第22話鑑定は楽でなかった




神須ダンジョンのスライム討伐が終わった。

すぐに青い魔石は、神須ギルド支部に納めた。


「イサムも大変だね。おばさんは心配だよ」


「心配してくれるのは、おばさんだけだよ」


「神須さん、ヘリが待機中です急いで下さい」


話中なのに割り込まれた。気の利かない奴だ。


案内された先は学園裏のヘリポートだ。もうヘリは回転させながら待機中だ。

工事中だから土ぼこりがひどいぞ。そして髪を乱しなが乗り込んだ。




宮下ダンジョンで更にスライム討伐を繰り返した。

宮下ギルド支部に納めたら、大型バスで来た連中を片っ端から鑑定しまくった。

ただ見るだけだと思っていた。

昨日の答弁も適当に言ったのに、こんなに疲れるなんて・・・俺の誤算だ。


昨日の夜に、ノートパソコンで予定を細かく書いて送信。

その結果がこれだ・・・やる気がなくなるぜ。

自分でした事だからよけいに腹が立つ。


ヘリで帰りながら反省だ。


それに300人以上も見たのに0だ。

もっと人選を考えろ。いまのところ100%空振りだぞ。

そうだ!人選ミスのクレームを送っておこう。

スマホで書いてポチッと送信してやった。



「え!学園に豪華な風呂が出来たの」


「工事中に温泉が出たらしいです。ぜひ入って下さい」


もう学園の天然温泉へ行くしかない。

もう服を脱ぎ捨てて、ずらっと並ぶシャワールームは無視だ。

ガラッとドアを開けたら、広い湯船だ。

あ!外には露天風呂だ。


これがサウナか、中に入ったとたんに熱が。

【石に水を掛けて下さい】って、掛けますよ。

一気に蒸気が室内に広がった。室内の温度計が徐々に上がりだした。

もう8分で限界だ。サウナをでて、水風呂の前でオケで水を体にぶっ掛けた。

すぐに水風呂へ入った。ああ冷たい1分が限度だ。

外に出たらなんだよ「ガンガン」と工事の音で雰囲気が台無しだ。

しかし、せっかくだから長いすに寝転がった。


なんか工事の音も慣れた。

今度は露天風呂に入った。もう1人締めだ。



「失礼します」


あれ!なんで案内人のあんたが入ってくるの・・・

もう金魚のフンみたいに付いてこられても・・・邪魔な奴だ。

ジャグジーや薬湯まで付いてきて、困った奴だ。

もう上がろう。




学園の外では、村民が全員が来ていた。


「いさむ、もう入ったのか」


「うん、入ったよ。いい湯だよ。なぜみんなが居るの」


「知らないのか、12時から15時まで無料開放が決まったらしいよ。それ以外は学生が使うらしいね」


ほう・・・今は、生徒数が2人しか居ないのに。


腕時計が12時になった。

学園側の人間がロープを外した。


わいのわいのと学園へ入ってゆく。

まあいいか。




我が家に帰って、居間で鏡を出した。

そっと触れると、そこは異世界だ。


東京で買った四輪バギーを出した。

価格は420,000円だ。

10馬力の魔石で走る電動バギーだ。公道では走れないが異世界で走るならちょうどいい。

ヘッドライトは、最新のLEDで結構明るい。


またがってスタートボタンを押した。

ハンドルを回したら走りだした。




この湖にリザードマンが居るらしい。

四輪バギーを渦に回収。何処だリザードマンは、双眼鏡で見てもさっぱりだ。


しばらくして画面に反応。すばやく草むらに隠れた。

向こうの草むらから2体のリザードマンが出てきた。

俺は、草むらのスキからリザードマンを見続けた。


俺は、この瞬間をまってた。すぐに鑑定だ。


【リザードマン】


うろこが硬く防御に優れてる


水魔法


雷に非常に弱い



よし勝った。雷魔法を発動して「バチ、バチ」と放った。

雷撃に触れた瞬間に卒倒した。


倒れたリザードマンに駆け寄った。

体をペシペシと叩いてやった。やはり死んでるぞ。

トップランカーを勝った奴なのに・・・呆気ないな~ぁ。



それにしても本当に硬そうだ。

暗黒刀で鱗を切った。抵抗はあったが切れた。

今度は、ブスッと突き刺した。


「おお、刺さったぞ」


魔石を取り出した。

あれ!この魔石は水色だ。

俺の直感は、傷や病気を治す魔石ではないと言ってる。

水が出そうな魔石に違いない。


どうしたら出るんだ。

電気か・・・とりあえず魔力を注ぎ込んだ。


どんだけ水が出るんだ。魔力は止めたのにまだ出てるぞ。

30分後にようやく止まった。もう服がびしょびしょだ。



これなら水に困っている国なら喜ぶだろう。

ただし魔法士が居ないとダメだ。だから今は保留だ。



あ!3体のリザードマンだ。

暗黒吸刀を取り出した。そして風魔法を展開した。

う!風防御でちょと動きにくいが走った。


やっぱり水球が飛んできた。しかし風の渦がなんとかそらした。

リザードマン1体の心臓に、これでもかと突き刺した。げ!こいつは青い血だ。


おっと、もう1体が石斧で襲ってきた。右にしゃがんでかわしてやった。

そして暗黒吸刀で下から斬り上げた。腕がボトッと落ちた。

痛がって転げ回ったぞ。両足で押さえつけて心臓を突き刺した。

残りは何処だ。


あんなに遠くまで逃げていた。

コルトMT6400を出して、狙い定めて撃った。

飛び出した弾丸に雷魔法をまとわせた。

当たった瞬間に一瞬だけ立ち止まった。これは効き目があるぞ。

何度も何度も撃った。よろけながらリザードマンは倒れた。


俺は画面を見てた。

睨んだ通りに【水魔法取得】と表示されてた。


「よっしゃー、水魔法をゲットしたぜ」


あ、あっちにもこっちも、銃声でリザードマンが集まりたがった。


俺は雷魔法を放った。

感電死したリザードマンが、次々に倒れた。

それでも諦めないで襲ってきた。

どうもリザードマンの怒りを買ったみたいだ。凄い目つきで睨んでるからだ。



ようやく戦いは終わった。


水色の魔石は308個だ。


ギルドでリザードマンの話を聞いたが、討伐依頼がないのが痛いな・・・

魔法の為だ。仕方ない。



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