第89話ステラー




ドートレ会社の開発部がキューブに言われるままあるものを開発。


その商品は【ステラー】

ステータスのステと観覧かんらんのラを足した、安直な名になった。


腕にするタイプの装着バングル。


厚み5ミリにみたない薄型バングルで、自身のステータスを見る事ができる。

一般人をHP10と表示して、スキル覚醒者ならHP25が普通。

トップランカーならHP40と表示される者までいる。


損傷ヶ所もワンタッチで表示。

死に至る場合は、死へのカウントダウンまで表示。


状態異常も表示。

毒状態   自然に治る場合は、時間表示あり

麻痺状態  麻痺の治る時間表示

睡眠状態  目覚め時間を表示

病気状態  一般的な病名まで表示



魔法士ならば、MPも表示。

MPを見ながら魔力残量がわかる仕組みだ。


表示の仕組みは簡単だ。

火魔法士なら火球1つがMP1で、MP20なら20回は火球を放てる。

ただしMP0で気絶するのは検証済み。



そして魔物に対して、【ステラー】を向けて光線を照射。

魔物のステータスも表示される仕組みになっている。

ただし魔物データが確認された場合に限る。

※データ無しの場合でもPHとMPは表示。


名称   通常的に呼ばれる名

HP   ゴブリンならHP15

MP   リザードマンならMP30


スキル  素早さアップや力アップまで確認されている

魔法   火魔法・水魔法など


弱点   一撃で死ぬレベルや、1番弱い耐性を表示


その事から魔物のランク付けがなされた。

F ゴブリンとコボルトレベルの魔物

E オークレベルの魔物 

D リーザードマンレベルの魔物




社長室で数人による話し合いがなされている。


田中専務「社長、開発部の奴らは勝手に【ステラー】な怪しいものを開発して、どうしたらよいのか・・・」


土井副社長「キューブが作らせたに違いありません。新田の勝手な振る舞いも容認できませんよ」


神須社長「しかし、開発して売り出さないのも問題だぞ。覚醒者なら必ず買いそうな気がするがな・・・それに開発費に1億円以上使ってGOサインしたのは君だろ・・・」


土井副社長「そこが大問題で、私はGOサインなど出してません。私が承認したように見せかけて許せません。キューブが勝手に操作して開発費の承認をしたらしいく・・・確かな確証はありませんが、それ以外考えられません」


神須社長「まあまあ、販売してダメなら問題にする事でどうだ。それに新田は、なんて言ってるんだ」


土井副社長「キューブにだまされたと言ってます。本当かどうかわかりませんが」


神須社長「それなら新田をめるのは無理がありそうだぞ。キューブ自体が我らをバカにしてるからな・・・」


田中専務「わたしはそんなキューブが好きですよ」


土井副社長「君までそんな事を言うのかね」


神須社長「それに世界シェアを狙ってるのか、翻訳ほんやくにも手がけているらしいな」


田中専務「そうなんです。翻訳家を雇ってやってましたね」



ノックがないままドアが開けられた。


「大変です。テレビをつけて下さい。【ステラー】の記者会見が行なわれます」


土井副社長「なんだと!・・・キューブの仕業か・・・」


モニターがテレビ画面に切り替わった。


新田と佐々木が並んで【ステラー】の説明をしてる場面が映しだされている。


フラッシュ撮影が「パシャ、パシャ、パシャ、パシャ」とたかれている。

まぶしかったのか新田は、手で顔をおおい隠した。


「海外にも売り出す予定はありますか」


勿論もちろんです。今も翻訳中で近日中には販売します。ご期待ください」


「誰の発明ですか・・・教えてください」


「企業秘密ですよ」




又も慌てた社員が駆け込んできた。


「大変です社長、ステラーの注文が殺到してます。アメリカ大使の補佐官の方からも電話がきてます」


土井副社長「わたしが応対してきます」


そう言って出て行った。





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