な立ち回りで攻撃をしては、その場から逃げる。
逃げられた方はたまった物ではない。反撃のチャンスがないのだ。
イレズミ男は、足が光った瞬間にとんでもない速度で動き出す。
振り上げた腕のイレズミが又も光って、バトルアックスが相手を襲う。
黒ネコ女は、素早く後退して難を逃れる。
バトルアックスは床に命中して、ピキピキとキレツが広がる。
「あんた、いい加減にしな!訓練場を破壊する積もりかい」
「すまん、すまん、つい本気になって悪かったよ」
「それにしても体にルーン文字を彫るなんてどうかしてるよ。発動時に痛みがともなうって本当かい」
「ああ、本当だ。これが我らの生き様だから・・・仕方ないのだ」
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