第88話猿でもわかる
俺はおやじの会社までやって来ている。
朝っぱらから電話が鳴りっぱなして、電話を出たらおやじだった。
アルがおやじのノートPCに送ったメールが原因だ。
大まかな説明文がページ数で10000枚にも及んだからで、俺の責任でないのに怒られたぞ。
それに会社の社運が掛かったプロジェクトであり、俺が説明するしかない状況・・・
初めての本社だが受付で「いらっしゃいませ。どのような御用件でしょう」
ギルドカードを見せて「社長に呼ばれて来たんだけど」
「かしこまりました」と言って何処かに連絡してる。
「担当の者が来るまで少々お待ちください」
せわしく走って来たのは親戚に
母親の1番下の弟で、ここに就職するまでプータローしいて、俺は自由人だと言って聞かない人物だよ。
「久し振りだな・・・元気にしてた」
「はあ、それなりに・・・」
入った会議室には、大勢の人が座っていて俺が入ったら全員が見てくる。
居た堪れない気分だぞ。
それなのに新田のおっさんは「この方が社長の息子でイサムさんです。世間でも騒がせてる人物だから・・・紹介しなくてよかったかな・・・」
新田のおっさん、
本当に
「いさむ、メールより簡単に説明してくれるか」
1番奥で良い場所に座ってるのがおやじだ。
それでも声がでかいのがおやじの癖だ。
俺はテーブルの上にバッグを置いた。
もぞもぞと取り出したのが
「なんだ、あれは・・・」
「浮いてるぞ・・・間違いなく浮いている」
「なんだね、それは・・・危険物なのかね・・・説明を」
危険物でもないし・・・なにを焦ってるんだよ。
驚く連中をほっといて立法体の作動ボタンを押した。
鮮明な立体映像が会議室中央に投影。
『わたしはキューブ、皆さんに猿でもわかる簡単な説明をします』
必要な面積が立体で現れて、必要な機器とメーカー名が表示。
その機器が配置されると作業工程の説明にはいった。
「ちょっと質問が・・・」
『質問は説明終了後に受け付けます。それまで猿なら黙って聞いて下さい』
猿呼ばわりされてるぞ。アルよりキツイ奴だな。
『わたしがキツイとな、けしからん』
え!聞いてたのかよ。
『聞いて悪いか、キューブはわたしより下等な存在だが、初めてのここで創造したもので気にはなる』
そんなものなのか・・・
永遠にキューブの説明が続き2時間が経過して終了したようだぞ。
一気に質問が飛んできたぞ。
1つ1つ猿でもわかるように説明してたぞ。
『もう質問はありませんか・・・なければわたしとのアクセス権は
「え!俺が・・・」
新田のおっさんもびっくりしてるぞ。
もうここの連中は、キューブを信頼したように工場建設へ向けて話が進み出したぞ。
スパコン以上の能力に金儲けのにおいを嗅いだのだ。
やっぱる社会人はしたたかだ。
建設された工場に、大木や佐々木が視察に来てた。
「中々良い工場ですな」
工場長「色々と指導して頂きありがとう御座います」
「あの青白く光ってるのは何かな」
「あれは魔力照射です。魔力照射して叩く事で魔力が込められる仕組みになってます」
「ほう!たいしたものだな。そう思わないか佐々木」
「はい・・・」
「何か問題でもあるなか・・・」
「この建設に神須勇が
「おかしいでは無いかな。鍛冶場でルーンナイフを叩いていたと君の報告にもあったぞ。確か建設申請から建つまで鍛冶場で働き続けていたと・・・あれは嘘だったのかね」
「嘘ではありませんが・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます