第100話ロシン帝国
男の葬儀が終わって母親と名乗る女から事情を聞いた。
「すると・・・この大陸にあった魔法国の子孫で、ロシン帝国の王妃だと言うのですか」
「そうです。ここの大陸の半分程の南大陸から必死に逃げて来ました。娘はロシン帝国を唯一継承できる皇帝で間違いありません。どうか助けて下さい」
スムーズに話せるのも言語通訳の機能だ。
それに鑑定も合わさって嘘はついてないようだぞ。
「そんな高貴な方が・・・なぜ海に漂っていたのですか?」
「わたしの父、アンデス将軍の企みです。海の怪獣に襲われてわたしを含めて死んだと報告してるでしょう」
「あなたの父親が何故・・・」
「父の悪行を皇帝に話したのが原因でしょう。父には改心して欲しかったのです。罪も重いものにはならないように皇帝にも了解を得ていたのに・・・1年の将軍剥奪で復帰も考えていました。それなのに父は・・・恐ろしい決断を下したようです」
この王妃も甘く育てられたようだな。
こんな結果になっているのに、自分は悪くないと弁護してるぞ。
父親にして見れば、娘に裏切られた気持ちだろう。
「ここでの安定した暮らしを約束しましょう。それでいいですね」
「魔法国の訪問を望んでいます。どうか連れて行って下さい」
「それなら爆発で消滅しましたよ。魔法国に何かあったか知りませんが諦めて下さい」
ここは、俺が原因だったと言わないでおこう。
「え!そんな嘘を言わないで!」
ああ、彼女は興奮してるぞ・・・あそこには何かがあるのか・・・
「俺が魔法国の存在を報告するために急いでる途中で、大爆発で何もかも無くなりました」
「兵器ツールを回収すれば帝国奪還も容易なのに・・・もう夢と消えた・・・あれ!この港には帝国と同様のモノが見受けられるわ・・・もしかして魔法陣を使ってるようね。見た感じも優れているわ。帝国奪還に手を貸してもらえないでしょうか・・・」
彼女を鑑定して、旧魔法国の情報を得たぞ。物語のように語り継がれて聞いたのだろう。
100番目のルーン文字の暴走が怖く語られている。大昔の話なのに・・・
「ここで大人しく暮らした方が幸せですよ」
「交換条件に重力装置のノウハウを教えるわ」
「え!そちらでは一般的に使われているのか・・・」
「見た感じたと重力関係は見当たらないけど、あると便利よ。あの重力で南大陸を支配していると言ってもおかしくないのよ」
そうなのだ・・・彼女らが乗っていたボートは、重力魔法陣が内臓されてたのだ。
今では、アルの協力なしで作れない技術なのだ。
面倒なミッションだが得るものが大きいぞ。
重力魔法陣か・・・今の駆逐艦も飛ばせる事も可能だな。
これは受けるべきミッションだ。
「分かった帝国を取り返せば良いのだな」
「帝国は侮れないけど大丈夫・・・」
「王妃の協力でなんとかなるだろう」
帝国はルーン文字の暴走以降、80番目までのルーン文字しか使って来なかった。
あの悪夢の出来事を恐れての防御策的な事らしいぞ。
だからここで使われる魔法レベルであっても、空からの攻撃で他民族を支配したようだ。
これなら勝てる見込みがあるぞ。
急いでゴーレムモドキを魔改造するぞ。
出来上がった1号は、ゴーレム01と命名。
作った数は1万。
ゴーレムを討伐しなくても、土魔法で魔法石を作り上げる。
その魔法石をゴーレムのパーツとして使用。頭脳チップを埋め込めば完成。
カメラの代用に無魔法の探索を魔法陣に取り込み使用。
1キロ圏内なら余裕で敵の発見が可能だぞ。
そして、王妃から手に入れた重力魔法陣を体内埋め込む。
もう空を自由に飛びまわるゴーレム01は、凄いの一言につきる。
速度100キロは、軽く出てるのだ。
もっと速度を上げるのなら魔法陣の二重掛けが必要で、魔力燃費が非常に悪くなるのが欠点だ。
手には、小型レーザー銃を持たせた。
これは俺のオリジナル武器で、帝国でも存在しない武器で活躍が期待できるぞ。
コスト・パフォーマンスで費用対効果がいい。
魔力消費も少なくする為に直径1ミリのレーザー光線にしても、貫通力が半端ない威力。
そして銃の使用部品も少ない。
防御には風の盾を自由に発動できるように専用魔法陣も埋め込む。
3つの風の盾を展開して、防御面は充分だろう。
ゴーレム02 別名:救護ゴーレム
ゴーレム01の部品を亜空間袋に入れて、故障や損傷時にパーツごと交換しる。
人間の治療も出来るように、プチ光魔法陣を内臓。
軽傷や軽い病気なら治す事も可能。
ゴーレム03 別名:忍者ゴーレム
素早い動きと、ステルス機能を備えたゴーレム。
敵地の情報収集が主な任務としている。
時には破壊行為もするだけの能力も備えている。
ゴーレム04 別名:土木ゴーレム
土魔法が使えるゴーレム。
穴掘りや基地建設に活躍する予定だ。
ゴーレム05 別名:結界ゴーレム
王妃が結界士で、そのノウハウを伝授されて作ったゴーレム。
主に防衛が任務としている。
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