第30話スキル測定
ギルド本部の大会議室で、動画が映し出されていた。
それは、ダンジョン内の景色だ。
何台もカメラを使ったのだろう。照明が照らされて明るいダンジョンだ。
スタート位置に付いた覚醒者の後ろ姿が、足から背中へ移動しながら映された。
今度は100メートル向こうから、ズームで正面からのアングルだ。
スタート位置には、若くない女性がスタートのポーズをとっていた。
合図が鳴った。凄いダッシュで走りだした。
「御覧下さい。
その動画が繰り返し映し出された。
会議室がどよめいた。
「もう車以上の走りだ。そんな事が信じられるか・・・」
「この記録・・・彼女は、記録を更新し続けました。御覧下さい」
1回目:5秒
2回目:4秒57
3回目:4秒44
4回目:4秒43
5回目:4秒43
「彼女の年齢を考えても
聴覚や反射神経の検査も脅威的な記録だ。
「今までの記録は、ダンジョン内の記録です。しかし、地上での記録はガックンッと落ちます。それがこの記録です」
1回目:7秒43
2回目:7秒57
3回目:8秒33
4回目:8秒32
5回目:8秒42
又も会議室だどよめいた。
「この事からスキルは、ダンジョン内での魔力に深く関係してるのではと科学部門の意見です」
「他のスキルは、どうなっている」
「力アップの覚醒者に重量上げをさせました。これがその時の記録です」
【スナッチ:地面に置いたバーベルを頭上へ一気に引き上げて立ち上がる競技】
「この64歳の高齢でも、力を発揮するスキルは、まさに脅威です。それに耐える体も凄いの一言です」
「ならば重い武器での戦いも可能だな。武器部の開発を急がせろ・・・あのリザードマンも重みで斬る武器ならどうにかなるだろう」
電光板には、賛成の票が多く青く光った。
「アメリカのトップランカーたちは、どんな鑑定だ」
「4人の男性がスキルの覚醒者です。そして2人の女性が魔法の覚醒者です。この事から覚醒者は、少なからず力を発揮していた可能性があります。しかし、精神意識でしっかり確信してこそ力は発揮できるものと考えております」
「するとスキルを持っていても自覚しないと発揮出来ないのかね」
「はい、そのとおりです。それにもう1つの発見があります。」
大木が何事だと言いたげに
画面にカイ・ナイトの仔細が表示された。
カイ・ナイト 27歳
スキル
力アップ+
力アップ+は、力アップの1.5倍
更に会議室にどよめきが支配した。
「力アップの1.5倍か・・・まさに化物だ。それで記録はどうなった」
「完全に拒否されて、4人の男は帰国しました。2人の魔法士は残って修行中と聞いてます」
「こっちが協力したのに、なんて態度だ。わしから抗議してやる」
「・・・・・・」
「それで、鑑定の覚醒者は1人だけなのか・・・」
「はい、今の現状は1人だけです」
「鑑定の指輪を手に入らないのか・・・あれは、欲しい指輪だ」
「神須が承知しないでしょう。無理をすると魔法の指導も協力を仰げなくなります」
「難しい問題だな。佐々木は上手くやってるのか・・・」
「結局、村上も神須の協力で覚醒したと言っても良いでしょう」
「そうなのか・・・色々な点で残念だ」
「もう村上は性格も激変して、パーティーリーダーになってリザードマンを倒してますよ」
「それ程に変わったのか・・・」大木は、つぶやいて
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