第47話新たなスライム




ハルとアルシャ・ペポは、22階でオーク相手に戦闘中だ。


ハルが火柱をあっちこっちに動かして、12体のオークをこんがりと焼き尽くした。


アルシャ・ペポは、バカッと体を広げて2体のオークを飲み込んだ。

飲み込まれたオークは、中で暴れまくってるが徐々に動きが鈍くなり大人しく消化されてる。


その時だ。

アルシャ・ペポは、淡く光った。


「アルシャ・ペポ!どうしたの・・・」


アルシャ・ペポに駆け寄って心配そうに抱き上げて、スリスリしているハルがそこに居た。


「心配ないぞ。レベルが上がっただけだよ」


「師匠!それってゾンビのように進化するって事ですか・・・」


「鑑定には、そのように表示されてるな」


「アルシャ・ペポ!でかしたぞ」


ハルは、アルシャ・ペポを天井近くまで放り投げて再度受取って高い高いを繰り返している。

それに対してアルシャ・ペポは、プルンプルンとふるえながら成すがままだ。


「それに・・・もう1体、テイムできるとハルにも表示されてるぞ。オークでもテイムしてみるか」


「師匠、あんな豚さんは嫌ですよ・・・もう1体もスライムをテイムしても良いですか?」


「それはハルの自由に決めたらいいぞ」


「はい!」





「アルシャ・ペポ!あのスライムを捕獲しろ。決して食べるな」


アルシャ・ペポは、大きくジャンプしてスライムに突っ込んだ。そのまま押さえ付けている。

レベル差でどうにもできないスライムは、諦めて大人しくなりだした。


「もうテイムして良い頃合だ。やってみろハル」


「分かりました。我が主なるぞ。我に従え!」


スライムが淡く光った。


鑑定結果もテイムされたと出ている。


「テイムは成功だぞ」


「本当ですか・・・お前の名は、シュペル・パポだ」


「なんだその名は・・・また小難しい名を付けて」


「師匠、この名が気に入ったようですよ」


そうなのだ。ポヨンポヨンとシュペル・パポは、飛び跳ねている。

それにつられてアルシャ・ペポも飛び跳ねだした。





神須ギルド支部で2人で換金中に、牧田のおばさんが話し掛けてきた。


「あら、可愛いのが2匹も居るね・・・また増やしたのかい」


「はい、増やしました。シュペル・パポ、挨拶をしなさい」


シュペル・パポは、プルンプルンと飛び跳ねた。


「あんたがシュペル・パポかい・・・よろしくね。あ!そうだ。あんたらが何泊も潜ってる間に・・・イサムの家の近くにコンテナのSPPBが建ったよ」


「え!俺を警護する為の交番が建ったの・・・」


「地上のあんたの警護と家の監視が主な任務らしいよ。それにあっちこっちに監視負カメラが設置されて24時間監視システムが稼動中だからね」


「それって学園内の顔認証システムのカメラと同じですね・・・キルド支部のカメラが変わってるので何かおかしいっと思ってましたよ」


「そうなのよ・・・歩容認証ほようにんしょうってシステムも導入されて、顔を隠しても歩くパターンで誰だか判別が出来るらしいのよ。それに新たなダンジョン法が施行されてここら辺が特区に指定されたらしいのよ」


「それってどんな特区か聞いてませんか・・・」


「テロやスパイや吸血鬼から完全に守る特区らしいのよ」


驚きながらタブレットを操作した。

成る程、そんな吸血鬼のニュースやダンジョン法がてんこ盛りだ。



テイマーや吸血鬼の事をもっと調べる必要がありそうだ。

異世界に行って調べるか・・・・



我が家の近くでコンテナのSPPBを発見。

コンテナ1本だと思っていたのに・・・5本も並んで設置されてるぞ。

それも1段2段3段と3階建てだ。

そして階段は、外側に設置されていて強化ガラスで覆われてるぞ。


え!おかしい・・・鑑定で壁越しに内部の声が丸聞こえなのに、声が聞こえないぞ。

そうか、壁自体が防音効果が完璧なのか、それに電波遮断防止まで施してるのか・・・

屋上の換気装置も核シェルターの特殊フィルター装置だ。


しょぼい外見なのに・・・


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